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2021’3

夜は定常的な流体 (感想)

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理科 -logic dept.- 様作

【作品内容】
短編集です。一貫したテーマは持たせていませんが、持っている可能性はあります。

 様々な色の作品があるので順番や量などは気にせず気軽にお楽しみください。

【感想】
短編なので感想をと思ったのだが。

不思議な世界観である。
とても巧くて読みやすいし、何が書いてあるのかもわかる。何について書いてあるのかもわかる。そして面白いのに、なんと表現したら良いのか分からない。レビューも感想も書けないのは初めてで、戸惑う。

作風とは指紋のようなモノで、意識しないと変えるのが難しいものだが、どれ一つとして同じものはなく、言うなればこの作品は”芸術”である。
まるで絵画を眺めているように鮮やかに物語の様子が浮かび、線香花火が落ちるように消えてゆく。それは、マッチ売りの少女がマッチを擦る様な儚さに似ている。そして、次を求めてしまうのだ。
つい夢中になってしまう物語である。

どれも好きではあるが、おまつり、海は特に鮮やかな色が浮かび上がるように思える。この短編集はとても文学的であり、作者は天才的だなと思った。
独創的であり、感性が素晴らしい。この作品は俺にとって、お気に入りの一作になった。もし、この作品に的確な感想を書ける人がいたならば、嫉妬してしまいそうなくらい、感想を述べるのが難しい。しかし、とても面白い作品なのは言うまでもない。

もし書籍化されたら絶対買いたい。
シュールレアリスムであり、エッセイのようなスタイルの小説。
日常に非日常がいつの間にか混ざってしまっているような、不思議な世界観が特徴。
プロ顔負けの唯一無二、独創性のある作品。
人によっては芸術。人によっては怖い。と感想は様々だと思う。

是非、あなたも読まれてみませんか?
不思議で、ユニークで、独創的な物語があなたを虜にするでしょう。
お奨めです。
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