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四章 ━━━━【この世で一番愛しい人】
2.5♡【待って、誤解だから全編】(注・リバあり)
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****side・圭一
しかし、それは突然のカタチでやって来る。
「なあ、大崎」
「ん?」
大崎邸の圭一の部屋で、友人の古川と居た時のことであった。彼がCDを貸してくれというので部屋に入れたのだが。
「俺、あれ聴きたいんだけど」
「なんだよ」
圭一はいつでもキチッとネクタイまで締めている。振り返った圭一の堅苦しいその姿に、ソファーに座っていた古川はダメ出しをする。
「大崎、ちょっと乱れた方がいいんじゃない?」
「は?」
圭一はわけのわからない言葉に腕を組み、嫌な顔をした。
───何言ってんだ、このバカは。
「ほら、大崎の恋人って年上じゃん?もっとセクシーにしとかないとさあ、子供あつか…」
「やかましい」
圭一はため息をつくと、古川が聴きたいというCDを取りに寝室へ。何故かしつこく古川が追いかけてくる。嫌な予感しかしなかった。
「なんだよ、古川」
「ネクタイ少し緩めてさ」
「やめろって」
嫌がる圭一だったが、CDケースを持っていたため、上手く押し返せず、そのまま押されてベッドに突っ伏す。
「おまッ…いい加減にしろって。危ないだろ」
と、制止する声も聞かずに、古川はお構いなしに圧し掛かる。
「おいっ」
「ほら、こうして」
古川は後ろから圭一の首元に手を伸ばすと、強引にネクタイを緩め、シャツのボタンを外した。
「いい加減にっ…!」
「ごめん、外しす…」
起き上がり、身を捩った圭一は予想外に乱れていたが、古川の恋愛対象は異性。別に欲情したりなどしない。それよりも青ざめて固まった圭一が、何故固まったのか気になったようで、古川も振り返る。
「圭一さん、浮気ですか?」
そこには圭一の最愛の恋人、都筑が立っていた。古川は青ざめてそっと部屋から出て行く。
「おい!古川っ、説明していけよ」
圭一の抗議もむなしくドアが閉まる音が聞こえたのだった。
****
「ちょっ…都筑、待って」
都筑は明らかに誤解していた。圧し掛かられて、圭一は慌てる。
「圭一さんはタチしかしないと思っていましたが?」
「も、もちろん」
目が、笑ってない。
「するだけじゃ足りないんですか?」
都筑に耳元で囁かれ血の気が引く。
「だったらそう言えばいいのに」
「誤解だから!」
完全に押し倒され、その身体を押し返そうとするが、都筑を傷つけたくない圭一はそれが出来ないでいた。
「欲しいなら、俺が抱いてあげますよ」
「そんなんじゃない」
するりとネクタイを引き抜く都筑を、圭一はじっと見つめていた。
「何度したんです?俺の知らないところで」
肌を撫でる手が熱い。都筑は完全に誤解している。
「やめろ、都筑」
「彼なら良くて、恋人の俺はダメなのですか?俺ならいくらだってしてあげるのに」
いっつもの彼は、一人称がわたし。完全に怒っている。
「都筑、誤解だから」
説得しようとしたら口を塞がれた。
「俺以外に触らせるなんて、許しませんよ」
「やめっ…」
首筋を這う舌に圭一はぎゅっと目を閉じる。
こんな屈辱的な…。
くそっ、古川!覚えてろよ。
「俺にされるのはイヤ?」
「そんなんじゃない」
ベルトに手をかけられても抵抗できない。
「誰ともしてないのにどうして信じてくれないんだ」
顎を掴まれ、深く口づけられる。
「都筑…」
「ヤキモチ妬きなのしってるでしょう?」
「っ…」
首筋を強く吸われて、小さく声を漏らす。
「俺だけな証拠見せて、圭一さん」
じっと圭一を見つめる都筑の瞳は揺れている。圭一は一つため息をつくと、
「都筑は…俺を抱きたいのか?」
と、素朴な疑問を投げかけた。彼は答えの代わりに圭一の頬を撫でる。
「好きに…しろ」
圭一は観念した。
****
「くッ…」
なんでこんな…。
他人に愛撫などされることは初めてで、都筑に奉仕させたこともない。まさか自分がこんなことをされることになるなんて。鈴口に舌を這わされ、圭一は恥ずかしさに耐える。
「やめッ…」
ちゅうっと吸い上げられながら、根元を扱かれ圭一は仰け反った。
「素直に、声出していいですよ?」
「だ…れが…」
「強情ですね。でも、こっちは?」
都筑が圭一の蕾を指先で突く。
「!」
何をされるのかくらいは分かってる。
自分も都筑にしていることだから。
でも、都筑は俺で興奮するのか?
「ちょっ…都筑ッ」
都筑は圭一が止めるのも聞かず蕾に舌を這わせ始めた。さすがにヤバイ。
「う…っ」
「嫌がったって、気持ちいいくせに」
圭一は与えられる屈辱的な快感に、ただひたすら声を殺して耐えた。ジェルと共に都筑の指が挿入される頃には、プライドをズタズタにされ、悔しさに涙が零れる。
「!」
都筑は指先でその涙を救い上げると
「なかなか、そそりますね」
と、恐ろしいことを言う。耳たぶを甘噛みし、圭一のわき腹を撫で上げた。
「他の人にこんな姿見せたら許しませんよ」
「そんなこと…するわけ…都筑っ…まッ…」
充分にほぐれたのを確認すると都筑は指を引き抜き自分自身を圭一の蕾にあてがった。
「大丈夫、優しくしてあげますから」
「やめ…」
都筑は圭一を押さえつけると口づけながら腰を進めた。
「はあッ…」
───チクショウ!古川のバカやろうッ。
なんでこんな目に…
しかし、それは突然のカタチでやって来る。
「なあ、大崎」
「ん?」
大崎邸の圭一の部屋で、友人の古川と居た時のことであった。彼がCDを貸してくれというので部屋に入れたのだが。
「俺、あれ聴きたいんだけど」
「なんだよ」
圭一はいつでもキチッとネクタイまで締めている。振り返った圭一の堅苦しいその姿に、ソファーに座っていた古川はダメ出しをする。
「大崎、ちょっと乱れた方がいいんじゃない?」
「は?」
圭一はわけのわからない言葉に腕を組み、嫌な顔をした。
───何言ってんだ、このバカは。
「ほら、大崎の恋人って年上じゃん?もっとセクシーにしとかないとさあ、子供あつか…」
「やかましい」
圭一はため息をつくと、古川が聴きたいというCDを取りに寝室へ。何故かしつこく古川が追いかけてくる。嫌な予感しかしなかった。
「なんだよ、古川」
「ネクタイ少し緩めてさ」
「やめろって」
嫌がる圭一だったが、CDケースを持っていたため、上手く押し返せず、そのまま押されてベッドに突っ伏す。
「おまッ…いい加減にしろって。危ないだろ」
と、制止する声も聞かずに、古川はお構いなしに圧し掛かる。
「おいっ」
「ほら、こうして」
古川は後ろから圭一の首元に手を伸ばすと、強引にネクタイを緩め、シャツのボタンを外した。
「いい加減にっ…!」
「ごめん、外しす…」
起き上がり、身を捩った圭一は予想外に乱れていたが、古川の恋愛対象は異性。別に欲情したりなどしない。それよりも青ざめて固まった圭一が、何故固まったのか気になったようで、古川も振り返る。
「圭一さん、浮気ですか?」
そこには圭一の最愛の恋人、都筑が立っていた。古川は青ざめてそっと部屋から出て行く。
「おい!古川っ、説明していけよ」
圭一の抗議もむなしくドアが閉まる音が聞こえたのだった。
****
「ちょっ…都筑、待って」
都筑は明らかに誤解していた。圧し掛かられて、圭一は慌てる。
「圭一さんはタチしかしないと思っていましたが?」
「も、もちろん」
目が、笑ってない。
「するだけじゃ足りないんですか?」
都筑に耳元で囁かれ血の気が引く。
「だったらそう言えばいいのに」
「誤解だから!」
完全に押し倒され、その身体を押し返そうとするが、都筑を傷つけたくない圭一はそれが出来ないでいた。
「欲しいなら、俺が抱いてあげますよ」
「そんなんじゃない」
するりとネクタイを引き抜く都筑を、圭一はじっと見つめていた。
「何度したんです?俺の知らないところで」
肌を撫でる手が熱い。都筑は完全に誤解している。
「やめろ、都筑」
「彼なら良くて、恋人の俺はダメなのですか?俺ならいくらだってしてあげるのに」
いっつもの彼は、一人称がわたし。完全に怒っている。
「都筑、誤解だから」
説得しようとしたら口を塞がれた。
「俺以外に触らせるなんて、許しませんよ」
「やめっ…」
首筋を這う舌に圭一はぎゅっと目を閉じる。
こんな屈辱的な…。
くそっ、古川!覚えてろよ。
「俺にされるのはイヤ?」
「そんなんじゃない」
ベルトに手をかけられても抵抗できない。
「誰ともしてないのにどうして信じてくれないんだ」
顎を掴まれ、深く口づけられる。
「都筑…」
「ヤキモチ妬きなのしってるでしょう?」
「っ…」
首筋を強く吸われて、小さく声を漏らす。
「俺だけな証拠見せて、圭一さん」
じっと圭一を見つめる都筑の瞳は揺れている。圭一は一つため息をつくと、
「都筑は…俺を抱きたいのか?」
と、素朴な疑問を投げかけた。彼は答えの代わりに圭一の頬を撫でる。
「好きに…しろ」
圭一は観念した。
****
「くッ…」
なんでこんな…。
他人に愛撫などされることは初めてで、都筑に奉仕させたこともない。まさか自分がこんなことをされることになるなんて。鈴口に舌を這わされ、圭一は恥ずかしさに耐える。
「やめッ…」
ちゅうっと吸い上げられながら、根元を扱かれ圭一は仰け反った。
「素直に、声出していいですよ?」
「だ…れが…」
「強情ですね。でも、こっちは?」
都筑が圭一の蕾を指先で突く。
「!」
何をされるのかくらいは分かってる。
自分も都筑にしていることだから。
でも、都筑は俺で興奮するのか?
「ちょっ…都筑ッ」
都筑は圭一が止めるのも聞かず蕾に舌を這わせ始めた。さすがにヤバイ。
「う…っ」
「嫌がったって、気持ちいいくせに」
圭一は与えられる屈辱的な快感に、ただひたすら声を殺して耐えた。ジェルと共に都筑の指が挿入される頃には、プライドをズタズタにされ、悔しさに涙が零れる。
「!」
都筑は指先でその涙を救い上げると
「なかなか、そそりますね」
と、恐ろしいことを言う。耳たぶを甘噛みし、圭一のわき腹を撫で上げた。
「他の人にこんな姿見せたら許しませんよ」
「そんなこと…するわけ…都筑っ…まッ…」
充分にほぐれたのを確認すると都筑は指を引き抜き自分自身を圭一の蕾にあてがった。
「大丈夫、優しくしてあげますから」
「やめ…」
都筑は圭一を押さえつけると口づけながら腰を進めた。
「はあッ…」
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