7 / 32
0・世界が交差する時
6・異なる世界
しおりを挟む
突き当りまで行くと、久隆は手の甲を向け手首をドアに翳す。
AGではユーザーの手首に情報へアクセスできる、チップのようなものが埋め込まれているシステムだ。手首に浮かび上がるリングには種類があり、審議会、Conciliator、チームリーダー、一般ユーザーなどで異なる。
「認証されました」
中性的な機械音声が認証されたことを告げると、扉は開かれた。
「待っておりましたよ、Conciliatorの皆さん」
すうっとドアが開くと十二畳ほどの部屋が広がっており、黒髪にロングドレスを身に纏った女性が立っている。
三人はその姿に驚きを隠せなかった。
何故なら……
「え? 嘘でしょう?」
と神楽。
この世界を統べるマザーはAIでありホログラム。
それが実体を持っていたからである。
「ちょっと、思考が追い付かないんだけれど。どういうこと?!」
と咲夜。
久隆だけが冷静に彼女を見つめていた。
この世界は自分たちがいたAGというゲームの中とは違う。それは閃光のあとから感じていたことだ。だから何が起きても驚かない。
「単刀直入に言いますと、ここはあなた方のいた世界ではありません」
やはりそうなのかと久隆は思った。
自分たちは彼女に『呼ばれた』のだ。
「順を追って話すべきだとは思いますが、今は時間がありません」
言って天井を見上げる彼女の視線の先には大穴が。
「結界を破られました。修復しなければ、大惨事となるでしょう」
彼女は久隆の世界でも話題となっている『システムレジェンド』の器をここへ召喚しようとしていたと説明する。
そしてその折に、彼の保護を担当している七人のConciliatorも呼ぶつもりだった。しかし彼らはいろんな地点におり、ピンポイントで回収することは不可能。そのため、世界ごとログインしていた人々をこの世界に召喚したらしい。えらく迷惑な話である。
「あなたがたのプレイしていたAGというゲームは……」
人と人の助け合いを重視する世界だった。
困っている人を助けることでも経験値やゲーム内マネーを受け取ることが出来る。ヘルプという機能があり、フィールド上の全てのユーザーに対し『応援要請』が送られるシステム。
ヘルプ戦闘でしか入手できないアイテムも存在し、とても人気のシステムである。
創始者は『助け合うことが当たり前の優しい世界』を願ってAGというゲーム作ったという。
「つまり、ここへ来ていただいた全ての住民は『助け合いの精神』を持った方々だとお見受けします。どうかこの世界を救ってはいただけませんでしょうか?」
マザーの言葉に、三人は顔を見合わせたのだった。
AGではユーザーの手首に情報へアクセスできる、チップのようなものが埋め込まれているシステムだ。手首に浮かび上がるリングには種類があり、審議会、Conciliator、チームリーダー、一般ユーザーなどで異なる。
「認証されました」
中性的な機械音声が認証されたことを告げると、扉は開かれた。
「待っておりましたよ、Conciliatorの皆さん」
すうっとドアが開くと十二畳ほどの部屋が広がっており、黒髪にロングドレスを身に纏った女性が立っている。
三人はその姿に驚きを隠せなかった。
何故なら……
「え? 嘘でしょう?」
と神楽。
この世界を統べるマザーはAIでありホログラム。
それが実体を持っていたからである。
「ちょっと、思考が追い付かないんだけれど。どういうこと?!」
と咲夜。
久隆だけが冷静に彼女を見つめていた。
この世界は自分たちがいたAGというゲームの中とは違う。それは閃光のあとから感じていたことだ。だから何が起きても驚かない。
「単刀直入に言いますと、ここはあなた方のいた世界ではありません」
やはりそうなのかと久隆は思った。
自分たちは彼女に『呼ばれた』のだ。
「順を追って話すべきだとは思いますが、今は時間がありません」
言って天井を見上げる彼女の視線の先には大穴が。
「結界を破られました。修復しなければ、大惨事となるでしょう」
彼女は久隆の世界でも話題となっている『システムレジェンド』の器をここへ召喚しようとしていたと説明する。
そしてその折に、彼の保護を担当している七人のConciliatorも呼ぶつもりだった。しかし彼らはいろんな地点におり、ピンポイントで回収することは不可能。そのため、世界ごとログインしていた人々をこの世界に召喚したらしい。えらく迷惑な話である。
「あなたがたのプレイしていたAGというゲームは……」
人と人の助け合いを重視する世界だった。
困っている人を助けることでも経験値やゲーム内マネーを受け取ることが出来る。ヘルプという機能があり、フィールド上の全てのユーザーに対し『応援要請』が送られるシステム。
ヘルプ戦闘でしか入手できないアイテムも存在し、とても人気のシステムである。
創始者は『助け合うことが当たり前の優しい世界』を願ってAGというゲーム作ったという。
「つまり、ここへ来ていただいた全ての住民は『助け合いの精神』を持った方々だとお見受けします。どうかこの世界を救ってはいただけませんでしょうか?」
マザーの言葉に、三人は顔を見合わせたのだった。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる