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二章 ━━━━【その恋のゆくえ】
6*不安
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****♡side・圭一
不安しかなかった。
本当に都筑を一人で行かせて良いものか悩みに悩んだ。
佐倉が簡単に都筑を手放すとは思えない。逆に説得され、都筑が佐倉を選ぶかもしれない。圭一はそれならそれで仕方がないと思っていた。指輪を渡したその日から、自分に加した時間は決まっていたし、タイムリミットが来たらスッパリ忘れるつもりでいた。
ただ、嬉しい誤算が生じただけ。期待なんてしてはいない。佐倉ならきっと、都筑を大切にしてくれるだろう。都筑が幸せならそれでいい。この胸の痛みだっていつかは消える。都筑を抱かなくて良かった。
圭一は心からそう思っていた。
もう、フラフラしないで欲しい。
期待を持たせないで欲しい。
都筑が好きだった。
ずっと。
けれど、ほとんど会うことはできない。
父が都筑を久隆につけたため、会える時間は無いに等しかった。
寂しがり屋でメンタルの弱い都筑だから、こんな多忙な自分では不釣り合いだろう。最後の思い出として幾ばくかの時間が欲しかった。気持ちを伝えることだって出来たし、悔いはない。贅沢を言えば、彼を名実共に恋人にしたかった。
「遅いな」
彼が部屋を出て、既に三時間以上が経っていた。深夜遅くに出たのだし、戻れなかった時のための待ち合わせ場所や時間は伝えてある。なんの連絡もないことに不安を感じたものの、圭一は少し仮眠を取ることにした。
都筑が佐倉に酷いことをされているとも知らずに。
不安しかなかった。
本当に都筑を一人で行かせて良いものか悩みに悩んだ。
佐倉が簡単に都筑を手放すとは思えない。逆に説得され、都筑が佐倉を選ぶかもしれない。圭一はそれならそれで仕方がないと思っていた。指輪を渡したその日から、自分に加した時間は決まっていたし、タイムリミットが来たらスッパリ忘れるつもりでいた。
ただ、嬉しい誤算が生じただけ。期待なんてしてはいない。佐倉ならきっと、都筑を大切にしてくれるだろう。都筑が幸せならそれでいい。この胸の痛みだっていつかは消える。都筑を抱かなくて良かった。
圭一は心からそう思っていた。
もう、フラフラしないで欲しい。
期待を持たせないで欲しい。
都筑が好きだった。
ずっと。
けれど、ほとんど会うことはできない。
父が都筑を久隆につけたため、会える時間は無いに等しかった。
寂しがり屋でメンタルの弱い都筑だから、こんな多忙な自分では不釣り合いだろう。最後の思い出として幾ばくかの時間が欲しかった。気持ちを伝えることだって出来たし、悔いはない。贅沢を言えば、彼を名実共に恋人にしたかった。
「遅いな」
彼が部屋を出て、既に三時間以上が経っていた。深夜遅くに出たのだし、戻れなかった時のための待ち合わせ場所や時間は伝えてある。なんの連絡もないことに不安を感じたものの、圭一は少し仮眠を取ることにした。
都筑が佐倉に酷いことをされているとも知らずに。
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