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2023’1
京都の今日も通り道のあやしゑ手まり歌
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299様作
【あらすじ引用】
主人公の青年──葵渚(あおなぎ)はやて──は生きていく上で大切な、とある物を喪っていた。
喪ったものの辛さを抱えたはやては、京都で顔を布で隠した不思議な男と出会う。この男に振り回されながらも、京の道を共に観光しては空気に触れていく。
彼らが巡るのは古都京都。手まり歌に準(なぞら)えた道を辿れば、謎多き城や、あやかしたちと巡り会う。
京都に隠された民謡、謎解きとの出会い。そして京の都に重なるは歌の始まりと終わり──
楽しくておかしゑな京都ならではの料理や文化、心踊る景色。そして手まり歌に翻弄されながらも前へと進む二人は凸凹コンビになってく。
【読む前に感じたこと】
気になるのは二点。
一言紹介文に記載された『【手まり歌】に奪われた』という部分と、あらすじにある『生きていく上で大切な、とある物を喪っていた』という部分である。
主人公は生きていくうえで大切な何かを【手まり歌】に奪われたということが想像できる。
逆を返せば【手まり歌】に奪えるものであるということだ。
タグには『あやかし』『陰陽師』と言った言葉が並ぶことから、この辺りに何かその謎に繋がるヒントがあるのではないかとも思う。そしてそれは『喪ったものの辛さを抱えた』と書かれていることから、少なくとも大切な何かとは失え(喪え)ばそれなりに苦しむものであるということ。
一体主人公が何を奪われたのか、非常に気になるところである。
【物語は】
歌の一部のような謎かけから始まっていく。
この冒頭の意味はきっと後に明かされていくのだろうと感じた。
本編に入ると文化的行事とある男の話しへと入っていく。
それがあらすじにある『顔を布で隠した不思議な男』のことであることは容易に想像がつくだろう。(ただし、この時点ではあくまで予想である)
彼がどんな人物で、主人公とどのような出会いを迎えるのかとても気になるところだ。
【世界観について】
京都を舞台としたあやかしもの。
自分はあやかしものをあまり読んだことがないので、ここに出てくるあやかしが有名なものなのかオリジナルなのか分からないが、容姿などが詳しく書かれているのでどんなものなのか想像はしやすいと思う。
情景についても細かく書き込まれており、京都をぼんやりとしか知らずとも情景が想像できる。
京都という場所は不思議な場所で、これが現代ファンタジーであり、フィクションだということは分かっているが、あやかしがいても不思議ではないという感覚に陥る。
主人公の恰好はミステリアスさに一役買っていると思うが、それ以上にこんな格好をしなければならない何かがあるのだろうと思う。その理由はぜひとも知りたいところだ。
おそらくそう言ったものも明かせないわけではないだろうが、冒頭のほうではまだ明かされていないので、その理由を知りたいという読者の読みたい気持ちを刺激するものであると感じた。
【主人公について】
あらすじの補足では、主人公は究極の方向音痴とある。
自分にとってはあまり他人事とは思えない。さっそく迷っているようだが、意外と地図アプリは分かり辛いものだ。方向音痴の人にとってはなおさら。
しかも、方向音痴特有の『こっちかな』に笑う。
方向音痴の人は地図を確認しても、なんとなく勘で動いてしまうものだ。結果、違うところへいってしまうのである。とても親近感の湧く主人公である。
見目はよく、方向音痴で、謎めいた人物であるというのが主人公に対しての初めの印象。
これからどのようにその印象が変わっていくだろうか?
そこも見どころの一つだと思われる。
【物語について】
この後主人公はある人物と遭遇するのだが、自分の想像はもしかしたら違うのかもしれないと思い始める。冒頭に出てきた人物と、ここで彼が遭遇した人物は髪の色が違うためだ。
この後、主人公がここへ来た理由などが明かされていく。
たしかに謎要素を含む物語だ。主人公を助けてくれようとした人物の素性はすぐに明かされることはなく、それよりも主人公の口から語られる『疑問』が一番の謎である。
彼らの言う『てまり歌』とはどんなものなのか、歌の内容はどんなものなのか気になるところだ。
【物語のみどころ】
タグにブロマンスとあるが、主人公の容姿はどちらかというと女性に好まれるというよりはBL向けの印象を持つ。彼の仕草も、どことなく色香を感じさせる。よって女性向けの物語という印象を持った。
あやかしと彼らについて。
段々と主人公と『彼』の状況の違いというのが明かされていくのが面白いと感じた。
初めは主人公と同じものが視えているのだろうか? と思うのだが、それがどうやら違うと分かった時、彼らはどのようにして協力関係になるのだろうと好奇心が刺激される。
小タイトルのつけ方にも工夫がなされていると思う。
『今日の京都は○○』と続き、統一されているのだ。つまり、タイトルの分だけ何かが起きることを暗示していると想像がつく。
少しづつ明かされていく『てまり歌』の謎、関係。
随所に情景描写などで京都らしさを醸し出しているのも見どころのひとつではないだろうか?
かなりスピード感のある物語だと思う。
あやかしや陰陽師が好きな人にはお奨めしたい作品。
ぜひお手に取られてみてはいかがでしょうか?
備考:32ページまで拝読
【あらすじ引用】
主人公の青年──葵渚(あおなぎ)はやて──は生きていく上で大切な、とある物を喪っていた。
喪ったものの辛さを抱えたはやては、京都で顔を布で隠した不思議な男と出会う。この男に振り回されながらも、京の道を共に観光しては空気に触れていく。
彼らが巡るのは古都京都。手まり歌に準(なぞら)えた道を辿れば、謎多き城や、あやかしたちと巡り会う。
京都に隠された民謡、謎解きとの出会い。そして京の都に重なるは歌の始まりと終わり──
楽しくておかしゑな京都ならではの料理や文化、心踊る景色。そして手まり歌に翻弄されながらも前へと進む二人は凸凹コンビになってく。
【読む前に感じたこと】
気になるのは二点。
一言紹介文に記載された『【手まり歌】に奪われた』という部分と、あらすじにある『生きていく上で大切な、とある物を喪っていた』という部分である。
主人公は生きていくうえで大切な何かを【手まり歌】に奪われたということが想像できる。
逆を返せば【手まり歌】に奪えるものであるということだ。
タグには『あやかし』『陰陽師』と言った言葉が並ぶことから、この辺りに何かその謎に繋がるヒントがあるのではないかとも思う。そしてそれは『喪ったものの辛さを抱えた』と書かれていることから、少なくとも大切な何かとは失え(喪え)ばそれなりに苦しむものであるということ。
一体主人公が何を奪われたのか、非常に気になるところである。
【物語は】
歌の一部のような謎かけから始まっていく。
この冒頭の意味はきっと後に明かされていくのだろうと感じた。
本編に入ると文化的行事とある男の話しへと入っていく。
それがあらすじにある『顔を布で隠した不思議な男』のことであることは容易に想像がつくだろう。(ただし、この時点ではあくまで予想である)
彼がどんな人物で、主人公とどのような出会いを迎えるのかとても気になるところだ。
【世界観について】
京都を舞台としたあやかしもの。
自分はあやかしものをあまり読んだことがないので、ここに出てくるあやかしが有名なものなのかオリジナルなのか分からないが、容姿などが詳しく書かれているのでどんなものなのか想像はしやすいと思う。
情景についても細かく書き込まれており、京都をぼんやりとしか知らずとも情景が想像できる。
京都という場所は不思議な場所で、これが現代ファンタジーであり、フィクションだということは分かっているが、あやかしがいても不思議ではないという感覚に陥る。
主人公の恰好はミステリアスさに一役買っていると思うが、それ以上にこんな格好をしなければならない何かがあるのだろうと思う。その理由はぜひとも知りたいところだ。
おそらくそう言ったものも明かせないわけではないだろうが、冒頭のほうではまだ明かされていないので、その理由を知りたいという読者の読みたい気持ちを刺激するものであると感じた。
【主人公について】
あらすじの補足では、主人公は究極の方向音痴とある。
自分にとってはあまり他人事とは思えない。さっそく迷っているようだが、意外と地図アプリは分かり辛いものだ。方向音痴の人にとってはなおさら。
しかも、方向音痴特有の『こっちかな』に笑う。
方向音痴の人は地図を確認しても、なんとなく勘で動いてしまうものだ。結果、違うところへいってしまうのである。とても親近感の湧く主人公である。
見目はよく、方向音痴で、謎めいた人物であるというのが主人公に対しての初めの印象。
これからどのようにその印象が変わっていくだろうか?
そこも見どころの一つだと思われる。
【物語について】
この後主人公はある人物と遭遇するのだが、自分の想像はもしかしたら違うのかもしれないと思い始める。冒頭に出てきた人物と、ここで彼が遭遇した人物は髪の色が違うためだ。
この後、主人公がここへ来た理由などが明かされていく。
たしかに謎要素を含む物語だ。主人公を助けてくれようとした人物の素性はすぐに明かされることはなく、それよりも主人公の口から語られる『疑問』が一番の謎である。
彼らの言う『てまり歌』とはどんなものなのか、歌の内容はどんなものなのか気になるところだ。
【物語のみどころ】
タグにブロマンスとあるが、主人公の容姿はどちらかというと女性に好まれるというよりはBL向けの印象を持つ。彼の仕草も、どことなく色香を感じさせる。よって女性向けの物語という印象を持った。
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段々と主人公と『彼』の状況の違いというのが明かされていくのが面白いと感じた。
初めは主人公と同じものが視えているのだろうか? と思うのだが、それがどうやら違うと分かった時、彼らはどのようにして協力関係になるのだろうと好奇心が刺激される。
小タイトルのつけ方にも工夫がなされていると思う。
『今日の京都は○○』と続き、統一されているのだ。つまり、タイトルの分だけ何かが起きることを暗示していると想像がつく。
少しづつ明かされていく『てまり歌』の謎、関係。
随所に情景描写などで京都らしさを醸し出しているのも見どころのひとつではないだろうか?
かなりスピード感のある物語だと思う。
あやかしや陰陽師が好きな人にはお奨めしたい作品。
ぜひお手に取られてみてはいかがでしょうか?
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