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二章 ━━━━【その恋のゆくえ】
0 悲しみの行き先
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****♡Side・都筑
****回想
全てのはじまり。
━━━━━最愛の兄と社長
「なんでだよ」
数年前、兄の葬儀に参列した社長こと大崎 奏は悔しそうに呟いた。
「なんで、事故死なんて」
営業の帰りの出来事だった。
幼い一人息子を残して、兄は他界した。
息子の咲夜は兄の幼い頃にそっくりだった。
「もっと、ヤりまくりたかった」
「ちょっと!葬儀で何いってんだ、あんた!」
思わず、突っ込みを入れた。
「だって、死んじゃったらもう触れることもできないんだよ?」
涙を溢しながら、
「喘がせることも、イかせることも」
と、卑猥なことを言いはじめた。
「好きだったのは分かるけど、ちょっと黙って!」
なんともおかしな人だった。
まさか、数年後あのクレイジーな人の会社に入社してしまうとは思ってもみなかった。
「葬儀以来だね」
社長はフランクだった。
しかしこっちは、青ざめた。
「君の兄さんのことは毎日考えてる。思い出も多いし」
「思い出、ですか」
「あれ?なんか、ヤってたことしか思い出せないけど。うん」
どんなだよ。
「あの手、この手でね、その気にさせて、人気のないところに連れ込んでたなぁ」
「それ、犯罪じゃ?」
「え?その気になれば合意じゃない?」
兄が不憫だ。実に、不憫だ。
「そんなに好きだったなら...。好き、だったんですよね?」
「なに、途中から自信なくしてるわけ?都筑」
「いや、社長の言い方ってただのヤリモクかと」
「やだなぁー。僕、君の兄さんにか立たないよ?」
まて、どうやって2子も作ったんだよ。
「なんで結婚しなかったんです?今は同性婚認められてるのに」
「君の兄の嫁にとられたからだよ」
「え?」
「まあ、結婚出来なくてもヤれれば別に、ねえ?愛し合えればさ、ほら」
「...」
「ちょっと!軽蔑の眼差しやめてよ!仮にも貴方の社長よ?僕」
バカばっか言って。
バカばっかやって。
でも、社長は兄のこと溺愛してた。
うん、たぶん。
たぶん、きっとそう。
そう思いたい。
****回想
全てのはじまり。
━━━━━最愛の兄と社長
「なんでだよ」
数年前、兄の葬儀に参列した社長こと大崎 奏は悔しそうに呟いた。
「なんで、事故死なんて」
営業の帰りの出来事だった。
幼い一人息子を残して、兄は他界した。
息子の咲夜は兄の幼い頃にそっくりだった。
「もっと、ヤりまくりたかった」
「ちょっと!葬儀で何いってんだ、あんた!」
思わず、突っ込みを入れた。
「だって、死んじゃったらもう触れることもできないんだよ?」
涙を溢しながら、
「喘がせることも、イかせることも」
と、卑猥なことを言いはじめた。
「好きだったのは分かるけど、ちょっと黙って!」
なんともおかしな人だった。
まさか、数年後あのクレイジーな人の会社に入社してしまうとは思ってもみなかった。
「葬儀以来だね」
社長はフランクだった。
しかしこっちは、青ざめた。
「君の兄さんのことは毎日考えてる。思い出も多いし」
「思い出、ですか」
「あれ?なんか、ヤってたことしか思い出せないけど。うん」
どんなだよ。
「あの手、この手でね、その気にさせて、人気のないところに連れ込んでたなぁ」
「それ、犯罪じゃ?」
「え?その気になれば合意じゃない?」
兄が不憫だ。実に、不憫だ。
「そんなに好きだったなら...。好き、だったんですよね?」
「なに、途中から自信なくしてるわけ?都筑」
「いや、社長の言い方ってただのヤリモクかと」
「やだなぁー。僕、君の兄さんにか立たないよ?」
まて、どうやって2子も作ったんだよ。
「なんで結婚しなかったんです?今は同性婚認められてるのに」
「君の兄の嫁にとられたからだよ」
「え?」
「まあ、結婚出来なくてもヤれれば別に、ねえ?愛し合えればさ、ほら」
「...」
「ちょっと!軽蔑の眼差しやめてよ!仮にも貴方の社長よ?僕」
バカばっか言って。
バカばっかやって。
でも、社長は兄のこと溺愛してた。
うん、たぶん。
たぶん、きっとそう。
そう思いたい。
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