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三章 ━━━━【君と紡ぐ永遠の愛】
5♡後悔と彼
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****♡side・都筑
都筑は、圭一を泣かせたことがショックでならなかった。自分はただ自分が傷つくことが恐いばかりで、圭一の気持ちなんて考えてあげられていなかった。
恋人になってすぐに一晩中、他の男に犯され続けても、ただ労ってくれて。ちっとも自分を責めなかったから勘違いしていたんだ。圭一が酷く傷ついていること、わかっていなかった。
「俺、ほんとは早く都筑を自分のものにしたい」
膝に手をつき、地面にポタポタと涙を溢す圭一を見ているしかなくて。
「不安でたまらない。また、都筑が誰かにっ」
都筑は、それ以上言わせまいと抱きついた。
「圭一さん、愛してるッ」
「..?!」
圭一は上体を捻ると都筑の方に目を向ける。
「信じてなんて言う資格ないけど、もうフラフラしないから。圭一さんだけだから」
都筑は必死だった。
思えばずっと、圭一にだけはいつも必死で。
だから辛くて忘れたくて無茶苦茶して。
「ほんとに?」
「うん」
「嘘ついたらどうする?」
え?!
圭一はじっと都筑の瞳を覗き込む。
「都筑を鎖で繋いで閉じ込めて良い?」
「えっ。あのっ」
圭一ならやる。やりかねない。
「嘘じゃないなら大丈夫でしょ?」
「うぅ..」
返事が出来ないでいると、圭一はため息をついた。
「自信ないなら、期待させないで」
あ..いやだ
見捨てられる
「圭一さんッ」
歩きだそうとした圭一の腕に都筑はしがみつく。
「誓うからッ」
圭一は、呆れ顔で都筑にもう一度目を向ける。濡れた睫毛が綺麗で、都筑はドキドキしながら見上げていた。すると、不意に圭一は“ふっ”と力を抜くように笑う。
「都筑」
そして、都筑の耳元で問いかける。
「ねえ、そんなに俺が好き?」
と。
****
「んッ..んんッ」
啄むようなキスから段々と深く口づけられて身体に力が入らない。腰と背中にまわされた手。
「圭一さんッ」
外だというのに。
「アイツとは何回したんだよ」
圭一は都筑から離れると、ムッとした声で問う。
「記憶上は..ない」
気を抜くとすぐ敬語になりそうになる。
「圭一さんこそ、キスお上手ですがッ?!」
見えない何かに嫉妬して刺々しくそう言うと、圭一が怖い顔をした。
「は?」
何故か怒っている。
「俺はな、都筑としかしたことねーよ!」
“ヤりちんと一緒にすんな”と本気で怒っていた。
しかし、都筑はその言葉に傷つく。
「ど、どうせ..わた..俺はビッチだよ!ごめんなさいね!」
「都筑、ごめん」
「どーせ..」
都筑は悔しくてぷいっと横を向く。自分が一番イヤなのに。初めてだって気づいたら犯されていて、快楽に溺れた。それを自分が欲しかったと、圭一に言われて。一番後悔しているのは自分だ。
せっかく恋人になれても、性的暴力で肉体的に傷ついているから抱いてすら貰えない。
「都筑、悪かったよ」
「知らない」
「はぁ。なあ、もっとしてやるから」
「!」
都筑はその言葉に飛び付いてしまった。
“チョロいな”圭一はそう思ったかもしれない。
「可愛い」
おいでと腕を広げる圭一に都筑は夢中になっていた。
****
そのチャンスが来たのは、三日目だった。
旅館の手配間違いで、もう一泊出来ることになり、社長からも許可が..いや、圭一が“一泊伸ばす”と一言いっただけなのだが。
「都筑、欲求不満なのか?」
都筑は痺れを切らして圭一を力任せに突き飛ばすと馬乗りになった。圭一は眉を寄せ、困ったような笑みを浮かべる。
「圭一さん待ってたら、老人になっちゃう!」
「まあ、積極的な都筑も悪くはないけど」
「エッチしたい」
「ずいぶん、直球だな」
圭一は都筑の腰を掴み自分の上から位置をずらし、上体を起こすとその身体を抱きしめた。
「もう、ほんとに大丈夫なの?」
「大丈夫だから、抱いて」
圭一の首に両腕を巻きつけ、その気にさせようと更に密着した。すると、スルスルとシャツを捲り上げ背中を圭一の手が這う。
「んッ」
圭一が直に背中を撫でながら何度も口づけると、都筑は自分の体温が上がってゆくのを感じていた。
「圭一さん..」
「ん?」
「圭一さんもあの..大崎家の伝統は..」
ふと気になることがあり、都筑は圭一に問い掛けた。大崎家には代々アホな伝統がある。
“AVをみて理性を鍛えよ”という。
圭一はじーっと都筑を見つめると真顔で。
「俺は、あんなのいらねーよ」
と真っ向否定した。そして
「俺、都筑にしか立たないから」
と言い放った。
都筑は、圭一を泣かせたことがショックでならなかった。自分はただ自分が傷つくことが恐いばかりで、圭一の気持ちなんて考えてあげられていなかった。
恋人になってすぐに一晩中、他の男に犯され続けても、ただ労ってくれて。ちっとも自分を責めなかったから勘違いしていたんだ。圭一が酷く傷ついていること、わかっていなかった。
「俺、ほんとは早く都筑を自分のものにしたい」
膝に手をつき、地面にポタポタと涙を溢す圭一を見ているしかなくて。
「不安でたまらない。また、都筑が誰かにっ」
都筑は、それ以上言わせまいと抱きついた。
「圭一さん、愛してるッ」
「..?!」
圭一は上体を捻ると都筑の方に目を向ける。
「信じてなんて言う資格ないけど、もうフラフラしないから。圭一さんだけだから」
都筑は必死だった。
思えばずっと、圭一にだけはいつも必死で。
だから辛くて忘れたくて無茶苦茶して。
「ほんとに?」
「うん」
「嘘ついたらどうする?」
え?!
圭一はじっと都筑の瞳を覗き込む。
「都筑を鎖で繋いで閉じ込めて良い?」
「えっ。あのっ」
圭一ならやる。やりかねない。
「嘘じゃないなら大丈夫でしょ?」
「うぅ..」
返事が出来ないでいると、圭一はため息をついた。
「自信ないなら、期待させないで」
あ..いやだ
見捨てられる
「圭一さんッ」
歩きだそうとした圭一の腕に都筑はしがみつく。
「誓うからッ」
圭一は、呆れ顔で都筑にもう一度目を向ける。濡れた睫毛が綺麗で、都筑はドキドキしながら見上げていた。すると、不意に圭一は“ふっ”と力を抜くように笑う。
「都筑」
そして、都筑の耳元で問いかける。
「ねえ、そんなに俺が好き?」
と。
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「んッ..んんッ」
啄むようなキスから段々と深く口づけられて身体に力が入らない。腰と背中にまわされた手。
「圭一さんッ」
外だというのに。
「アイツとは何回したんだよ」
圭一は都筑から離れると、ムッとした声で問う。
「記憶上は..ない」
気を抜くとすぐ敬語になりそうになる。
「圭一さんこそ、キスお上手ですがッ?!」
見えない何かに嫉妬して刺々しくそう言うと、圭一が怖い顔をした。
「は?」
何故か怒っている。
「俺はな、都筑としかしたことねーよ!」
“ヤりちんと一緒にすんな”と本気で怒っていた。
しかし、都筑はその言葉に傷つく。
「ど、どうせ..わた..俺はビッチだよ!ごめんなさいね!」
「都筑、ごめん」
「どーせ..」
都筑は悔しくてぷいっと横を向く。自分が一番イヤなのに。初めてだって気づいたら犯されていて、快楽に溺れた。それを自分が欲しかったと、圭一に言われて。一番後悔しているのは自分だ。
せっかく恋人になれても、性的暴力で肉体的に傷ついているから抱いてすら貰えない。
「都筑、悪かったよ」
「知らない」
「はぁ。なあ、もっとしてやるから」
「!」
都筑はその言葉に飛び付いてしまった。
“チョロいな”圭一はそう思ったかもしれない。
「可愛い」
おいでと腕を広げる圭一に都筑は夢中になっていた。
****
そのチャンスが来たのは、三日目だった。
旅館の手配間違いで、もう一泊出来ることになり、社長からも許可が..いや、圭一が“一泊伸ばす”と一言いっただけなのだが。
「都筑、欲求不満なのか?」
都筑は痺れを切らして圭一を力任せに突き飛ばすと馬乗りになった。圭一は眉を寄せ、困ったような笑みを浮かべる。
「圭一さん待ってたら、老人になっちゃう!」
「まあ、積極的な都筑も悪くはないけど」
「エッチしたい」
「ずいぶん、直球だな」
圭一は都筑の腰を掴み自分の上から位置をずらし、上体を起こすとその身体を抱きしめた。
「もう、ほんとに大丈夫なの?」
「大丈夫だから、抱いて」
圭一の首に両腕を巻きつけ、その気にさせようと更に密着した。すると、スルスルとシャツを捲り上げ背中を圭一の手が這う。
「んッ」
圭一が直に背中を撫でながら何度も口づけると、都筑は自分の体温が上がってゆくのを感じていた。
「圭一さん..」
「ん?」
「圭一さんもあの..大崎家の伝統は..」
ふと気になることがあり、都筑は圭一に問い掛けた。大崎家には代々アホな伝統がある。
“AVをみて理性を鍛えよ”という。
圭一はじーっと都筑を見つめると真顔で。
「俺は、あんなのいらねーよ」
と真っ向否定した。そして
「俺、都筑にしか立たないから」
と言い放った。
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