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2021’11
名前のない神様
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春クジラ 様作
あらすじ引用
「ぼくを生み出した主を探して欲しいんだ」
大学生のユズハの前に現れたのは、付喪神の少年と大きな化けガラス。少年の主を探そうと町中を奔走するユズハ達の前にかつて、自分の側にいた付喪神がいなくなってしまったと言う叔母。そして、少年を捕まえようとする男が現れて……!?
これは、子どもの頃の夢と現実の狭間でもがきながらも、成長していく一人の女の子のお話。
【簡単なあらすじ】
ジャンル:現代ファンタジー
ある日主人公は、名前のない付喪神と遭遇する。そして彼に”自分を生み出した主を探して欲しい”と頼まれる。彼を見たのは主人公だけではない。何故自分が選ばれたのか? 付喪神の主を探す日々の中で、いろんなことに打ちのめされながらも成長していく主人公の物語。
【物語の始まりは】
本が好きな人なら共感の出来そうな始まり方。本は人を別の世界へ連れっていってくれる。嫌なことがあった時、悲しいことがあった時、物語の世界へ逃げたことはないだろうか? そこには夢や希望が詰まっていたはずだ。主人公は、大学生であり、スーパーのバイトで生計を立てていた。あまり幸福とは言えないようだ。バイトの帰りにロッカールームである噂を聞くが、その帰り路に噂の正体と出逢う。
【舞台や世界観、方向性】
主人公は付喪神を見ることのできる少女。その事が縁で彼の探し物のお手伝いをすることとなる。舞台は現代。
主人公がある付喪神と出逢い、彼の主を探す中で正義とはなんなのか? 正しいこととはなんなのか? について考えさせられる物語。学校教育などでは人として正しいことを学ぶ。しかし社会に出るとそれが通用しなかったりする。では人として正しいこととはなんなのか? 間違っていると分かっていても、法律に背くと分かっていても社会は歪んだまま、正されることはない。そんな理不尽な日常の中で、悩みながらも自分らしくあろうとする主人公を描いた物語ではないだろうか?
【主人公と登場人物について】
主人公は付喪神が見える(正確には付喪神の乗っていた生き物)ということから、攫われてしまう。初めは得体が知れず、怖がっていた主人公だが話しているうちに打ち解けていく。主人公が付喪神に名前を尋ねたところ、なんと彼には名前が無かったのである。
【物語について】
恐らく後に明かされるだろうと思われるが、この物語には不思議な現象がある。彼らが何故主人公を協力者に選んだのかの理由にもあたる。
この物語は、単に主人公が非現実に巻き込まれるというものではない。日常に非現実が混ざり込んだ構成となっている。主人公は普通に喜怒哀楽を持ち良識的な人物。あるスーパーでバイトをしているのだが、店長でもないのに我が物顔で威張っている同僚がいる。この店では、いわゆるいじめやパワハラが横行し上の者が目をつぶっている状態。通常なら居心地の悪い職場なら辞めるべきだと考えるだろうが、それぞれの事情があって我慢しているのだろう。
主人公はある出来事により、目をつけられてしまうが我慢が出来なくなってしまう。正しい訴えではあるが、そこで店長の言葉も確かに一理あると感じた。ただ、この場合店長の態度こそが彼女たちを助長させているのだとも感じた。社会の闇の部分も描いた物語であると感じた。
【良い点(箇条書き)】
・ファンタジー要素を含みながらも、現代社会の問題と向きあった作品だと感じる。
・方向性のしっかりした作品である。
・登場人物それぞれに抱えているものがあると感じた。
・伏線と感じる部分があり、謎が散りばめられた作品である。
・主人公は色んな人物と出逢い、失敗や挫折をしながらも成長していく姿が素敵である。
・初めは大変な想いをしているように感じるが、登場人物たちと絆が出来ていく過程が丁寧に描かれている。
【備考(補足)】12まで拝読
【見どころ】
主人公は19歳の大学生。親からはまだ子供と言われ、バイト先の店長からはもう子供ではないと言われ、自分が大人なのか子供なのか判断できずにいる印象。確かに、大人とは何だろうか? と感じる時期が誰しも訪れると思う。それは年を重ねれば、”何歳だから大人”と一概に言えないという結論にも至る。それは成人=大人ではないということ。そして、大人や子供というものは立場や状況によっても違うということだ。それに気づくのはまだ先だと思われる。
この物語は、単に付喪神の主を探すファンタジーではない。どちらかというとヒューマンドラマ色の強い物語である。主人公の目を通して、社会での理不尽さや学校との違い、人それぞれの価値観や多様性について考えさせられる物語でもある。伏線と感じる部分もあり、登場人物のつながりについて怪しんだり、まだ謎な部分も多く興味深い。主人公は果たして付喪神の主を探し当てることはできるのだろうか? この物語の結末をその目で是非、確かめてみてくださいね。お奨めです。
あらすじ引用
「ぼくを生み出した主を探して欲しいんだ」
大学生のユズハの前に現れたのは、付喪神の少年と大きな化けガラス。少年の主を探そうと町中を奔走するユズハ達の前にかつて、自分の側にいた付喪神がいなくなってしまったと言う叔母。そして、少年を捕まえようとする男が現れて……!?
これは、子どもの頃の夢と現実の狭間でもがきながらも、成長していく一人の女の子のお話。
【簡単なあらすじ】
ジャンル:現代ファンタジー
ある日主人公は、名前のない付喪神と遭遇する。そして彼に”自分を生み出した主を探して欲しい”と頼まれる。彼を見たのは主人公だけではない。何故自分が選ばれたのか? 付喪神の主を探す日々の中で、いろんなことに打ちのめされながらも成長していく主人公の物語。
【物語の始まりは】
本が好きな人なら共感の出来そうな始まり方。本は人を別の世界へ連れっていってくれる。嫌なことがあった時、悲しいことがあった時、物語の世界へ逃げたことはないだろうか? そこには夢や希望が詰まっていたはずだ。主人公は、大学生であり、スーパーのバイトで生計を立てていた。あまり幸福とは言えないようだ。バイトの帰りにロッカールームである噂を聞くが、その帰り路に噂の正体と出逢う。
【舞台や世界観、方向性】
主人公は付喪神を見ることのできる少女。その事が縁で彼の探し物のお手伝いをすることとなる。舞台は現代。
主人公がある付喪神と出逢い、彼の主を探す中で正義とはなんなのか? 正しいこととはなんなのか? について考えさせられる物語。学校教育などでは人として正しいことを学ぶ。しかし社会に出るとそれが通用しなかったりする。では人として正しいこととはなんなのか? 間違っていると分かっていても、法律に背くと分かっていても社会は歪んだまま、正されることはない。そんな理不尽な日常の中で、悩みながらも自分らしくあろうとする主人公を描いた物語ではないだろうか?
【主人公と登場人物について】
主人公は付喪神が見える(正確には付喪神の乗っていた生き物)ということから、攫われてしまう。初めは得体が知れず、怖がっていた主人公だが話しているうちに打ち解けていく。主人公が付喪神に名前を尋ねたところ、なんと彼には名前が無かったのである。
【物語について】
恐らく後に明かされるだろうと思われるが、この物語には不思議な現象がある。彼らが何故主人公を協力者に選んだのかの理由にもあたる。
この物語は、単に主人公が非現実に巻き込まれるというものではない。日常に非現実が混ざり込んだ構成となっている。主人公は普通に喜怒哀楽を持ち良識的な人物。あるスーパーでバイトをしているのだが、店長でもないのに我が物顔で威張っている同僚がいる。この店では、いわゆるいじめやパワハラが横行し上の者が目をつぶっている状態。通常なら居心地の悪い職場なら辞めるべきだと考えるだろうが、それぞれの事情があって我慢しているのだろう。
主人公はある出来事により、目をつけられてしまうが我慢が出来なくなってしまう。正しい訴えではあるが、そこで店長の言葉も確かに一理あると感じた。ただ、この場合店長の態度こそが彼女たちを助長させているのだとも感じた。社会の闇の部分も描いた物語であると感じた。
【良い点(箇条書き)】
・ファンタジー要素を含みながらも、現代社会の問題と向きあった作品だと感じる。
・方向性のしっかりした作品である。
・登場人物それぞれに抱えているものがあると感じた。
・伏線と感じる部分があり、謎が散りばめられた作品である。
・主人公は色んな人物と出逢い、失敗や挫折をしながらも成長していく姿が素敵である。
・初めは大変な想いをしているように感じるが、登場人物たちと絆が出来ていく過程が丁寧に描かれている。
【備考(補足)】12まで拝読
【見どころ】
主人公は19歳の大学生。親からはまだ子供と言われ、バイト先の店長からはもう子供ではないと言われ、自分が大人なのか子供なのか判断できずにいる印象。確かに、大人とは何だろうか? と感じる時期が誰しも訪れると思う。それは年を重ねれば、”何歳だから大人”と一概に言えないという結論にも至る。それは成人=大人ではないということ。そして、大人や子供というものは立場や状況によっても違うということだ。それに気づくのはまだ先だと思われる。
この物語は、単に付喪神の主を探すファンタジーではない。どちらかというとヒューマンドラマ色の強い物語である。主人公の目を通して、社会での理不尽さや学校との違い、人それぞれの価値観や多様性について考えさせられる物語でもある。伏線と感じる部分もあり、登場人物のつながりについて怪しんだり、まだ謎な部分も多く興味深い。主人公は果たして付喪神の主を探し当てることはできるのだろうか? この物語の結末をその目で是非、確かめてみてくださいね。お奨めです。
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