R18 【同性恋愛】『咎人を愛した漆黒の天使は永遠の愛を紡ぐ』

crazy’s7@体調不良不定期更新中

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三章 ━━━━【君と紡ぐ永遠の愛】

4.5 [嫉妬]

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 ****♡Side・圭一

 こんなことになることは予想していなかった訳ではない。自分は、二度しか都筑とキスをしたことがなかった。一度はそう、高校二年のバレンタイン。都筑が、圭一を好きで辛いと言うから。そして二度目はイライラに任せて無理やり奪った。

 なんでしないのか?って言われたら
 冷静な時になんて、出来るわけない
 だって..


 ”佐倉と何回した?”


 そんなこと考えてしまうから
 したくないわけじゃない
 都筑はきっとわかってない

 「圭一さん?」
 「俺、カッコ悪いよな」

 嫉妬なんかで、キスもできないなんて
 ほんとは都筑が誰かに抱かれたことだって
 悔しくてたまらないんだ

 “圭一は不器用だな。つき合えない理由話してやればいいだろ?”
 南にそう言われたことを思い出す。

 怖かったんだよ
 もし、それで気持ちが変わってしまったら?
 待ってて貰えなかったら?
 都筑は年上で..

 「俺、ほんとは..」
 言うか迷っている。きっと、こんなこと言ったら都筑はがっかりするに違いない。
 「なんです..ううん、何?」
 「嫉妬深いんだよ。ガッカリだろ?」
 圭一は自嘲気味に笑った。都筑は驚きに目を見開く。

 「ああああーーっ」
 都筑に背を向けるとそう大声で吐き出した。
 「俺、ほんとは佐倉が憎くて堪らないんだよ」
 圭一はぎゅっと拳を握りしめ。
 「俺が、都筑の初めての相手になりたかった」
 前屈みになると、タイがハラリとスーツの胸元から滑り落ちて、涙が自然と落ちる。圭一の背後で都筑が両手で顔を覆うのを気配で感じていた。

 こんな風に泣くのは人生で初めてだった。
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