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━━━5章:失ったもの
5「差し伸べられた手」
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いやだ
聖くん以外にこんなことされたら
二度と戻れなくなるッ
聖は、彩都が自分しか知らない身体なことを何よりも喜び、大切にしてくれた。ビッチが嫌いなのである。
「やめて!いやだッ」
誰か、助けて!
最後の希望まで取り上げないで..
「なにやってんだ!離れろ!」
彩都が諦めかけた時だった。聞き慣れた声が彩都の耳にドアを開ける音と共に入ってきた。
「大丈夫か?黒川ッ」
先に入ってきたのは生徒会副会長の鶴城。戸田倉を彩都から引き剥がしてくれる。後から側に駆け寄り抱き締めてくれたのが、風紀委員長の美崎であった。
「美崎先輩ッ」
「よし、いい子だ。もう大丈夫だよ」
美崎は鶴城に合図を送る。頷いた鶴城は、あとから駆けつけた風紀委員と共に戸田倉を連行してゆく。美崎や鶴城とはK学園高等部に入学してすぐの頃からよく見知った仲である。外部性であり、自分とよく一緒にいる彩都のため聖が風紀委員室に連れていってくれたことが始まりだ。
「大里はどうしたんだ?」
美崎にすがりついて泣いていた彩都は顔をあげ、更に顔を歪めた。
「僕..」
「あの噂は本当だったのか。だからって、こんな」
美崎は思い当たることがあったのか、もう一度ヨシヨシと抱き締めてくれた。
いつもなら聖が側にいることで危険な目から守られていた。彩都は急に怖くなってゆく。
聖くんを失って
恐怖心だけ植えつけられてゆくんだ
怖いよ
会いたいよ
抱き締めて..
聖くん以外にこんなことされたら
二度と戻れなくなるッ
聖は、彩都が自分しか知らない身体なことを何よりも喜び、大切にしてくれた。ビッチが嫌いなのである。
「やめて!いやだッ」
誰か、助けて!
最後の希望まで取り上げないで..
「なにやってんだ!離れろ!」
彩都が諦めかけた時だった。聞き慣れた声が彩都の耳にドアを開ける音と共に入ってきた。
「大丈夫か?黒川ッ」
先に入ってきたのは生徒会副会長の鶴城。戸田倉を彩都から引き剥がしてくれる。後から側に駆け寄り抱き締めてくれたのが、風紀委員長の美崎であった。
「美崎先輩ッ」
「よし、いい子だ。もう大丈夫だよ」
美崎は鶴城に合図を送る。頷いた鶴城は、あとから駆けつけた風紀委員と共に戸田倉を連行してゆく。美崎や鶴城とはK学園高等部に入学してすぐの頃からよく見知った仲である。外部性であり、自分とよく一緒にいる彩都のため聖が風紀委員室に連れていってくれたことが始まりだ。
「大里はどうしたんだ?」
美崎にすがりついて泣いていた彩都は顔をあげ、更に顔を歪めた。
「僕..」
「あの噂は本当だったのか。だからって、こんな」
美崎は思い当たることがあったのか、もう一度ヨシヨシと抱き締めてくれた。
いつもなら聖が側にいることで危険な目から守られていた。彩都は急に怖くなってゆく。
聖くんを失って
恐怖心だけ植えつけられてゆくんだ
怖いよ
会いたいよ
抱き締めて..
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