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2021’5
仮面の王と風吹く国の姫君
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藤野ひま 様作
【あらすじ引用】
わたくし、王妹リリアスは、この度、隣国の王に嫁ぐことになりました。
仮面の王と呼ばれる正体が定かでない王に。
決められた事ならば、粛々と従います。けどね⁉︎
とりあえず、何で花嫁が一人で吊り橋⁉︎
と思ったら権力闘争に巻き込まれ、いきなり命の危機⁉︎
……そう言うとちょっとかっこいいけど、実際はひたすら歩くはめに。
旅の道連れ(?)は、こっちも顔のわからぬ男。
(私だって似たようなもの⁈)
わからない事だらけ!
いったいこの婚姻どうなるの?
風の中で貴女を思う。
これは祝福でしょうか、呪いでしょうか。
……ねえ、母さま?
【物語は】
主人公が危なげな吊り橋を渡るところから展開されていく。王の妹でありながら粗末な身なりで、しかもたった一人で渡らなければならない。何ゆえこんなことになっているのだろうか。そこには事情があったのだ。
この婚姻は果たしてうまく行くのだろうか?
隣国(嫁ぎ先)の城に辿り着くのだろうか?
この政略結婚の背景とは一体。
【世界観・舞台・物語】
政略結婚とはいえ、両国の関係は悪くはない。
何かの陰謀に巻き込まれているのか、何か良くないことが起きているのか。果ては誰かの策略なのか。そんなことを思わせる始まりであり、主人公が理不尽に感じたり不満を持つのも仕方ないと感じた。
他にも隣国への道はあるようだが、最短距離がこの吊り橋。話しの様子から思った以上に長く、その形状ゆえに思った以上に時間がかかると思われる。つまり、細くて大きく揺れる、危ない釣り橋なのだと想像した。
輿入れとは嫁ぐこと。この物語では、その時間帯も遅いとある。益々何かあるのではないかと思わせる部分だ。大変な思いをして渡った先で、待ち受けている者も彼女を不快にさせたようである。
あらすじにもある”花嫁が一人で吊り橋”を渡る。通常花嫁ならば装飾品の類などを見につけたり、着飾ったりするものだが、”何も持たずに輿入れするように”と指示されている。その理由は、なんだろうと考えさせられた。
それは重さがあると橋を渡るのが大変だからなのだろうか。最初に考えたのはそういう理由である。彼女が橋を渡る途中で、あるものを脱ぎ捨てたことを考えると、その線が濃厚と感じたが、他にも何か理由がありそうだ。
【登場人物の魅力】
主人公は恐らく、王家の者ならばこうであるという感覚を持つ人物。階級があれば、その階級での常識的な考え方というのがあると思う。彼女の境遇については後程明かされていく。(階級制度を推奨しているわけではありません)
主人公の視点により話が展開されてくため、彼女の得た情報でしか、状況を把握することができない。当然のことながら、読者も何故こんなことになっているのだろうかと、いろいろと憶測してしまう。理由が直ぐに分からない為、非常に好奇心を持続させることのできる展開だと感じた。
そして段々と明かされていく、主人公と政略結婚の背景。他の国との関わり合いについても明かされ、物語に深みが出てくる。その部分までは主に”何故”が多い。
あらすじから想像できるが、主人公には兄がいる。そして正体不明の王に嫁ぐことになり、吊り橋の先の展開からもう一人加わることが分かっている。
この三人の関係は一体なんだろうか。そこが物語において、初めに繋がる糸なのかもしれない。主人公と共に道中で知っていく嫁ぎ先の国のこと。
感情移入しやすく、主人公の立場に立って読むことのできる物語だと感じた。
【物語のみどころ】
現時点の公開部分まで読了(P17)。物語はまだ序盤だと思われる。主人公は、訳が分からぬまま政略結婚に応じ、指示されるまま隣国へ向かう。
しかしその指示の内容は、とてもじゃないが姫でなくとも耐えうるものではなかった。当然、不満は出る。
どうしてこんな扱いを受けなければならないのか。どうしてこんな事態になっているのか。
その事については徐々に明かされ、何かに巻き込まれていることを知る。これが命の危機を回避するためだと理解すると、主人公に対し、同情とともに激励したいという気持ちが湧いてくる。
事情がゆっくりと明かされていくため、とても読みやすく理解がし易い物語だと感じた。主人公と同様に、話を聞いているような気持ちになるのである。物語はまだ、城に辿り着いていない状況。この先一体どんな展開が待ち受けているのか、とても楽しみな作品だ。
あなたもお手に取られてみませんか?
飛んでもない状況から始まる物語。その背景を知った時、これは何か大きな陰謀の始まりに過ぎないと感じるでしょう。この先に待ち受けるものとは?
是非、その目で確かめてみてくださいね。お奨めです。
【あらすじ引用】
わたくし、王妹リリアスは、この度、隣国の王に嫁ぐことになりました。
仮面の王と呼ばれる正体が定かでない王に。
決められた事ならば、粛々と従います。けどね⁉︎
とりあえず、何で花嫁が一人で吊り橋⁉︎
と思ったら権力闘争に巻き込まれ、いきなり命の危機⁉︎
……そう言うとちょっとかっこいいけど、実際はひたすら歩くはめに。
旅の道連れ(?)は、こっちも顔のわからぬ男。
(私だって似たようなもの⁈)
わからない事だらけ!
いったいこの婚姻どうなるの?
風の中で貴女を思う。
これは祝福でしょうか、呪いでしょうか。
……ねえ、母さま?
【物語は】
主人公が危なげな吊り橋を渡るところから展開されていく。王の妹でありながら粗末な身なりで、しかもたった一人で渡らなければならない。何ゆえこんなことになっているのだろうか。そこには事情があったのだ。
この婚姻は果たしてうまく行くのだろうか?
隣国(嫁ぎ先)の城に辿り着くのだろうか?
この政略結婚の背景とは一体。
【世界観・舞台・物語】
政略結婚とはいえ、両国の関係は悪くはない。
何かの陰謀に巻き込まれているのか、何か良くないことが起きているのか。果ては誰かの策略なのか。そんなことを思わせる始まりであり、主人公が理不尽に感じたり不満を持つのも仕方ないと感じた。
他にも隣国への道はあるようだが、最短距離がこの吊り橋。話しの様子から思った以上に長く、その形状ゆえに思った以上に時間がかかると思われる。つまり、細くて大きく揺れる、危ない釣り橋なのだと想像した。
輿入れとは嫁ぐこと。この物語では、その時間帯も遅いとある。益々何かあるのではないかと思わせる部分だ。大変な思いをして渡った先で、待ち受けている者も彼女を不快にさせたようである。
あらすじにもある”花嫁が一人で吊り橋”を渡る。通常花嫁ならば装飾品の類などを見につけたり、着飾ったりするものだが、”何も持たずに輿入れするように”と指示されている。その理由は、なんだろうと考えさせられた。
それは重さがあると橋を渡るのが大変だからなのだろうか。最初に考えたのはそういう理由である。彼女が橋を渡る途中で、あるものを脱ぎ捨てたことを考えると、その線が濃厚と感じたが、他にも何か理由がありそうだ。
【登場人物の魅力】
主人公は恐らく、王家の者ならばこうであるという感覚を持つ人物。階級があれば、その階級での常識的な考え方というのがあると思う。彼女の境遇については後程明かされていく。(階級制度を推奨しているわけではありません)
主人公の視点により話が展開されてくため、彼女の得た情報でしか、状況を把握することができない。当然のことながら、読者も何故こんなことになっているのだろうかと、いろいろと憶測してしまう。理由が直ぐに分からない為、非常に好奇心を持続させることのできる展開だと感じた。
そして段々と明かされていく、主人公と政略結婚の背景。他の国との関わり合いについても明かされ、物語に深みが出てくる。その部分までは主に”何故”が多い。
あらすじから想像できるが、主人公には兄がいる。そして正体不明の王に嫁ぐことになり、吊り橋の先の展開からもう一人加わることが分かっている。
この三人の関係は一体なんだろうか。そこが物語において、初めに繋がる糸なのかもしれない。主人公と共に道中で知っていく嫁ぎ先の国のこと。
感情移入しやすく、主人公の立場に立って読むことのできる物語だと感じた。
【物語のみどころ】
現時点の公開部分まで読了(P17)。物語はまだ序盤だと思われる。主人公は、訳が分からぬまま政略結婚に応じ、指示されるまま隣国へ向かう。
しかしその指示の内容は、とてもじゃないが姫でなくとも耐えうるものではなかった。当然、不満は出る。
どうしてこんな扱いを受けなければならないのか。どうしてこんな事態になっているのか。
その事については徐々に明かされ、何かに巻き込まれていることを知る。これが命の危機を回避するためだと理解すると、主人公に対し、同情とともに激励したいという気持ちが湧いてくる。
事情がゆっくりと明かされていくため、とても読みやすく理解がし易い物語だと感じた。主人公と同様に、話を聞いているような気持ちになるのである。物語はまだ、城に辿り着いていない状況。この先一体どんな展開が待ち受けているのか、とても楽しみな作品だ。
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