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━━━5章:失ったもの
2「聖を取り巻くその環境」
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聖を取り巻く学園の者は、大きく三つに分類されている。
その中でも頂点に位置するのが聖のファンクラブ。所属している者のほとんどが内部生であり、礼節と品格を備えた男女の生徒たちである。彼らが別格とされるのは、大里グループ主宰の正式なパーティーなどに招待されることからも、明らかで。
そして、そんな彼らが忌み嫌うのが底辺のセフレたち。
しかし、彩都だけは一目置かれていた。聖が彩都を特別大切にしていたことが見てとれたし、彩都もまた純真な想いで側にいることが伝わって来たからである。なので、ファンクラブのメンバーは久隆同様、彩都のイジメ現場に出くわせばそっと手を差しのべて来た。
三つ目は聖について回る金魚の糞とも言える取り巻きたち。彼らは外部生のみで構成されている。一見友人のように見える彼らは、利害のみで聖の側にいた。しかしながら、まとわりつくのが学園内や放課後程度なのでファンクラブのメンバーも目を瞑ってきたのだ。
今、そのバランスが崩れ去ろうとしている。どんなに忌み嫌っていても“セフレたち”がいることによって“彩都”の位置が守られてきたからだ。
「大里くん、セフレの精算を始めているんだって」
「黒川大丈夫なのかな?」
第二校舎にある“大里 聖”のファンクラブのメンバーの集まる“社交倶楽部”という表向きはサークルであるファンクラブ室で、男女の生徒が声を潜め隅で話をしていた。
「何も、起こらなければいいけれど」
「黒川は外部生だったよな」
男子生徒は顎に手をあて眉を寄せた。
「今までは暗に大里くんの力が働いていたからあれだけど、心配よね」
「俺たちも、黒川のこと気にかけてやろう。会長に話しをしてくる」
そういうと、男子生徒はファンクラブ会長の方へ歩いていく。女子生徒はその背中を不安そうに見送った。
その中でも頂点に位置するのが聖のファンクラブ。所属している者のほとんどが内部生であり、礼節と品格を備えた男女の生徒たちである。彼らが別格とされるのは、大里グループ主宰の正式なパーティーなどに招待されることからも、明らかで。
そして、そんな彼らが忌み嫌うのが底辺のセフレたち。
しかし、彩都だけは一目置かれていた。聖が彩都を特別大切にしていたことが見てとれたし、彩都もまた純真な想いで側にいることが伝わって来たからである。なので、ファンクラブのメンバーは久隆同様、彩都のイジメ現場に出くわせばそっと手を差しのべて来た。
三つ目は聖について回る金魚の糞とも言える取り巻きたち。彼らは外部生のみで構成されている。一見友人のように見える彼らは、利害のみで聖の側にいた。しかしながら、まとわりつくのが学園内や放課後程度なのでファンクラブのメンバーも目を瞑ってきたのだ。
今、そのバランスが崩れ去ろうとしている。どんなに忌み嫌っていても“セフレたち”がいることによって“彩都”の位置が守られてきたからだ。
「大里くん、セフレの精算を始めているんだって」
「黒川大丈夫なのかな?」
第二校舎にある“大里 聖”のファンクラブのメンバーの集まる“社交倶楽部”という表向きはサークルであるファンクラブ室で、男女の生徒が声を潜め隅で話をしていた。
「何も、起こらなければいいけれど」
「黒川は外部生だったよな」
男子生徒は顎に手をあて眉を寄せた。
「今までは暗に大里くんの力が働いていたからあれだけど、心配よね」
「俺たちも、黒川のこと気にかけてやろう。会長に話しをしてくる」
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