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━━━5章:失ったもの
4「気づかぬ違和感」
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せっかく聖くんが見られるチャンスだったのに。
彩都はがっかりしながら、とぼとぼと戸田倉について行く。うつむいていたため、違和感に気づかなかった。
「えっ?!」
顔をあげたとき、ここが各教室のある校舎ではないことを知ったが手遅れで。
あっと思った時には第二校舎の空き部屋に連れ込まれそうになる。
「いやだあッ。なんなの?!」
暴れるが、最近食欲もなく体力が落ちていた彩都は引きずり込まれていく。
「大変よ。風紀に連絡しなきゃ」
「いま、かけてる!」
外では、彩都の後をこっそりつけていた男女が慌てていたが、彩都たちには聞こえなかった。
**
「いやぁ..」
主にサークルに使われる第二校舎は、金持ち校なだけあって、空き部屋にも簡易ながら設備が整っている。
「もう、忘れろよ」
ソファーに押し倒され、戸田倉に馬乗りになられ彩都は身動きが出来なかった。
「ゴミみたいに簡単に捨てるやつなんだぞ?大里は」
「ちがうッ」
「大崎の為ならなんだってするやつなんだ」
何をいってるの?
聖くんが僕たちを切ったのは大崎くんのせい?
「黒川、俺のものになれ」
「いやだッ」
僕がこんな目に合うのも大崎くんのせい?
聖くんを僕からとりあげたのは..
「無理矢理にでも、手に入れてやる」
「やめて!戸田倉ッ」
「観念しろ」
いやだ、いやだ、いやだ!
戸田倉が腕を押さえつけようとするのに、彩都は必死に抵抗する。
「いやぁあああああッ!」
助けて。聖くんッ!
彩都はがっかりしながら、とぼとぼと戸田倉について行く。うつむいていたため、違和感に気づかなかった。
「えっ?!」
顔をあげたとき、ここが各教室のある校舎ではないことを知ったが手遅れで。
あっと思った時には第二校舎の空き部屋に連れ込まれそうになる。
「いやだあッ。なんなの?!」
暴れるが、最近食欲もなく体力が落ちていた彩都は引きずり込まれていく。
「大変よ。風紀に連絡しなきゃ」
「いま、かけてる!」
外では、彩都の後をこっそりつけていた男女が慌てていたが、彩都たちには聞こえなかった。
**
「いやぁ..」
主にサークルに使われる第二校舎は、金持ち校なだけあって、空き部屋にも簡易ながら設備が整っている。
「もう、忘れろよ」
ソファーに押し倒され、戸田倉に馬乗りになられ彩都は身動きが出来なかった。
「ゴミみたいに簡単に捨てるやつなんだぞ?大里は」
「ちがうッ」
「大崎の為ならなんだってするやつなんだ」
何をいってるの?
聖くんが僕たちを切ったのは大崎くんのせい?
「黒川、俺のものになれ」
「いやだッ」
僕がこんな目に合うのも大崎くんのせい?
聖くんを僕からとりあげたのは..
「無理矢理にでも、手に入れてやる」
「やめて!戸田倉ッ」
「観念しろ」
いやだ、いやだ、いやだ!
戸田倉が腕を押さえつけようとするのに、彩都は必死に抵抗する。
「いやぁあああああッ!」
助けて。聖くんッ!
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