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2021’6
令和な日々
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ひろ津 様作
【あらすじ引用】
現実世界と同じように一日ずつ進行する『令和な日々』を通して、
あなたも彼女たちと同じ時間を過ごしませんか?
陽稲はロシア系の血を引く妖精のような姿の愛にあふれた少女。
ファッションが好きで、お喋りが好きで、可恋が好き。
可恋は黒髪ショートヘアの美少女空手家。
陽稲と出会い、彼女のために他人と関わることを選びました。
そんなふたりの女子中学生を中心とした日常系小説です。
【物語は】
10連休という、ゴールデンウイーク明けから始まっていく。学校や仕事のある人ならば、お休みは終わって欲しくないと思う人が多いものだが、主人公の一人である”陽稲”にとっては違ったようである。彼女にはどうしても、仲良くなりたい相手がいたからである。容姿は正反対と言っても過言ではない。
この物語は、群像劇である。
主要となる二人に加え、他のクラスメイトなどからも日常が語られていくようだ。果たして、主人公の一人である陽稲は、自分の目標通りもう一人の主人公である”可恋”と仲良くなれるのだろうか?
【舞台・世界観・物語の魅力】
本編に入ると、”学生特有”なのかもしくは”世界の狭い範囲”で起きることなのか、ある問題に遭遇している。
例えば頼まれものであっても、勝手に他人のもとを見るというのは、如何がなものだろうか。作中ある”もの”が原因で、主人公二人を含む三人の生徒が職員室に呼ばれることとなる。分別のつかない年齢ではないとは思うが、”学校”という場所においてありがちなことのようにも思えた。
学校という狭い世界の中で、同じものをクリアしていかないといけないとなると、起こりうるものなのだろうか。面倒なことが起き、それを招いた人物に怒らない(表面上)可恋は大人だなと感じる。
(注意*作中、学生生活においてありがちと思える出来事の一つ。他人のノートを勝手に見て、コピーするという事件が起きます。しかしながら、他人のものを無断で見たり、コピーをすることは犯罪です。必ず本人に許可を取りましょう。レビューにて、この行為を推奨するものではありません)
学校生活やこの年代にスポットを充てているというのが、しっかりと分かる作品である。中高生の女子特有という印象を強く受ける。例えば、仲の良い友人を巡る争いというのも女子特有なイメージを持つ。もちろん、人それぞれだとは思うのでイメージではあるが。
すなわちこの物語では、等身大の女子中学生の日常が描かれていると感じた。
【登場人物魅力】
はじめは、不安を感じていた主人公の一人、陽稲。ある事情により、仲良くなりたいと感じていた相手と、なかなか仲良くなるきっかけがつかめないでいた。しかし、それは学校に行くことのできない事情によるもの。勇気を出し、少し早く登校したゴールデンウイーク明け。思ったよりもすんなり仲良くなれそうな気配はあったものの、一難去ってまた一難。直ぐにピンチを迎えることなってしまう。
この物語を読んで思う事。
子供の頃というのは、怖いものなしだなと感じた。年を重ねると、周りから見える自分について考え、友人になりたいから積極的に行動するという事がなかなかできなくなる。もちろん子供にも引っ込み思案なタイプの子供はいるが。
日付が進むと、陽稲の姉の視点で彼女がどのような境遇で育ったのかが語られる。この部分を読む限りでは、一部の親戚を除き”陽稲”は、誰にでも愛されるコミュニケーション能力の高い人物であることが伺える。
作品を読んで思ったこと。
人とコミュニケーションを取るために必要なのは、自信なのではないだろうか。ある程度自分に自信がないと、人と交流することにためらいを感じてしまう。陽稲は元より、その容姿や性格のお陰で溺愛されていた。それでも、可恋に対して少し不安を感じている。つまり、意識してしまうほど彼女は特別だったのではないだろうか?
両サイドの心理が描かれている為、互いに何を思っているのかが分かりやすい。正反対に感じる二人だが互いに憧れを持っているという感じではなく、好感を持っているように感じた。こんな風になりたいではなく、互いの良さを受け入れている印象である。
【物語の見どころ】
等身大の中学生の日常が見どころなのではないだろうか。随所にその年代に見られる要素が詰まっている。可恋は考え方や仕草などが、大人だなと感じる部分が多い。しかし、それは母子家庭によるものなのかもしれない。
一人でいる寂しさを自分自身に納得させようとするならば、どうしても精神的に大人にならざるを得ない。
それに対し、陽稲は天真爛漫なお嬢様という印象である。周りに愛され、素直に育ったという雰囲気がある。一見正反対に感じる二人。
彼女たちは、この先どんな風に残りの学生生活を送っていくのだろうか?
この物語は、主人公となる人物は二人だが、他の人物の視点でのエピソードもある為、二人が周りから見てどんな存在なのかも明かされていく。視点が違えば、見えてくるものも違う。自分から見る自分。周りから見る自分。そこにどんな差があるのだろうか。そしてそれも見どころの一つなのではないだろうか?
あなたもお手に取られてみませんか?
彼女たちの、一日一日がとても丁寧に描かれている物語です。心理描写がとても丁寧で、日々こんなことを思っているのだなと、彼女たちの心理が手に取るようにわかる部分が魅力的です。
この先、二人はどんな経験をしていくのだろうか?
どんな風に心の距離を縮めていくのだろうか?
その目で是非、確かめてみてくださいね。お奨めです。
【あらすじ引用】
現実世界と同じように一日ずつ進行する『令和な日々』を通して、
あなたも彼女たちと同じ時間を過ごしませんか?
陽稲はロシア系の血を引く妖精のような姿の愛にあふれた少女。
ファッションが好きで、お喋りが好きで、可恋が好き。
可恋は黒髪ショートヘアの美少女空手家。
陽稲と出会い、彼女のために他人と関わることを選びました。
そんなふたりの女子中学生を中心とした日常系小説です。
【物語は】
10連休という、ゴールデンウイーク明けから始まっていく。学校や仕事のある人ならば、お休みは終わって欲しくないと思う人が多いものだが、主人公の一人である”陽稲”にとっては違ったようである。彼女にはどうしても、仲良くなりたい相手がいたからである。容姿は正反対と言っても過言ではない。
この物語は、群像劇である。
主要となる二人に加え、他のクラスメイトなどからも日常が語られていくようだ。果たして、主人公の一人である陽稲は、自分の目標通りもう一人の主人公である”可恋”と仲良くなれるのだろうか?
【舞台・世界観・物語の魅力】
本編に入ると、”学生特有”なのかもしくは”世界の狭い範囲”で起きることなのか、ある問題に遭遇している。
例えば頼まれものであっても、勝手に他人のもとを見るというのは、如何がなものだろうか。作中ある”もの”が原因で、主人公二人を含む三人の生徒が職員室に呼ばれることとなる。分別のつかない年齢ではないとは思うが、”学校”という場所においてありがちなことのようにも思えた。
学校という狭い世界の中で、同じものをクリアしていかないといけないとなると、起こりうるものなのだろうか。面倒なことが起き、それを招いた人物に怒らない(表面上)可恋は大人だなと感じる。
(注意*作中、学生生活においてありがちと思える出来事の一つ。他人のノートを勝手に見て、コピーするという事件が起きます。しかしながら、他人のものを無断で見たり、コピーをすることは犯罪です。必ず本人に許可を取りましょう。レビューにて、この行為を推奨するものではありません)
学校生活やこの年代にスポットを充てているというのが、しっかりと分かる作品である。中高生の女子特有という印象を強く受ける。例えば、仲の良い友人を巡る争いというのも女子特有なイメージを持つ。もちろん、人それぞれだとは思うのでイメージではあるが。
すなわちこの物語では、等身大の女子中学生の日常が描かれていると感じた。
【登場人物魅力】
はじめは、不安を感じていた主人公の一人、陽稲。ある事情により、仲良くなりたいと感じていた相手と、なかなか仲良くなるきっかけがつかめないでいた。しかし、それは学校に行くことのできない事情によるもの。勇気を出し、少し早く登校したゴールデンウイーク明け。思ったよりもすんなり仲良くなれそうな気配はあったものの、一難去ってまた一難。直ぐにピンチを迎えることなってしまう。
この物語を読んで思う事。
子供の頃というのは、怖いものなしだなと感じた。年を重ねると、周りから見える自分について考え、友人になりたいから積極的に行動するという事がなかなかできなくなる。もちろん子供にも引っ込み思案なタイプの子供はいるが。
日付が進むと、陽稲の姉の視点で彼女がどのような境遇で育ったのかが語られる。この部分を読む限りでは、一部の親戚を除き”陽稲”は、誰にでも愛されるコミュニケーション能力の高い人物であることが伺える。
作品を読んで思ったこと。
人とコミュニケーションを取るために必要なのは、自信なのではないだろうか。ある程度自分に自信がないと、人と交流することにためらいを感じてしまう。陽稲は元より、その容姿や性格のお陰で溺愛されていた。それでも、可恋に対して少し不安を感じている。つまり、意識してしまうほど彼女は特別だったのではないだろうか?
両サイドの心理が描かれている為、互いに何を思っているのかが分かりやすい。正反対に感じる二人だが互いに憧れを持っているという感じではなく、好感を持っているように感じた。こんな風になりたいではなく、互いの良さを受け入れている印象である。
【物語の見どころ】
等身大の中学生の日常が見どころなのではないだろうか。随所にその年代に見られる要素が詰まっている。可恋は考え方や仕草などが、大人だなと感じる部分が多い。しかし、それは母子家庭によるものなのかもしれない。
一人でいる寂しさを自分自身に納得させようとするならば、どうしても精神的に大人にならざるを得ない。
それに対し、陽稲は天真爛漫なお嬢様という印象である。周りに愛され、素直に育ったという雰囲気がある。一見正反対に感じる二人。
彼女たちは、この先どんな風に残りの学生生活を送っていくのだろうか?
この物語は、主人公となる人物は二人だが、他の人物の視点でのエピソードもある為、二人が周りから見てどんな存在なのかも明かされていく。視点が違えば、見えてくるものも違う。自分から見る自分。周りから見る自分。そこにどんな差があるのだろうか。そしてそれも見どころの一つなのではないだろうか?
あなたもお手に取られてみませんか?
彼女たちの、一日一日がとても丁寧に描かれている物語です。心理描写がとても丁寧で、日々こんなことを思っているのだなと、彼女たちの心理が手に取るようにわかる部分が魅力的です。
この先、二人はどんな経験をしていくのだろうか?
どんな風に心の距離を縮めていくのだろうか?
その目で是非、確かめてみてくださいね。お奨めです。
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