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2021’3
記憶なし、魔力ゼロのおっさんファンタジー
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コーヒー微糖派 様作
【あらすじ引用】
勇者と魔王の戦いの舞台となっていた、"ルクガイア王国"
その戦いは多くの犠牲を払った激戦の末に勇者達、人類の勝利となった。
そんなところに現れた一人の中年男性。
記憶もなく、魔力もゼロ。
自分の名前も分からないおっさんとその仲間たちが織り成すファンタジー……っぽい物語。
記憶喪失だが、腕っぷしだけは強い中年主人公。同じく魔力ゼロとなってしまった元魔法使い。時々訪れる恋模様。やたらと癖の強い盗賊団を始めとする人々と紡がれる絆。
その先に待っているのは"失われた過去"か、"新たなる未来"か。
【物語は】
主人公が、深夜の宿場村にいるところから始まる。記憶喪失に見舞われた、主人公。目を覚ましたと明確に書かれていないので、目が覚めたらではなく突然の出来事の可能性もある。自分の状況を確認したが、無一文で荷物もなく、ただただ途方に暮れるしかない状況。そこで、出会ったのは人情味あふれるマスター。彼は、主人公の言葉を疑うことなく、一夜の宿を提供してくれたのだ。翌日、店の様子から現在の場所の状況説明という形で、この物語の世界観が分かって来る。その後、自分についての記憶が一切ない主人公に不便さを感じたマスターが、主人公の能力にまつわる仮名を付けようじゃないか、という案を出し、二人はある高名な神官のところに行くこととなったのだが…。
【登場人物の魅力】
主人公は、記憶喪失のオッサン。オッサンであることは彼が、自分で姿を確認したことにより確定した。もし、記憶喪失になってしまったならどんな気持ちなのだろうか。それを想像して心情が描かれていると感じた。その中でも、人恋しさには共感できる。人は記憶があるから、安心して暮らしていられるのだと思った。この後ある神官に、能力を見て貰うこととなるのだが、暗いストーリーではなく明るく展開されていく。それは、個性的な登場人物が出てくるためである。そこでの主人公の心の声にクスッとしてしまう。記憶喪失という状況なのにも関わらず、コミカルなのが面白く、読みやすさも抜群。
【物語の魅力】
意外な方向へと進んでいくのが一番面白い部分である。余談だが、プチメモが面白い。主人公は記憶喪失ではあるが、身体が覚えていたり感覚というもので、『おや?』という事が起きる。それは思考の最中だったり、戦いの最中だったりと、場面は様。序章は、ある予感で終わっている。この場面が後にどうかかわって来るのか、とても興味深い。本編は、主人公が記憶喪失となり、村で過ごすようになった二年後から始まる。ここで第一章がプロローグであるのにも関わらず、長めであった理由が見えてくる。あらすじにある、”人々と紡がれる絆”と言う言葉に納得してしまうのだ。この物語は主人公との絆を描いた物語なのかもしれない。
【物語の見どころ】
二年経っても記憶の戻ることのない主人公だが、彼の生活は明らかに変化をとげている。記憶喪失でこの村にいた当初と比べると、確実に村人たちと良好な関係を築いている。この世界では魔力があって当然。稀に持たない者もいる、と言う程度のレアケース。しかし、彼は無力というわけではないのだ。特技が身を助ける。彼がまさしくそうなのではないだろうか。記憶はなくても、身体が覚えていたせいで、村の危機を乗り越えた。今では村人と信頼関係を築いている。
時々入る別視点がとても良いアクセントになっており、物語に深みを出しているように感じた。なぜあえて魔王のいなくなった世界が舞台なのかは、序章にあたる一章で分かるが、序盤ではまだ物語が、何処へ向かうのか分からない。この先一体何が待ち受けているのだろうか。記憶は戻るのだろうか。そもそも、彼がこの村に居た理由はなんだろうか。沢山の謎がある物語。人々の優しさと絆を感じる物語です。主人公は、記憶がないにも関わらず”恩”を大切にして生きている。彼にどんな結末が待ち受けているというのだろうか。
是非、あなたもお手に取られてみませんか?
お奨めです。
【あらすじ引用】
勇者と魔王の戦いの舞台となっていた、"ルクガイア王国"
その戦いは多くの犠牲を払った激戦の末に勇者達、人類の勝利となった。
そんなところに現れた一人の中年男性。
記憶もなく、魔力もゼロ。
自分の名前も分からないおっさんとその仲間たちが織り成すファンタジー……っぽい物語。
記憶喪失だが、腕っぷしだけは強い中年主人公。同じく魔力ゼロとなってしまった元魔法使い。時々訪れる恋模様。やたらと癖の強い盗賊団を始めとする人々と紡がれる絆。
その先に待っているのは"失われた過去"か、"新たなる未来"か。
【物語は】
主人公が、深夜の宿場村にいるところから始まる。記憶喪失に見舞われた、主人公。目を覚ましたと明確に書かれていないので、目が覚めたらではなく突然の出来事の可能性もある。自分の状況を確認したが、無一文で荷物もなく、ただただ途方に暮れるしかない状況。そこで、出会ったのは人情味あふれるマスター。彼は、主人公の言葉を疑うことなく、一夜の宿を提供してくれたのだ。翌日、店の様子から現在の場所の状況説明という形で、この物語の世界観が分かって来る。その後、自分についての記憶が一切ない主人公に不便さを感じたマスターが、主人公の能力にまつわる仮名を付けようじゃないか、という案を出し、二人はある高名な神官のところに行くこととなったのだが…。
【登場人物の魅力】
主人公は、記憶喪失のオッサン。オッサンであることは彼が、自分で姿を確認したことにより確定した。もし、記憶喪失になってしまったならどんな気持ちなのだろうか。それを想像して心情が描かれていると感じた。その中でも、人恋しさには共感できる。人は記憶があるから、安心して暮らしていられるのだと思った。この後ある神官に、能力を見て貰うこととなるのだが、暗いストーリーではなく明るく展開されていく。それは、個性的な登場人物が出てくるためである。そこでの主人公の心の声にクスッとしてしまう。記憶喪失という状況なのにも関わらず、コミカルなのが面白く、読みやすさも抜群。
【物語の魅力】
意外な方向へと進んでいくのが一番面白い部分である。余談だが、プチメモが面白い。主人公は記憶喪失ではあるが、身体が覚えていたり感覚というもので、『おや?』という事が起きる。それは思考の最中だったり、戦いの最中だったりと、場面は様。序章は、ある予感で終わっている。この場面が後にどうかかわって来るのか、とても興味深い。本編は、主人公が記憶喪失となり、村で過ごすようになった二年後から始まる。ここで第一章がプロローグであるのにも関わらず、長めであった理由が見えてくる。あらすじにある、”人々と紡がれる絆”と言う言葉に納得してしまうのだ。この物語は主人公との絆を描いた物語なのかもしれない。
【物語の見どころ】
二年経っても記憶の戻ることのない主人公だが、彼の生活は明らかに変化をとげている。記憶喪失でこの村にいた当初と比べると、確実に村人たちと良好な関係を築いている。この世界では魔力があって当然。稀に持たない者もいる、と言う程度のレアケース。しかし、彼は無力というわけではないのだ。特技が身を助ける。彼がまさしくそうなのではないだろうか。記憶はなくても、身体が覚えていたせいで、村の危機を乗り越えた。今では村人と信頼関係を築いている。
時々入る別視点がとても良いアクセントになっており、物語に深みを出しているように感じた。なぜあえて魔王のいなくなった世界が舞台なのかは、序章にあたる一章で分かるが、序盤ではまだ物語が、何処へ向かうのか分からない。この先一体何が待ち受けているのだろうか。記憶は戻るのだろうか。そもそも、彼がこの村に居た理由はなんだろうか。沢山の謎がある物語。人々の優しさと絆を感じる物語です。主人公は、記憶がないにも関わらず”恩”を大切にして生きている。彼にどんな結末が待ち受けているというのだろうか。
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お奨めです。
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