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2021’4
凄惨たる魔王の黙示録〜目覚めると勇者になっていた魔王は、斯くして世界を救う。
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幕画ふぃん 様作
【あらすじ引用】
「何故に貴様は私に刃を向ける?」
魔族を統べる凄惨たる魔王・テネブリス=ドゥクス=グラヴィオールは、勇者ルクルースに問う。魔族と人間、長きに渡る争いに雌雄を決する為に勇者ルクルースは、命を賭して一騎打ちという選択を選んだ。
実力の拮抗した両者の命運は、お互いの強大な一撃に託された。魔王と勇者、尋常ならざる魔力同士の衝突は、激しい閃光を生み出す。刹那、辺りはまばゆい光に包まれた。
その後、魔王テネブリスは見慣れぬ一室で目を覚ます。
一切の魔力を失っている事と、馴染みのない肉体の感覚に違和感を覚え、その場にあった姿見で自分の姿を確認すると、そこにはあの日、一騎打ちをした相手である勇者ルクルースの姿が映っていた。
理解できない状況が起こった矢先、魔族が現れたとの一報を耳に入れる。自身の身に起きている状況を知る為に、まずは魔族に接触しようとした魔王テネブリスは、勇者の仲間である魔法使いの女・アルキュミー、歴戦の剣士の男・フェルム、ハーフエルフの神官・クラルスと共に、魔族が現れたその場所へ向かった。
圧倒的な魔力を誇っていたかつての自分を失いつつ、脆弱な人間の肉体で激しい戦闘になりながら結果的に魔族を殺す事になる。その際に、かつての魔王としての凄惨たる魔力の一端を取り戻した可能性に気付く。
――そして、魔族を殺すことによって、かつての魔王としての力を取り戻す事を画策するのであった。
失った絶対的な魔王の力、それを取り戻す為、凄惨たる魔王は勇者の姿をその身に写し、歩みを進める。
その行動が、いずれ世界を救う事になるとはまだ誰も知る由もない。
――最凶魔王の黙示録、今ここに開闢す――。
【物語は】
勇者と魔王の一騎打ちにより始まる。
本編に入ると、戦いの結果が徐々に解明されていく。そして、主人公は驚愕する、自分の置かれている状況に。名前を告げて周りに信じて貰えず、記憶喪失と勘違いされてしまう。しかしそれは、彼にとって吉となるのだった。
【登場人物の魅力】
主人公だけがいつも通りの振る舞いをする。それに対し、周りは勘違い状態で進んでゆくのだが、そのすれ違い方が絶妙。
主人公の考えていることは周りにはわからないので、勝手に彼らが誤解し、主人公に振り回されていく。だが、彼にはそんなつもりは毛頭ない。
特に三話の辺りでは、おかしくて腹筋が崩壊しそうになった。
しかしこの後、ターニングポイントが訪れるのである。
主人公が我が道をひた歩く性格なのが面白く、物語にマッチしている。語が進むと、勇者ついてのプライベート部分が明かされていく。勇者に魂が入ってしまった主人公も驚くが、読者もびっくりな内容である。
ここで思うのは主人公が元魔王なだけあって、頭の回転が速いということ。しかし自分らしく振舞うと、周りの者たちから厨二病と勘違いされる。それはそれで面白いと感じた。
【物語の魅力】
物語の流れと展開が上手くできている。
戦いから一転、その結果を主人公は現状で理解する。そこにあったのは信じがたい現実。主人公は戸惑いながらも、自分を取り戻すため模索していく物語なのだ。
そして、その一歩は幸運にも直ぐに訪れる。
ここの展開も面白い。主人公と周りのズレが笑いに繋がる物語だ。しかも主人公を含め、周りの人物も皆が真面目である。真面目なのに、笑ってしまう。いや、真面目だから面白いということなのか。
魔力を失ってしまった主人公。見た目は勇者なので、勇者として戦うことしかできない。周りは主人公が、魔王であることを全く信じていないのに、”あるもの”はどうやら勇者でないことを知っているかのようだ。
そのせいで、戦闘中にピンチに陥るが、ある思い付きでピンチをラッキーに変える。このことが、更なる幸運を呼ぶ。もし、ここで思い付きを実行していなかったなら、自身の変化にも気づかない可能性があっただろう。
ここまで物語が必然性で展開されているのが、凄いと感じた。
【物語のみどころ】
魔法の詠唱が凝っているところも見どころの一つ。
冒頭ではチラッとしか出てこない、主人公の仲間の三人は個性的で、それぞれがツッコみ役も担っているのが面白い。誰一人として、主人公が魔王であることを信じない。それが魔族も同じであるという。まるで世界に独りぼっちのような状況だが、果たしてどうなっていくのだろうか?
あらすじには”いずれ世界を救う事になる”とある。
知らず知らずのうちに世界を救ったその後に、魔王としての居場所はあるのだろうか?いろいろと想像や心配をしてしまう物語である。それは、主人公に愛着の沸きやすい物語でもあるということだ。
あなたも是非、お手に取られてみませんか?
主人公は力を取り戻した後、どんな選択をするのだろうか。
その目で確かめてみてくださいね。おススメです。
【あらすじ引用】
「何故に貴様は私に刃を向ける?」
魔族を統べる凄惨たる魔王・テネブリス=ドゥクス=グラヴィオールは、勇者ルクルースに問う。魔族と人間、長きに渡る争いに雌雄を決する為に勇者ルクルースは、命を賭して一騎打ちという選択を選んだ。
実力の拮抗した両者の命運は、お互いの強大な一撃に託された。魔王と勇者、尋常ならざる魔力同士の衝突は、激しい閃光を生み出す。刹那、辺りはまばゆい光に包まれた。
その後、魔王テネブリスは見慣れぬ一室で目を覚ます。
一切の魔力を失っている事と、馴染みのない肉体の感覚に違和感を覚え、その場にあった姿見で自分の姿を確認すると、そこにはあの日、一騎打ちをした相手である勇者ルクルースの姿が映っていた。
理解できない状況が起こった矢先、魔族が現れたとの一報を耳に入れる。自身の身に起きている状況を知る為に、まずは魔族に接触しようとした魔王テネブリスは、勇者の仲間である魔法使いの女・アルキュミー、歴戦の剣士の男・フェルム、ハーフエルフの神官・クラルスと共に、魔族が現れたその場所へ向かった。
圧倒的な魔力を誇っていたかつての自分を失いつつ、脆弱な人間の肉体で激しい戦闘になりながら結果的に魔族を殺す事になる。その際に、かつての魔王としての凄惨たる魔力の一端を取り戻した可能性に気付く。
――そして、魔族を殺すことによって、かつての魔王としての力を取り戻す事を画策するのであった。
失った絶対的な魔王の力、それを取り戻す為、凄惨たる魔王は勇者の姿をその身に写し、歩みを進める。
その行動が、いずれ世界を救う事になるとはまだ誰も知る由もない。
――最凶魔王の黙示録、今ここに開闢す――。
【物語は】
勇者と魔王の一騎打ちにより始まる。
本編に入ると、戦いの結果が徐々に解明されていく。そして、主人公は驚愕する、自分の置かれている状況に。名前を告げて周りに信じて貰えず、記憶喪失と勘違いされてしまう。しかしそれは、彼にとって吉となるのだった。
【登場人物の魅力】
主人公だけがいつも通りの振る舞いをする。それに対し、周りは勘違い状態で進んでゆくのだが、そのすれ違い方が絶妙。
主人公の考えていることは周りにはわからないので、勝手に彼らが誤解し、主人公に振り回されていく。だが、彼にはそんなつもりは毛頭ない。
特に三話の辺りでは、おかしくて腹筋が崩壊しそうになった。
しかしこの後、ターニングポイントが訪れるのである。
主人公が我が道をひた歩く性格なのが面白く、物語にマッチしている。語が進むと、勇者ついてのプライベート部分が明かされていく。勇者に魂が入ってしまった主人公も驚くが、読者もびっくりな内容である。
ここで思うのは主人公が元魔王なだけあって、頭の回転が速いということ。しかし自分らしく振舞うと、周りの者たちから厨二病と勘違いされる。それはそれで面白いと感じた。
【物語の魅力】
物語の流れと展開が上手くできている。
戦いから一転、その結果を主人公は現状で理解する。そこにあったのは信じがたい現実。主人公は戸惑いながらも、自分を取り戻すため模索していく物語なのだ。
そして、その一歩は幸運にも直ぐに訪れる。
ここの展開も面白い。主人公と周りのズレが笑いに繋がる物語だ。しかも主人公を含め、周りの人物も皆が真面目である。真面目なのに、笑ってしまう。いや、真面目だから面白いということなのか。
魔力を失ってしまった主人公。見た目は勇者なので、勇者として戦うことしかできない。周りは主人公が、魔王であることを全く信じていないのに、”あるもの”はどうやら勇者でないことを知っているかのようだ。
そのせいで、戦闘中にピンチに陥るが、ある思い付きでピンチをラッキーに変える。このことが、更なる幸運を呼ぶ。もし、ここで思い付きを実行していなかったなら、自身の変化にも気づかない可能性があっただろう。
ここまで物語が必然性で展開されているのが、凄いと感じた。
【物語のみどころ】
魔法の詠唱が凝っているところも見どころの一つ。
冒頭ではチラッとしか出てこない、主人公の仲間の三人は個性的で、それぞれがツッコみ役も担っているのが面白い。誰一人として、主人公が魔王であることを信じない。それが魔族も同じであるという。まるで世界に独りぼっちのような状況だが、果たしてどうなっていくのだろうか?
あらすじには”いずれ世界を救う事になる”とある。
知らず知らずのうちに世界を救ったその後に、魔王としての居場所はあるのだろうか?いろいろと想像や心配をしてしまう物語である。それは、主人公に愛着の沸きやすい物語でもあるということだ。
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