R18【同性恋愛】究極純愛♡僕日if 3*crazy love『禁断の愛に溺れて』

crazy’s7@体調不良不定期更新中

文字の大きさ
上 下
35 / 40
6*変わりゆく日常

3 持つべきものは友

しおりを挟む
****♡Side・圭一(兄)

「悪いな、大里」
 大里姉妹は仲が良い。どっちかが大崎邸に来れば、もう片方も追って来るといった具合に。
 一見、姉の愛花が強そうにも見えるが、妹の方が一枚上手のようだ。
 久隆がぎゅっと、圭一の手を握る。センスの良い彼女に洋服選びをしてもらえることが、よほど嬉しいようだ。

 同じくセレブ一家で、似たような環境のはずなのに。
 どうして自分には、自由が露ほどもないのだろうか。彼女たちは親にちゃんと一人前として認められ、自分の意志で生きている。
 それに引き換え自分は会社の為に生きているのだ。
 愛する人を失い死にたいくらい辛い気持ちは、理解できる。
 だからと言って子供に自分の価値観を押し付ける親と言うのは、如何なものだろうか。

──恋愛ぐらい、自由にしたい。
 愛する人くらい、自分で決めたい。

 自分はあの人にとって、ただの道具なのだろうか。
 こんな時、母がいてくれたら……と思ってしまう。
 弱気ではいけないのに。最愛の弟を守らなければ、ならないのに。

「圭一くん」
 ミノリが久隆の背中にシャツを合わせながら、圭一に声をかける。
「ん?」
「一人で、思い悩まないでくださいませね」
 彼女はシャツをかごに入れると、圭一に視線を移す。
「わたくしも、お姉さまも、古川君も。みんな圭一くんの幼なじみで友人ですのよ」
 気づけば、久隆も心配そうに圭一を見上げている。

「圭一くんを苦しめるもの。それがどんなものか分かりません。でも、わたくしたちでは力になれませんこと? 圭一くんは、少なくとも……一人ではありませんわ」
 確かに彼女の言う通りだと思った。
 自分には、かけがえのない友人がいるのだ。
 親という強大な敵が立ちはだかろうとも、助けを求める先は確かに存在しているのだ。
「ありがとう」
と、圭一は心から、礼を述べた。
「わたくしたちの友情は不滅でしてよ」
「そうだな」
 こと、大里姉妹とは幼稚園から一緒に過ごしてきたのだ。
 周りと馴染めなくとも、住む世界が違うと距離を置かれようとも、自分たちは互いがいたから居場所を無くさず生きてこられたのだ。
 そして、古川は。
 初等部からK学園へ入って来た、俗に外部生と言われる存在でありながら自分たちに偏見を持たず一緒にいてくれた親友だ。

──本音でぶつかっても、笑って許してくれる古川。
 ちょっと変わっているが、圭一を慕ってくれているミノリ。
 突然、”わたくしの奴隷におなり”と発言してくる、愛花。
 彼らはきっと、自分が弟を愛していると知っても応援してくれるに違いない。

「家出するなら、別荘を貸しましてよ」
と、ミノリ。
「お兄ちゃん、家出するの?」
と不安そうな、久隆。
 圭一は、彼の髪を撫でると、
「家出する時は、一緒だよ」
と抱き寄せたのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

【Rain】-溺愛の攻め×ツンツン&素直じゃない受け-

悠里
BL
雨の日の静かな幸せ♡がRainのテーマです。ほっこりしたい時にぜひ♡ 本編は完結済み。 この2人のなれそめを書いた番外編を、不定期で続けています(^^) こちらは、ツンツンした素直じゃない、人間不信な類に、どうやって浩人が近づいていったか。出逢い編です♡ 書き始めたら楽しくなってしまい、本編より長くなりそうです(^-^; こんな高校時代を過ぎたら、Rainみたいになるのね♡と、楽しんで頂けたら。

エリート上司に完全に落とされるまで

琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。 彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。 そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。 社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

BL短編まとめ(甘い話多め)

白井由貴
BL
BLの短編詰め合わせです。 主に10000文字前後のお話が多いです。 性的描写がないものもあればがっつりあるものもあります。 性的描写のある話につきましては、各話「あらすじ」をご覧ください。 (※性的描写のないものは各話上部に書いています) もしかすると続きを書くお話もあるかもしれません。 その場合、あまりにも長くなってしまいそうな時は別作品として分離する可能性がありますので、その点ご留意いただければと思います。 【不定期更新】 ※性的描写を含む話には「※」がついています。 ※投稿日時が前後する場合もあります。 ※一部の話のみムーンライトノベルズ様にも掲載しています。 ■追記 R6.02.22 話が多くなってきたので、タイトル別にしました。タイトル横に「※」があるものは性的描写が含まれるお話です。(性的描写が含まれる話にもこれまで通り「※」がつきます) 誤字脱字がありましたらご報告頂けると助かります。

処理中です...