R18 【同性恋愛】『咎人を愛した漆黒の天使は永遠の愛を紡ぐ』

三章 ━━━━【君と紡ぐ永遠の愛】

《大崎邸》従業員食堂にて

「俺、絶対に諦めないから！絶対に取り返す！」

　発情期の猿が煩いなと、南は頬杖をつき佐倉を眺めていた。

「いい加減にしないと、都筑に嫌われるぞ」

　ま、俺としては二人が潰しあってくれれば儲けものだ。
　とは言っても、都筑が故意に傷つけられるのはいただけない。

「やっと俺のものになったのにーっ」
　夜更けの大崎邸従業員食堂には人が疎らだ。
　大抵の従業員が飲み放題のお酒とつまみで仲間とお喋りをしていた。

　佐倉は夜にしか設置されない対面式カウンターのところでビールを片手に南に愚痴っている。

「都筑、めっちゃ良い匂いがするんだよー」
　珍しくベロベロに酔った佐倉。

　”だがな、最後に笑うのは自分だ”と南は思っている。強引すぎる佐倉、独占欲は強いくせに一歩引く圭一では都筑を満足なんてさせられはしない。

　二人が闘っている間に横からかっ拐ってやろうと南は思っていた。

　そもそも、あんな多忙な圭一が寂しがり屋の都筑と合うわけがない。
　自分ならいつだってそばに居てやれる。
　都筑の愚痴だって聞いてれるし、大人の包容力で包んでやることだって。

「都筑の身体、最高なんだよ。感度よくてさー、エロくてさー」
「お前は食堂で何を言ってるんだ」
　南は発情期のような佐倉にため息をついた。