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0*運命に逆らいし兄弟
1 開けてはいけない扉
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****♡side:圭一
「ぐずっ……お兄ちゃん」
弟の久隆が三つの時に父は妻を亡くし、五つの時に最愛の恋人を失った。
父には学生の頃からずっとおつき合いをしていた恋人がいたが、一度は引き裂かれ別の人、すなわち圭一たちの母と結婚。
しかし妻を失ったのち元恋人である彼と子供たちが成人したら結婚する約束をした。
しかし約束からたった二年でその彼は交通事故で他界。
大崎家の男児と姫川家の男児は代々惹かれあいながらも結ばれない運命にあった。
それはたまたまなのかもしれない。
だが圭一たちの父もまた、引き裂かれたうちの一人であった。
父は妻を失い最愛の運命の恋人をも失った寂しさから、毎晩酒に溺れ死ぬ為に生きてる。
だから自分がこれから大崎グループを担っていかなければならない。
大崎家長男である圭一は、愛しい弟を守りたいと思った。姫川家の人間と出会ってしまったならきっと、自分も愛しい弟である久隆も苦しむことになるかもしれない。
この子にだけは絶対に寂しい想いをさせたくはない。
可愛い可愛い弟。
いつでもお兄ちゃんと甘えてくれる弟は、片親なことでイジメに合った。小学一年から三年まで。明るみに出るまでずっと家族に内緒にしてきた。
自分たちが通うK学園はセレブ校で、幼稚園から通うものは内部生。それ以降は俗に外部生と呼ばれていた。久隆のイジメが発覚するまで外部生から内部生に対してのイジメがちらほらあったが、それは悪質なまでには至らなかったため黙認されてきた。
自分たちは同じくセレブであり、K学園では自分たちと並び二大セレブといわれている大里グループの姉弟と幼馴染みであった。
将来大里グループ総裁の椅子が用意されている末っ子であり長男、聖はその事件後、立場を根底から覆した。それ以降外部生から内部生に対してのイジメはなくなったが、闇ルールというものができた。
圭一はそのルールが久隆を守る為に聖が作ったものであることを知っていたため黙認はしていたが、別なことを懸念していたのだ。
【大里聖】は久隆のことを特別に想っている。
いずれ、久隆になんらかのアプローチをしてくるに違いない、と。
「お兄ちゃんッ……抱っこ」
「おいで」
泣きべそをかきながら抱っこを強請る弟が愛しい。
傷ついてしまうことがあるのなら、いっそこの手で。
いや、自分のものにしてしまおう。
運命に逆らった美の女神に愛されし男、圭一は決して開けてはいけない扉を開けようとしていたのだった。
「ぐずっ……お兄ちゃん」
弟の久隆が三つの時に父は妻を亡くし、五つの時に最愛の恋人を失った。
父には学生の頃からずっとおつき合いをしていた恋人がいたが、一度は引き裂かれ別の人、すなわち圭一たちの母と結婚。
しかし妻を失ったのち元恋人である彼と子供たちが成人したら結婚する約束をした。
しかし約束からたった二年でその彼は交通事故で他界。
大崎家の男児と姫川家の男児は代々惹かれあいながらも結ばれない運命にあった。
それはたまたまなのかもしれない。
だが圭一たちの父もまた、引き裂かれたうちの一人であった。
父は妻を失い最愛の運命の恋人をも失った寂しさから、毎晩酒に溺れ死ぬ為に生きてる。
だから自分がこれから大崎グループを担っていかなければならない。
大崎家長男である圭一は、愛しい弟を守りたいと思った。姫川家の人間と出会ってしまったならきっと、自分も愛しい弟である久隆も苦しむことになるかもしれない。
この子にだけは絶対に寂しい想いをさせたくはない。
可愛い可愛い弟。
いつでもお兄ちゃんと甘えてくれる弟は、片親なことでイジメに合った。小学一年から三年まで。明るみに出るまでずっと家族に内緒にしてきた。
自分たちが通うK学園はセレブ校で、幼稚園から通うものは内部生。それ以降は俗に外部生と呼ばれていた。久隆のイジメが発覚するまで外部生から内部生に対してのイジメがちらほらあったが、それは悪質なまでには至らなかったため黙認されてきた。
自分たちは同じくセレブであり、K学園では自分たちと並び二大セレブといわれている大里グループの姉弟と幼馴染みであった。
将来大里グループ総裁の椅子が用意されている末っ子であり長男、聖はその事件後、立場を根底から覆した。それ以降外部生から内部生に対してのイジメはなくなったが、闇ルールというものができた。
圭一はそのルールが久隆を守る為に聖が作ったものであることを知っていたため黙認はしていたが、別なことを懸念していたのだ。
【大里聖】は久隆のことを特別に想っている。
いずれ、久隆になんらかのアプローチをしてくるに違いない、と。
「お兄ちゃんッ……抱っこ」
「おいで」
泣きべそをかきながら抱っこを強請る弟が愛しい。
傷ついてしまうことがあるのなら、いっそこの手で。
いや、自分のものにしてしまおう。
運命に逆らった美の女神に愛されし男、圭一は決して開けてはいけない扉を開けようとしていたのだった。
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