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2021’6
『方舟は彼方へと進む』
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方舟は彼方へと進む~国から逃亡した料理人は、死神と忌み嫌われる少女に誘われ何でも屋稼業に身を捧げる~
山ノ内フロスティ 様作
【あらすじ引用】
王室料理人として、誠心誠意職務を全うしてきた少年 “ノア・キキーモラ”。
ある夜、大臣に夜食を届けに行ったところ、突如身に覚えのない暗殺未遂容疑をかけられてしまう。
命からがら国から逃げ出した彼は海上で遭難した先で、世界から死神と忌み嫌われるオッドアイの少女“カナタ”に出会った。
自分の境遇など何のその、ただただ『可能な限り何でも楽しく』をモットーに生きる“カナタ”に誘われ、“ノア”はその愉快な仲間たちの専属料理人をしつつ、何でも屋稼業に勤しむ日々を送ることになり……
これは、異能力と魔法の溢れるファンタジーの世界で、少しでも楽しく自分らしく生きようと全力であがく少年少女たちの物語 ――
【物語は】
主人公が必死に追手から逃れるところから始まる。彼は12歳で料理人見習いとして厨房に入り、王族に料理人として仕えていた。今日まで、なんの問題もなくやってきたはずだが、この日は違ったようだ。身に覚えのない殺人未遂容疑をかけられ、追われていたのである。この時点では、大臣がどんな人物なのか分からない為、犯人の目星さえ立てることは出来ないが、ただの間違いなのか、それとも嵌められたのか?とても気になる始まり方である。
【主人公の選択】
タグを見ると、”オリジナル戦記 青春 異能力バトル 冒険 西洋 魔法 チート”となっているので、どうやらミステリーではないらしい。事件の真相は非常に気になるところであるが、ミステリーでない以上どこかで真相が明かされるはずである。この物語が、城に戻るルートになるならの話ではあるが。
主人公は追われた先で、三つのルートと三つの選択を強いられる。それは死ぬか、生きるか、捕まるか。もちろん捕まったら死の可能性が高いので、実質二択となる。
何とか、生きて脱出したのも束の間。彼は更なる危機に遭遇していた。
【料理人であることを活かした展開】
通常物語には、説明が付き物である。特に世界観やオリジナルの部分には必ずと言っていいほど、説明が必要不可欠。これがないと、どんな物語なのかまったくわからないからである。その説明の仕方というのは、作家によって違う。一般的なのは、地の文として書くもの、会話に混ぜるもの。オリジナリティを感じるのは、授業にしたりテレビのニュースとして流すようなもの。しかし、この物語はどれでもない。思いつかないとは言い切れないが、独創性がある。
何故、主人公が料理人なのか、納得できるスタイルである。いや、料理人だからこそ、納得できる説明スタイルと言った方が正しいだろうか?
(ネタバレになってしまうので、そこは実際に読んでいただきたい)
【物語の魅力】
この物語は展開が早い。追われ、ピンチになり、ある人に遭遇し、その後となっていく。場面場面はしっかり描かれているにも関わらず、展開が早いのでテンポが良い。物語のはじめと言えば、説明ばかりで飽きてしまいがちなもの。
しかし、この物語では工夫が凝らされている。テンポが良い他にも、コミカルな部分もある。大抵主人公が酷い目に合っているが、つい笑ってしまう。
会話のセンスが秀逸。”1.出会いは蒼海のど真ん中で③”の最後のセリフには思わず声だして笑ってしまった。
主人公は天然なのだろうか? いや他にも天然の性格の人物がいそうである。
と、思って読み進めると、ほとんど天然の方たちであった。
【主人公と彼ら】
彼らを繋いだのは食。正直なところ、食で繋がる絆というのは優しい絆だと思う。よく旅番組などでも食で繋がる関係などをやっているが、この物語では特殊な環境により、良い食材でもあまり美味とは言えないものばかり食べていたと推測される人たちと出逢う。
その事が主人公にとって幸運となったように感じるのだ。冒頭から不運に見舞われた主人公であったが、彼らとの出会いは確実に好転となっていると感じた。
【物語の見どころ】
主人公が後(のち)の仲間になる人物たちに出逢うまでは、それまでの経緯であり、物語全体としては序章に過ぎない。彼らと出逢い、信頼を得て仲間になったところが、本当の始まりだと言っても過言ではないだろう。
主人公を含めた四人は個性派揃い。
あらすじから推測すると、仲間になる彼らは”何でも屋稼業”をしているようだ。主人公の境遇は不運ではあるが、仲間のうちの一人は”世界から死神と忌み嫌われるオッドアイの少女”。彼女は、自分の境遇など気に求めず、強く生きている。きっとそんな彼女に主人公は影響を受け成長していくのだろうと、想像する。
見どころは、自分たちを多様性と捉える部分ではないだろうか?
どんなに世界から嫌われようとも、自分らしく生きることを諦めない。あがいた先にあるのは、幸か不幸か?
あなたもお手に取られてみませんか?
彼らのその先を、是非その目で確かめてみてくださいね。
山ノ内フロスティ 様作
【あらすじ引用】
王室料理人として、誠心誠意職務を全うしてきた少年 “ノア・キキーモラ”。
ある夜、大臣に夜食を届けに行ったところ、突如身に覚えのない暗殺未遂容疑をかけられてしまう。
命からがら国から逃げ出した彼は海上で遭難した先で、世界から死神と忌み嫌われるオッドアイの少女“カナタ”に出会った。
自分の境遇など何のその、ただただ『可能な限り何でも楽しく』をモットーに生きる“カナタ”に誘われ、“ノア”はその愉快な仲間たちの専属料理人をしつつ、何でも屋稼業に勤しむ日々を送ることになり……
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何とか、生きて脱出したのも束の間。彼は更なる危機に遭遇していた。
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通常物語には、説明が付き物である。特に世界観やオリジナルの部分には必ずと言っていいほど、説明が必要不可欠。これがないと、どんな物語なのかまったくわからないからである。その説明の仕方というのは、作家によって違う。一般的なのは、地の文として書くもの、会話に混ぜるもの。オリジナリティを感じるのは、授業にしたりテレビのニュースとして流すようなもの。しかし、この物語はどれでもない。思いつかないとは言い切れないが、独創性がある。
何故、主人公が料理人なのか、納得できるスタイルである。いや、料理人だからこそ、納得できる説明スタイルと言った方が正しいだろうか?
(ネタバレになってしまうので、そこは実際に読んでいただきたい)
【物語の魅力】
この物語は展開が早い。追われ、ピンチになり、ある人に遭遇し、その後となっていく。場面場面はしっかり描かれているにも関わらず、展開が早いのでテンポが良い。物語のはじめと言えば、説明ばかりで飽きてしまいがちなもの。
しかし、この物語では工夫が凝らされている。テンポが良い他にも、コミカルな部分もある。大抵主人公が酷い目に合っているが、つい笑ってしまう。
会話のセンスが秀逸。”1.出会いは蒼海のど真ん中で③”の最後のセリフには思わず声だして笑ってしまった。
主人公は天然なのだろうか? いや他にも天然の性格の人物がいそうである。
と、思って読み進めると、ほとんど天然の方たちであった。
【主人公と彼ら】
彼らを繋いだのは食。正直なところ、食で繋がる絆というのは優しい絆だと思う。よく旅番組などでも食で繋がる関係などをやっているが、この物語では特殊な環境により、良い食材でもあまり美味とは言えないものばかり食べていたと推測される人たちと出逢う。
その事が主人公にとって幸運となったように感じるのだ。冒頭から不運に見舞われた主人公であったが、彼らとの出会いは確実に好転となっていると感じた。
【物語の見どころ】
主人公が後(のち)の仲間になる人物たちに出逢うまでは、それまでの経緯であり、物語全体としては序章に過ぎない。彼らと出逢い、信頼を得て仲間になったところが、本当の始まりだと言っても過言ではないだろう。
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