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4話『自覚と協定』
6 覚醒【微R】
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****♡side・久隆
──声がする。
咲夜の甘い声。
安らぐいい匂い……。
「んんッ……」
「咲夜……?」
久隆はぼんやりとかすんだ世界を見ていた。なかなか焦点が合わず、何度も瞬きをして。
「はあッ……」
段々と鮮明になっていき、久隆はがばっと跳ね起きた。
しかし事態が飲み込めずパニックだ。
「!?」
──ちょ、……っとまって。
どういう状況?
咲夜は聖の腕の中で自慰行為をしている。聖はそれをじっと覗き込んでいた。
どう見てもただの変態行為に他ならない。
聖が咲夜に手を出すならまだしも興味津々という様子で咲夜が感じているのを見つめている。
「起きたのか?」
久隆に気付いた聖が声をかけて来た。咲夜は目に涙を浮かべ顔を赤くする。その様子がとても厭らしく久隆の欲情を煽った。
「姫川、全然満足してないみたいだぞ」
「へ?」
久隆がぽかんとしていると、聖がぐいっと咲夜の腿を引き上げる。薄暗い部屋に晒される咲夜の最奥の蕾。
「やあッ……見えちゃうッ」
咲夜が自分自身から手を放し聖の腕を掴んだ。
「久隆に見せてるんだよ」
「ダメッ……」
「挿れて欲しいくせに。欲しくて欲しくてたまらないんだろ? 素直になれよ」
「やッ……」
とろんとした瞳、上気した頬。
「挿れてって言ってみろよ」
久隆は聖に命令されている咲夜から目が離せなかった。
ごくりと喉を鳴らすと咲夜に近づく。その様子を聖は満足気に眺めているようだ。久隆は咲夜の顎を捕らえると口づける。初めはそっと。下唇をなぞり、唇を割り舌を求めた。
「くりゅ……」
「俺に犯されたいの?」
唇を離すとじっと瞳を覗き込んで。
彼の瞳は揺れていた。
「おいで」
久隆が咲夜の腕を掴むと彼は聖のほうにチラリと目を向ける。彼は聖の腕の中に捕らえられたまま。
「聖、咲夜を離して。咲夜は俺のものでしょ?」
「ああ」
聖はあっさり腕を解き、じっとことの成り行きを見守っていた。
「大丈夫、そんな顔しないで」
咲夜をそっと抱き締める。愛しいというように。
──咲夜は俺のもの。
彼を好きにしていいのは俺だけだ。
「聖の好きにさせたりしないから」
そっと頬を撫でじっと見つめると、彼の頬を涙が伝う。
「怖かったの? ごめんね」
再びそっと口づける。
「んんッ……」
「咲夜は俺のものだよ」
何故そんな風に思うのかわからない。泣いている彼が可愛くて、守ってあげたいと思った。
それと同時に強い独占欲を持ってしまっている。
「怯えないで?」
「くりゅ……」
「気持ちいいことしてあげるから」
「んッ……はあッ」
浴衣の中に手を滑り込ませ胸の飾りに触れる。恐怖の為か硬くなっていた。聖はただ静かに二人を見ているだけ。どういういつもりなのかまったく分からない。
「聖、見てるつもり?」
「ああ。久隆たちがセックスするところが見たい」
「……正気の沙汰じゃないよ」
「そうだな。でも、俺は全部受け止めて、久隆の傍に居たい」
そういえばと、おぼろげな記憶を辿る。
あの時、聖は自分との性交に咲夜を呼んだ。声にしたわけではないが。
「混ぜないからね」
久隆は念の為そう言い放つ。そこで聖は一瞬とても驚いた顔をし、くくくっと笑った。
何がおかしいのかと思っていると、
「そこまで狂ってないよ」
と言われる。
「俺がしたい相手は久隆だけだから安心しろよ」
怯えてむぎゅっと久隆に抱きつく咲夜の背中を撫でホッと息をついたのだった。
「音楽、かけていい?」
うとうとする咲夜を気にしながら久隆に問えば、彼は目でだけで返事をする。
聖は自分のスマホをスピーカーに繋ぐため枕元にそっと手を伸ばした。
──声がする。
咲夜の甘い声。
安らぐいい匂い……。
「んんッ……」
「咲夜……?」
久隆はぼんやりとかすんだ世界を見ていた。なかなか焦点が合わず、何度も瞬きをして。
「はあッ……」
段々と鮮明になっていき、久隆はがばっと跳ね起きた。
しかし事態が飲み込めずパニックだ。
「!?」
──ちょ、……っとまって。
どういう状況?
咲夜は聖の腕の中で自慰行為をしている。聖はそれをじっと覗き込んでいた。
どう見てもただの変態行為に他ならない。
聖が咲夜に手を出すならまだしも興味津々という様子で咲夜が感じているのを見つめている。
「起きたのか?」
久隆に気付いた聖が声をかけて来た。咲夜は目に涙を浮かべ顔を赤くする。その様子がとても厭らしく久隆の欲情を煽った。
「姫川、全然満足してないみたいだぞ」
「へ?」
久隆がぽかんとしていると、聖がぐいっと咲夜の腿を引き上げる。薄暗い部屋に晒される咲夜の最奥の蕾。
「やあッ……見えちゃうッ」
咲夜が自分自身から手を放し聖の腕を掴んだ。
「久隆に見せてるんだよ」
「ダメッ……」
「挿れて欲しいくせに。欲しくて欲しくてたまらないんだろ? 素直になれよ」
「やッ……」
とろんとした瞳、上気した頬。
「挿れてって言ってみろよ」
久隆は聖に命令されている咲夜から目が離せなかった。
ごくりと喉を鳴らすと咲夜に近づく。その様子を聖は満足気に眺めているようだ。久隆は咲夜の顎を捕らえると口づける。初めはそっと。下唇をなぞり、唇を割り舌を求めた。
「くりゅ……」
「俺に犯されたいの?」
唇を離すとじっと瞳を覗き込んで。
彼の瞳は揺れていた。
「おいで」
久隆が咲夜の腕を掴むと彼は聖のほうにチラリと目を向ける。彼は聖の腕の中に捕らえられたまま。
「聖、咲夜を離して。咲夜は俺のものでしょ?」
「ああ」
聖はあっさり腕を解き、じっとことの成り行きを見守っていた。
「大丈夫、そんな顔しないで」
咲夜をそっと抱き締める。愛しいというように。
──咲夜は俺のもの。
彼を好きにしていいのは俺だけだ。
「聖の好きにさせたりしないから」
そっと頬を撫でじっと見つめると、彼の頬を涙が伝う。
「怖かったの? ごめんね」
再びそっと口づける。
「んんッ……」
「咲夜は俺のものだよ」
何故そんな風に思うのかわからない。泣いている彼が可愛くて、守ってあげたいと思った。
それと同時に強い独占欲を持ってしまっている。
「怯えないで?」
「くりゅ……」
「気持ちいいことしてあげるから」
「んッ……はあッ」
浴衣の中に手を滑り込ませ胸の飾りに触れる。恐怖の為か硬くなっていた。聖はただ静かに二人を見ているだけ。どういういつもりなのかまったく分からない。
「聖、見てるつもり?」
「ああ。久隆たちがセックスするところが見たい」
「……正気の沙汰じゃないよ」
「そうだな。でも、俺は全部受け止めて、久隆の傍に居たい」
そういえばと、おぼろげな記憶を辿る。
あの時、聖は自分との性交に咲夜を呼んだ。声にしたわけではないが。
「混ぜないからね」
久隆は念の為そう言い放つ。そこで聖は一瞬とても驚いた顔をし、くくくっと笑った。
何がおかしいのかと思っていると、
「そこまで狂ってないよ」
と言われる。
「俺がしたい相手は久隆だけだから安心しろよ」
怯えてむぎゅっと久隆に抱きつく咲夜の背中を撫でホッと息をついたのだった。
「音楽、かけていい?」
うとうとする咲夜を気にしながら久隆に問えば、彼は目でだけで返事をする。
聖は自分のスマホをスピーカーに繋ぐため枕元にそっと手を伸ばした。
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