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2021’4
あなたのために花を降らせたい
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クララ様作
【あらすじ引用】
幼馴染たちのじれったい恋の行方と黄金の花にまつわる楽譜の秘密!
天にまで届きそうな伝説の木セレンティアを中心に造られた町フロシオン。国一番古い歴史を持つその町の住人たちは、植物に関係する能力者たちだった。
その誰よりも特別な能力「開花」を持つ少女エマは、海辺の町からやってきた綺麗な少年テオとの出会いによって孤独な毎日から救い出される。一方で、忌まわしい生い立ちに傷ついていたテオも、天真爛漫なエマに癒され素直になっていく。
6歳からずっと一緒だった二人。けれどいつしか互いの抱える不安ゆえにすれ違い、少しずつギクシャクしていく。そしてついに中等科の夏、激しく傷つけ合って……。
距離を置いてしまった二人。それでも温かくて頼り甲斐のある親友たちに励まされて再び歩み寄り、本当に大事なものとは何か、自分たちの可能性とは何かを見つけていこうとする。エマには常にピアノが、テオには古代語があって、彼らの想いに寄り添った。
やがて迎えた10年に1度のセレンティア大花祭り。そのコンサートの準備中、伝説の花の楽譜をめぐって思いも掛けない謎に遭遇した二人は、演奏を成功させるために友人たちとその謎解きを始める。
生まれ持ったものが他人とはあまりにも違うもので、それゆえに苦しみ悩みながらも、やがて自分の核となるものを見つけて立ち上がり、少しずつ歩き出していく二人の物語。過渡期の少年少女たちのほのぼの異世界ファンタジー。
【物語は】
それは、主人公のある一日の始まりから。カレンダーに書かれた金色の文字に目をやり、とても大好きだった”花祭り”のことを思う。きっと楽しみにしていたのだろう。
しかし、主人公は憂鬱そうである。
一体何があったというのだろうか。
読み進めていくと、どうやら彼女には大好きな幼馴染みが居て、その彼と一緒に花祭りに行けないことが憂鬱の理由のようだ。どうしてそうなってしまったのか、この部分では分からない。だがそんな彼女が、あたふたしてしまうような出来事が起きるのだ。それは突然の、あるお誘いであった。
【登場人物の魅力】
主人公の少女は、自分の感情に素直な性格のようだ。大好きな幼なじみと花祭りに行けないことで、とても落ち込む。しかし来ないはずの彼が、花祭りに誘ってくれたことで、急に花が開花したように明るくなる。彼のことが大好きなんだなと、微笑ましく温かさを感じた。
その後今度は、幼馴染みの彼の視点で進んでいく。すると彼女に何があったのか、ぼんやりとだが理解することが出来る。だが、二人がすれ違った理由は一体なんだったのだろうか?
その理由が分からないまま、花祭りのメイン会場へ。ここでようやく、どんなお祭りなのかが分かって来る。
この場面で、彼女に不思議な力があることを知る。その能力はこの町の住人ならほとんどの人が持っているようだ。主人公はその中でも特別な能力である”開花”を持っていたのだ。彼女がどれだけこの祭りを楽しんでいるのか。能力によって目視できるのが、面白い部分だと思われる。
【世界観・舞台の魅力】
初めのうちは、主人公と幼馴染みの関係などについて語られていくのだが、花祭りの中で彼女たちが暮らす町についてもわかってくる。
この物語での特殊能力はとても面白いと感じる。”「促進」と言われる植物と共鳴する力”が彼らの持つ力だ。そして主人公の持つ力は”開花”。この世界観はとても面白い。
この花祭りで主人公が手に入れたのは、失った幼馴染みとの時間だけではなかった。きっと一生できないだろうと思われていた、同性の友人が出来る。主人公の少女は、自分に人と違う特殊な能力があることで、疎外感を抱き、自分を抑え込んできた。それを救ったのが幼馴染みである。
しかし、いつまでも彼に頼ることを良しとしなかった主人公は、何とか自分一人で頑張ろうとしたが失敗してしまう。主人公はその事により、幼馴染みが自分にとってどれだけ大切な存在だったのか、気づくのではないだろうか。
だが自ら溝を作ってしまった為、自分から彼に話しかけることが出来なくなってしまったのではないかと解釈した。そして、その事には触れない幼馴染みの気遣いや優しさに、主人公は改めて気づかされたのではないかと。
とても優しさに溢れた物語だと感じた。
【物語の見どころ】
この物語を読んで感じたのは、学校という場所は自分の持つ多様性を否定したくなるところであるという事。子供の頃は、人と同じで居たいと思うものなのではないだろうか?
それが大人になると、秀でた者を羨ましく感じる。人とは不思議なものだなと感じる。それは閉鎖された集団生活の中で、自分だけが取り残されてしまうという不安などから、追い詰められるためなのではないかと思った。
この物語からは、互いが互いを想い合っているのが、凄く伝わってくる。確かに、両想いなのだから早く想いを告げればいいのにと、じれったさを感じる読者もいるだろう。
しかし心情がとても丁寧に描かれている為、もっと二人の心を覗いてみたいなという気持ちにもなる。そこに新しい同性の友人である親友が加わった為、賑やかになりそうだ。
序盤ではまだ”黄金の花にまつわる楽譜の秘密”については触れられていない。これから一体どんなことが、主人公たちを待ち受けているのだろうか?
あなたもお手に取られてみませんか?
じれったいけれど、互いを想い合う優しい二人の恋の行方と、これから出逢うであろう楽譜の秘密。是非、その目で確かめてみませんか?
お奨めです。
【あらすじ引用】
幼馴染たちのじれったい恋の行方と黄金の花にまつわる楽譜の秘密!
天にまで届きそうな伝説の木セレンティアを中心に造られた町フロシオン。国一番古い歴史を持つその町の住人たちは、植物に関係する能力者たちだった。
その誰よりも特別な能力「開花」を持つ少女エマは、海辺の町からやってきた綺麗な少年テオとの出会いによって孤独な毎日から救い出される。一方で、忌まわしい生い立ちに傷ついていたテオも、天真爛漫なエマに癒され素直になっていく。
6歳からずっと一緒だった二人。けれどいつしか互いの抱える不安ゆえにすれ違い、少しずつギクシャクしていく。そしてついに中等科の夏、激しく傷つけ合って……。
距離を置いてしまった二人。それでも温かくて頼り甲斐のある親友たちに励まされて再び歩み寄り、本当に大事なものとは何か、自分たちの可能性とは何かを見つけていこうとする。エマには常にピアノが、テオには古代語があって、彼らの想いに寄り添った。
やがて迎えた10年に1度のセレンティア大花祭り。そのコンサートの準備中、伝説の花の楽譜をめぐって思いも掛けない謎に遭遇した二人は、演奏を成功させるために友人たちとその謎解きを始める。
生まれ持ったものが他人とはあまりにも違うもので、それゆえに苦しみ悩みながらも、やがて自分の核となるものを見つけて立ち上がり、少しずつ歩き出していく二人の物語。過渡期の少年少女たちのほのぼの異世界ファンタジー。
【物語は】
それは、主人公のある一日の始まりから。カレンダーに書かれた金色の文字に目をやり、とても大好きだった”花祭り”のことを思う。きっと楽しみにしていたのだろう。
しかし、主人公は憂鬱そうである。
一体何があったというのだろうか。
読み進めていくと、どうやら彼女には大好きな幼馴染みが居て、その彼と一緒に花祭りに行けないことが憂鬱の理由のようだ。どうしてそうなってしまったのか、この部分では分からない。だがそんな彼女が、あたふたしてしまうような出来事が起きるのだ。それは突然の、あるお誘いであった。
【登場人物の魅力】
主人公の少女は、自分の感情に素直な性格のようだ。大好きな幼なじみと花祭りに行けないことで、とても落ち込む。しかし来ないはずの彼が、花祭りに誘ってくれたことで、急に花が開花したように明るくなる。彼のことが大好きなんだなと、微笑ましく温かさを感じた。
その後今度は、幼馴染みの彼の視点で進んでいく。すると彼女に何があったのか、ぼんやりとだが理解することが出来る。だが、二人がすれ違った理由は一体なんだったのだろうか?
その理由が分からないまま、花祭りのメイン会場へ。ここでようやく、どんなお祭りなのかが分かって来る。
この場面で、彼女に不思議な力があることを知る。その能力はこの町の住人ならほとんどの人が持っているようだ。主人公はその中でも特別な能力である”開花”を持っていたのだ。彼女がどれだけこの祭りを楽しんでいるのか。能力によって目視できるのが、面白い部分だと思われる。
【世界観・舞台の魅力】
初めのうちは、主人公と幼馴染みの関係などについて語られていくのだが、花祭りの中で彼女たちが暮らす町についてもわかってくる。
この物語での特殊能力はとても面白いと感じる。”「促進」と言われる植物と共鳴する力”が彼らの持つ力だ。そして主人公の持つ力は”開花”。この世界観はとても面白い。
この花祭りで主人公が手に入れたのは、失った幼馴染みとの時間だけではなかった。きっと一生できないだろうと思われていた、同性の友人が出来る。主人公の少女は、自分に人と違う特殊な能力があることで、疎外感を抱き、自分を抑え込んできた。それを救ったのが幼馴染みである。
しかし、いつまでも彼に頼ることを良しとしなかった主人公は、何とか自分一人で頑張ろうとしたが失敗してしまう。主人公はその事により、幼馴染みが自分にとってどれだけ大切な存在だったのか、気づくのではないだろうか。
だが自ら溝を作ってしまった為、自分から彼に話しかけることが出来なくなってしまったのではないかと解釈した。そして、その事には触れない幼馴染みの気遣いや優しさに、主人公は改めて気づかされたのではないかと。
とても優しさに溢れた物語だと感じた。
【物語の見どころ】
この物語を読んで感じたのは、学校という場所は自分の持つ多様性を否定したくなるところであるという事。子供の頃は、人と同じで居たいと思うものなのではないだろうか?
それが大人になると、秀でた者を羨ましく感じる。人とは不思議なものだなと感じる。それは閉鎖された集団生活の中で、自分だけが取り残されてしまうという不安などから、追い詰められるためなのではないかと思った。
この物語からは、互いが互いを想い合っているのが、凄く伝わってくる。確かに、両想いなのだから早く想いを告げればいいのにと、じれったさを感じる読者もいるだろう。
しかし心情がとても丁寧に描かれている為、もっと二人の心を覗いてみたいなという気持ちにもなる。そこに新しい同性の友人である親友が加わった為、賑やかになりそうだ。
序盤ではまだ”黄金の花にまつわる楽譜の秘密”については触れられていない。これから一体どんなことが、主人公たちを待ち受けているのだろうか?
あなたもお手に取られてみませんか?
じれったいけれど、互いを想い合う優しい二人の恋の行方と、これから出逢うであろう楽譜の秘密。是非、その目で確かめてみませんか?
お奨めです。
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