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三章 ━━━━【君と紡ぐ永遠の愛】
2♡幸せに触れて
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****♡side・都筑
「良いところだな」
旅館の部屋に着くと圭一は言った。
外に面した窓があるであろう障子をあけると大きな窓の向こうに露天風呂。
個室に温泉!
家族風呂?カップル風呂というものだろうか。
「都筑、夕飯は舟盛りだよ、楽しみだな」
露天風呂を眺めながらいう圭一の側にゆく。
「一緒に入ろうか、都筑」
「!」
イチャイチャできるの?
都筑はドキドキしながら圭一を見つめていた。
「しみるかな?」
「しみ?」
何のことだろう?と思っていると腰を引き寄せられ
「んッ?どこさわっ..」
圭一の手がゆっくりと下がりお尻をなでる。
「圭一さん?」
割れ目をツツツッと秘部まで圭一の指が滑ってゆく。
「ここだよ」
「あッ」
「早く治そうな?都筑」
都筑は真っ赤になった。
圭一は、性交で傷ついた都筑の身体を労るためにここへ連れてきたのだと知る。
都筑から一歩離れると、圭一は服を脱ぎ始めた。
「入らないのか?」
都筑は裸になるのが恥ずかしかった。
それ以上に、この身体に刻まれた佐倉の刻印を見られたくなかった。
下半身につけられた沢山のキスマーク。
「都筑?どうした?」
「私は汚れているので..」
「大丈夫だよ」
圭一の優しい声に、涙が溢れそうになる。
「温泉がいろんな傷を癒してくれる。俺が、都筑の傷を癒してあげるから」
「圭一さん」
都筑のシャツに圭一は手を延ばした。
プチプチとボタンが外されてゆく。
都筑はぎゅっと瞼を閉じると圭一に全てを委ねた。
****
「大丈夫」
後ろから抱き締められながら、何度も呪文のように圭一はそう、囁いた。
「でも..」
「泣かないで、嫌ったりなんてしないから」
お湯に入り、体温が上がると無数につけられたキスマークは斑点のように浮き彫りになり都筑の心を傷つけた。
やっと大好きだった圭一と恋人同士になれたのに、自分は他の男に抱かれ続けた。
自分で自分が嫌になる。
「都筑のせいじゃないだろ?」
いつもは言葉少ない圭一が一所懸命慰めてくれていることも都筑を辛くさせた。
いっそ、責めてくれたならどんなに楽だろうか?
「圭一さんが好きなのに..」
「愛しているよ、都筑」
一糸纏わぬ姿で一緒にいるのに、圭一は都筑に欲情などしなかった。そのことが都筑の自信さえ奪ってゆくことを圭一は知らない。
「圭一さんはなぜ..」
「ん?」
「何故平気なんですか?」
好きだと言うくせに、あの日意地悪をしただけでそれ以降、一度も性的なことを要求して来なかった。
「好きなら..」
佐倉のように執拗に求めてくるものが恋愛感情であると植えつけられてしまった都筑には、圭一のことが理解できない。
「その..」
都筑はどう伝えて良いかわからなかった。
『淫乱な秘書様』
そんな風に圭一に罵られたことを思い出す。
圭一はきっと、貞操観念がおかしい奴を軽蔑するのだろう。
もしまた、あんなことを大好きな圭一に言われたら耐えられない。
都筑はただ、唇を噛み締めた。
「良いところだな」
旅館の部屋に着くと圭一は言った。
外に面した窓があるであろう障子をあけると大きな窓の向こうに露天風呂。
個室に温泉!
家族風呂?カップル風呂というものだろうか。
「都筑、夕飯は舟盛りだよ、楽しみだな」
露天風呂を眺めながらいう圭一の側にゆく。
「一緒に入ろうか、都筑」
「!」
イチャイチャできるの?
都筑はドキドキしながら圭一を見つめていた。
「しみるかな?」
「しみ?」
何のことだろう?と思っていると腰を引き寄せられ
「んッ?どこさわっ..」
圭一の手がゆっくりと下がりお尻をなでる。
「圭一さん?」
割れ目をツツツッと秘部まで圭一の指が滑ってゆく。
「ここだよ」
「あッ」
「早く治そうな?都筑」
都筑は真っ赤になった。
圭一は、性交で傷ついた都筑の身体を労るためにここへ連れてきたのだと知る。
都筑から一歩離れると、圭一は服を脱ぎ始めた。
「入らないのか?」
都筑は裸になるのが恥ずかしかった。
それ以上に、この身体に刻まれた佐倉の刻印を見られたくなかった。
下半身につけられた沢山のキスマーク。
「都筑?どうした?」
「私は汚れているので..」
「大丈夫だよ」
圭一の優しい声に、涙が溢れそうになる。
「温泉がいろんな傷を癒してくれる。俺が、都筑の傷を癒してあげるから」
「圭一さん」
都筑のシャツに圭一は手を延ばした。
プチプチとボタンが外されてゆく。
都筑はぎゅっと瞼を閉じると圭一に全てを委ねた。
****
「大丈夫」
後ろから抱き締められながら、何度も呪文のように圭一はそう、囁いた。
「でも..」
「泣かないで、嫌ったりなんてしないから」
お湯に入り、体温が上がると無数につけられたキスマークは斑点のように浮き彫りになり都筑の心を傷つけた。
やっと大好きだった圭一と恋人同士になれたのに、自分は他の男に抱かれ続けた。
自分で自分が嫌になる。
「都筑のせいじゃないだろ?」
いつもは言葉少ない圭一が一所懸命慰めてくれていることも都筑を辛くさせた。
いっそ、責めてくれたならどんなに楽だろうか?
「圭一さんが好きなのに..」
「愛しているよ、都筑」
一糸纏わぬ姿で一緒にいるのに、圭一は都筑に欲情などしなかった。そのことが都筑の自信さえ奪ってゆくことを圭一は知らない。
「圭一さんはなぜ..」
「ん?」
「何故平気なんですか?」
好きだと言うくせに、あの日意地悪をしただけでそれ以降、一度も性的なことを要求して来なかった。
「好きなら..」
佐倉のように執拗に求めてくるものが恋愛感情であると植えつけられてしまった都筑には、圭一のことが理解できない。
「その..」
都筑はどう伝えて良いかわからなかった。
『淫乱な秘書様』
そんな風に圭一に罵られたことを思い出す。
圭一はきっと、貞操観念がおかしい奴を軽蔑するのだろう。
もしまた、あんなことを大好きな圭一に言われたら耐えられない。
都筑はただ、唇を噛み締めた。
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