R18 【同性恋愛】『咎人を愛した漆黒の天使は永遠の愛を紡ぐ』

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三章 ━━━━【君と紡ぐ永遠の愛】

6.5 [愛の檻]

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 ****♡Side・圭一

 都筑..

 ベッドにぐったりと横たわる都筑の髪を圭一は撫でる。愛しい彼の寝顔をじっと見つめていた。

 このままではいけない
 分かっている

 都筑を閉じ込めてしまいたい
 もう、何処へもいけないように

 圭一は感情と理性の間で揺れていた。どうすれば救われるのだろう?いや、どうしたら抜け出せるのだろうか?嫉妬に苦しみ、都筑を束縛したい気持ちに支配されてゆく。

 父には頼れない
 あの人は自分のことで手一杯だ
 これ以上負担をかけるわけにはいかない

 それに、都筑と引き裂かれるかもしれない
 都筑は父にとって愛した人の大切な弟..
 真咲さんがどれだけ都筑を大切にしていたのか知っている

 ならば、どうすれば良いというのだろうか?と圭一は額に手をやると“真咲さんがいたら..”と呟いた。まさか、都筑が同じ事を考えているとも知らずに。

 今度、真咲さんのところへ行こう
 報告がてらに

 圭一は、真咲の墓参りに行こうと決めた。都筑の目が覚めたなら帰らなければならない。部屋の隅には土産が山になっていた。車で来ていて良かったと少しホッとした。

 「うぅん..」
 都筑がそっと目を開ける。そして、じっと圭一に見つめられていることに気づくと真っ赤になった。
 「身体、大丈夫?」
 圭一は小さく微笑んで、そう彼に問いかけたのだった。

 ****

 「都筑」
 圭一は上体を起こした都筑を胸に抱き締める。

 このまま都筑を連れ去って
 どこか遠くで暮らしたい
 都筑と二人で..二人だけで

 「愛してるよ」
 そう囁けば、都筑は顔をあげた。圭一は彼にそっと口づける。

 愛しい
 都筑が愛しくて堪らない

 彼が目を閉じ圭一の胸に頬を寄せる。圭一はその髪に指を差し入れ、ちゅッと髪に口づけた。
 「そろそろ、帰らないとな」
 ため息混じりに吐き出すように告げると、彼はなんだか寂しそうな表情をする。
 「そんな顔しない、同棲するんだから」
 「そう、ですね」
 「なんだよ?」
 俯く彼が気になり顎を掴んだ。

 俺が弱いから
 都筑を抱けないから、こんな顔をさせてしまうんだ

 都筑は眉を寄せてため息をついて
 「帰ったら、また忙しいのでは?」
 と諦めたように言う。
 「親父に、都筑との婚約の話をするよ。同棲のことも。土日はちゃんと休みも貰うから、だから」
 “そんな顔するな”。彼にそう告げれば酷く驚いた表情に変わる。
 「そん..」
 圭一は何時だって会社を優先してきた。全ては家族のため。ずっと自分を犠牲にし、都筑すら手放した。その圭一の口から出た言葉とは思えず、都筑は言葉を詰まらせる。

 「大丈夫だ。帰ったら荷造りが待ってる」
 圭一は立ち上がると散らばった都筑の衣類を拾いあげ、
 「帰ろう、都筑」
 とニコッと微笑んだ。
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