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6*変わりゆく日常
5 愛しい弟と理性
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****♡Side・圭一(兄)
「お兄ちゃ……ッ」
昼食を取るだけで済めば良かったのだが。
──久隆が可愛すぎるから、いけないんだ。
圭一は、昼食のあと部屋を取った。昼間からゆったりと浸かるジャグジーは最高で。久隆が甘えて、ぴったりと圭一にくっついたりしなければ、理性が飛ぶこともなかったのに。
「んッ」
バスタオルで彼を包むと、抱き上げてベッドにおろす。
驚く彼から濡れたバスタオルをはぎ取ると、組み伏せた。
口づければ、瞳を揺らしていた彼は戸惑いながらも応じる。
「んんッ」
自分はどうかしていると思う。こんなに理性のない人間だとは、思っていななかった。
『お兄ちゃん、あのね』
ミノリに選んで貰った服を嬉しそうに眺めながら。
『お兄ちゃんにも、選んで欲しいな』
洋服を買って貰うのは嬉しいが、兄に見立てて貰った服が欲しいと彼は言う。何と愛しいことか。
『俺は、大里みたいにセンスは良くないぞ』
圭一は、K学園の制服以外はほぼスーツだ。
カッコいいなどと言われるのは、スーツのせいだと思っている。
『それでもいいの。お兄ちゃんのが欲しい』
まるで、自分を欲しがっているように感じ、微笑む。
『そっか、じゃあ買い足そうか』
ミノリからは、服選びのポイントなどを教わっていた。
だぶピタッの法則が一番簡単だと。
『下がダブっとしたものなら、シャツはピタッとして、イン出来るものが似合いましてよ。逆に、上がダブっとしたものなら、下はピタッとしたもの。ものによってはピタピタでもいいですが、ダブを合わせるなら、下を半ズボンにしたり、上を短めにしたりと、調整しないとただお太りになっているように見えてしまいますわ。何処かには絞りがないと』
彼女はそう説明をして、にっこりと微笑む。
『他には、トレンドを取り入れる方法もありますが、流行ものはその年しか着れないことが多いので、取り入れるなら、形だけにして柄物を避けるのもアリですわね』
今年は丈の長めなものが流行っている。柄なしの上着をおススメしてくれた。
彼女の言葉を思い出しながら、圭一なりに服を選びだす。久隆は襟無しばかり好んで着ていることを思い出し、白い七分丈の襟付きのシャツを一枚選び出す。それに合わせるのは、茶系のチェックのズボン。サスペンダーを添えて。そこに、明るい茶系の細身のネクタイを合わせ、金の音符をモチーフにしたタイピンを合わせた。
同系統なら統一感があって初心者向きだと、ミノリが教えてくれたからだ。
『お兄ちゃん、ありがとう』
とても嬉しそうな久隆を見て、愛しさが増したことは言うまでもない。
「お兄ちゃ……ッ」
昼食を取るだけで済めば良かったのだが。
──久隆が可愛すぎるから、いけないんだ。
圭一は、昼食のあと部屋を取った。昼間からゆったりと浸かるジャグジーは最高で。久隆が甘えて、ぴったりと圭一にくっついたりしなければ、理性が飛ぶこともなかったのに。
「んッ」
バスタオルで彼を包むと、抱き上げてベッドにおろす。
驚く彼から濡れたバスタオルをはぎ取ると、組み伏せた。
口づければ、瞳を揺らしていた彼は戸惑いながらも応じる。
「んんッ」
自分はどうかしていると思う。こんなに理性のない人間だとは、思っていななかった。
『お兄ちゃん、あのね』
ミノリに選んで貰った服を嬉しそうに眺めながら。
『お兄ちゃんにも、選んで欲しいな』
洋服を買って貰うのは嬉しいが、兄に見立てて貰った服が欲しいと彼は言う。何と愛しいことか。
『俺は、大里みたいにセンスは良くないぞ』
圭一は、K学園の制服以外はほぼスーツだ。
カッコいいなどと言われるのは、スーツのせいだと思っている。
『それでもいいの。お兄ちゃんのが欲しい』
まるで、自分を欲しがっているように感じ、微笑む。
『そっか、じゃあ買い足そうか』
ミノリからは、服選びのポイントなどを教わっていた。
だぶピタッの法則が一番簡単だと。
『下がダブっとしたものなら、シャツはピタッとして、イン出来るものが似合いましてよ。逆に、上がダブっとしたものなら、下はピタッとしたもの。ものによってはピタピタでもいいですが、ダブを合わせるなら、下を半ズボンにしたり、上を短めにしたりと、調整しないとただお太りになっているように見えてしまいますわ。何処かには絞りがないと』
彼女はそう説明をして、にっこりと微笑む。
『他には、トレンドを取り入れる方法もありますが、流行ものはその年しか着れないことが多いので、取り入れるなら、形だけにして柄物を避けるのもアリですわね』
今年は丈の長めなものが流行っている。柄なしの上着をおススメしてくれた。
彼女の言葉を思い出しながら、圭一なりに服を選びだす。久隆は襟無しばかり好んで着ていることを思い出し、白い七分丈の襟付きのシャツを一枚選び出す。それに合わせるのは、茶系のチェックのズボン。サスペンダーを添えて。そこに、明るい茶系の細身のネクタイを合わせ、金の音符をモチーフにしたタイピンを合わせた。
同系統なら統一感があって初心者向きだと、ミノリが教えてくれたからだ。
『お兄ちゃん、ありがとう』
とても嬉しそうな久隆を見て、愛しさが増したことは言うまでもない。
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