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2021’3
元・魔王軍の竜騎士が経営する猟兵団。
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よしふみ様作
【あらすじ引用】
『最後に残ったのは、竜との約束』。
人間族と亜人種が存在する大陸において、両者の対立が厳しい時代……。そんな時代、あらゆる人種との共存を果たしたがゆえに、人間族の勢力から『魔王』と蔑みと畏怖をもって呼ばれる男がいる。
ガルーナの気高き王ベリウス。
亜人種びいきの魔王と呼ばれた、人間族の王の一人である。そして、このガルーナ王に仕える、『竜騎士』の一族がいた。ストラウス。この蛮勇なる剣鬼たちは、飛竜を自在に駆り王国を守ってきたのである。しかし、その武勇を愛する王国も滅びることとなる……。圧倒的多数の敵を前に、竜騎士である父親も兄たちも討たれた。ストラウス家の四男ソルジェは、一族に残された最後の古竜アーレスと共に敵陣への特攻を行う。
―――竜騎士として戦場で死して歌となることは名誉であったが……。
戦場で死んだはずのソルジェは、古竜アーレスの魔力で蘇生を果たす。古竜アーレスの亡霊は語るのだ、同盟国の裏切りに遭い、魔王は殺されたと。裏切り者どもを殺せと、古竜アーレスはソルジェに願う。故郷を失い、一族を殺され、竜という翼さえ無くしたソルジェ・ストラウス。最愛の妹の骨を指に抱きしめ、彼は復讐を誓うのだ。それから歳月は過ぎ……仇敵、ファリス王国は勢力を増しつづけ、巨大な帝国を築き上げていた。いくつもの戦場を経て、ソルジェは白獅子と呼ばれる老いた傭兵に拾われることとなる。
『パンジャール猟兵団』……亜人種を弾圧する帝国に反する、少数精鋭の傭兵団。
エルフの弓姫、巨人の戦士、獣人の少女に、詩人の男。心強い仲間たちを手にしたソルジェ・ストラウス、彼が再び『竜』に出逢うとき、運命は動き出す。
……これは、13人の戦鬼と1匹の黒き竜が歌う英雄譚である……。
【物語は】
滅びた国の竜の騎士たちである、ストラウスについて語られることから始まっていく。ストラウスの伝統に則り、死を覚悟していた主人公。しかし、彼は生きており9年前の”あの日”のことを思い出していた。その日の戦のことが、美しい表現によって描かれている。例えば竜の唸り声(鳴き声)を歌と表したり、風を支配など。とてもオリジナルティを感じる作風である。ただ、この作品の中での”歌”とは他にも意味合いがある。序章では竜と主人公である竜騎士が大勢の敵へ戦をしかける様を、壮大なスケールで描いている。一体どうして、そんな中で生き残ることが出来たのか。それは戦略なのか、運なのか、それとも強さなのか、覚悟の違いなのか。読み進めていくうちに、彼の新たな目標と目的、戦いの結末などが見えてくる。
【登場人物の魅力】
主人公は、伝統を大切にし戦いこそ全て、死を恐れないという狂戦士。しかしながら、心はちゃんとある。優しさも情もあるのだ。国の王に忠誠心を持ち、竜一体と自分のみで戦地へ赴く。齢17にして、どんなに志が高くても恐怖を感じないというのは、相当精神が鍛えられていると思う。そして、そういう種族であるという、説得力がある。戦地に赴く途中で、家族を眺めるシーンでは、自分が戦場で命を落とした後のことを思い描いている。彼は自分が生き残って種を増やすことよりも、種族全体の繁栄のことを考えているのだ。だからこそ命を落とすことを躊躇わず、敵国にとって脅威なのではないだろうか。そして、一緒に戦地に赴いた竜は、彼を認めると共に信頼をしている。二人で戦うことが出来るのは、信頼関係あってこそだったのではないかと感じた。この竜は自身の最期に主人公へある想いを託している。主人公がその後も自暴自棄にならずに生きているのは、この竜との約束もあるのではないだろうか。
【物語の魅力】
序章から書き込みの凄い物語である。表現力も凄いが、世界観が分かりやすく、オリジナルの世界観を作るための言葉選びにも優れている。ファンタジーや、戦記物をあまり読んだことのない人でも分かりやすく、残酷描写はあるものの、イヤなリアルさではないのは表現の為だと思われる。なので、残酷描写が苦手な人でも、これなら読むことが出来るという人はいるのではないだろうか。死という言葉一つとっても、そのまま死という表現がなされていることがあまりない(恐らく、分かりやすさの為に使われることはあっても)。なので、ミステリーなどで表現される残酷な描写とは根本的に異なる。そこに加え、心理描写が丁寧であり、行動描写も丁寧なのでどのようにして戦っているのか想像しやすい。その戦いの場面では、何故そう戦うのかも分かりやすく、臨場感もでている。とても拘りと作品愛を感じる物語である。
【物語の見どころ】
序章が終わり、本編に入ると主人公の人生の幕開けという感じがする。仕えた王を失い、信頼関係にあった竜を失い、死の栄誉も得られなかった主人公を生かすのは『約束』である。ここで年齢が書かれている。つまり回想が終わり、現在に戻るという事である。一気に雰囲気は明るいものとなる。『約束』を果たすためには、年月が必要だったと想像する。そして、一人では叶わなかったのではないだろうか?彼は日々の中で仲間が出来、竜の言葉にあった”戦略”というものがいよいよキーワードになっていく。ここからが本当の戦いとなるのではないだろうか。たった二人(竜なので一匹が正しいかもしれないが)で戦っていた時とは違う、戦略あっての戦いが繰り広げられると思うと、ワクワクする。おそらく、戦友との友情関係や信頼関係が築かれることもあるだろう。この先、どんな展開が待ち受けるのかとても楽しみな物語である。
是非、あなたもお手に取られてみませんか?
丁寧に書きこまれ、壮大さを感じる本格派のダークファンタジーです。
【あらすじ引用】
『最後に残ったのは、竜との約束』。
人間族と亜人種が存在する大陸において、両者の対立が厳しい時代……。そんな時代、あらゆる人種との共存を果たしたがゆえに、人間族の勢力から『魔王』と蔑みと畏怖をもって呼ばれる男がいる。
ガルーナの気高き王ベリウス。
亜人種びいきの魔王と呼ばれた、人間族の王の一人である。そして、このガルーナ王に仕える、『竜騎士』の一族がいた。ストラウス。この蛮勇なる剣鬼たちは、飛竜を自在に駆り王国を守ってきたのである。しかし、その武勇を愛する王国も滅びることとなる……。圧倒的多数の敵を前に、竜騎士である父親も兄たちも討たれた。ストラウス家の四男ソルジェは、一族に残された最後の古竜アーレスと共に敵陣への特攻を行う。
―――竜騎士として戦場で死して歌となることは名誉であったが……。
戦場で死んだはずのソルジェは、古竜アーレスの魔力で蘇生を果たす。古竜アーレスの亡霊は語るのだ、同盟国の裏切りに遭い、魔王は殺されたと。裏切り者どもを殺せと、古竜アーレスはソルジェに願う。故郷を失い、一族を殺され、竜という翼さえ無くしたソルジェ・ストラウス。最愛の妹の骨を指に抱きしめ、彼は復讐を誓うのだ。それから歳月は過ぎ……仇敵、ファリス王国は勢力を増しつづけ、巨大な帝国を築き上げていた。いくつもの戦場を経て、ソルジェは白獅子と呼ばれる老いた傭兵に拾われることとなる。
『パンジャール猟兵団』……亜人種を弾圧する帝国に反する、少数精鋭の傭兵団。
エルフの弓姫、巨人の戦士、獣人の少女に、詩人の男。心強い仲間たちを手にしたソルジェ・ストラウス、彼が再び『竜』に出逢うとき、運命は動き出す。
……これは、13人の戦鬼と1匹の黒き竜が歌う英雄譚である……。
【物語は】
滅びた国の竜の騎士たちである、ストラウスについて語られることから始まっていく。ストラウスの伝統に則り、死を覚悟していた主人公。しかし、彼は生きており9年前の”あの日”のことを思い出していた。その日の戦のことが、美しい表現によって描かれている。例えば竜の唸り声(鳴き声)を歌と表したり、風を支配など。とてもオリジナルティを感じる作風である。ただ、この作品の中での”歌”とは他にも意味合いがある。序章では竜と主人公である竜騎士が大勢の敵へ戦をしかける様を、壮大なスケールで描いている。一体どうして、そんな中で生き残ることが出来たのか。それは戦略なのか、運なのか、それとも強さなのか、覚悟の違いなのか。読み進めていくうちに、彼の新たな目標と目的、戦いの結末などが見えてくる。
【登場人物の魅力】
主人公は、伝統を大切にし戦いこそ全て、死を恐れないという狂戦士。しかしながら、心はちゃんとある。優しさも情もあるのだ。国の王に忠誠心を持ち、竜一体と自分のみで戦地へ赴く。齢17にして、どんなに志が高くても恐怖を感じないというのは、相当精神が鍛えられていると思う。そして、そういう種族であるという、説得力がある。戦地に赴く途中で、家族を眺めるシーンでは、自分が戦場で命を落とした後のことを思い描いている。彼は自分が生き残って種を増やすことよりも、種族全体の繁栄のことを考えているのだ。だからこそ命を落とすことを躊躇わず、敵国にとって脅威なのではないだろうか。そして、一緒に戦地に赴いた竜は、彼を認めると共に信頼をしている。二人で戦うことが出来るのは、信頼関係あってこそだったのではないかと感じた。この竜は自身の最期に主人公へある想いを託している。主人公がその後も自暴自棄にならずに生きているのは、この竜との約束もあるのではないだろうか。
【物語の魅力】
序章から書き込みの凄い物語である。表現力も凄いが、世界観が分かりやすく、オリジナルの世界観を作るための言葉選びにも優れている。ファンタジーや、戦記物をあまり読んだことのない人でも分かりやすく、残酷描写はあるものの、イヤなリアルさではないのは表現の為だと思われる。なので、残酷描写が苦手な人でも、これなら読むことが出来るという人はいるのではないだろうか。死という言葉一つとっても、そのまま死という表現がなされていることがあまりない(恐らく、分かりやすさの為に使われることはあっても)。なので、ミステリーなどで表現される残酷な描写とは根本的に異なる。そこに加え、心理描写が丁寧であり、行動描写も丁寧なのでどのようにして戦っているのか想像しやすい。その戦いの場面では、何故そう戦うのかも分かりやすく、臨場感もでている。とても拘りと作品愛を感じる物語である。
【物語の見どころ】
序章が終わり、本編に入ると主人公の人生の幕開けという感じがする。仕えた王を失い、信頼関係にあった竜を失い、死の栄誉も得られなかった主人公を生かすのは『約束』である。ここで年齢が書かれている。つまり回想が終わり、現在に戻るという事である。一気に雰囲気は明るいものとなる。『約束』を果たすためには、年月が必要だったと想像する。そして、一人では叶わなかったのではないだろうか?彼は日々の中で仲間が出来、竜の言葉にあった”戦略”というものがいよいよキーワードになっていく。ここからが本当の戦いとなるのではないだろうか。たった二人(竜なので一匹が正しいかもしれないが)で戦っていた時とは違う、戦略あっての戦いが繰り広げられると思うと、ワクワクする。おそらく、戦友との友情関係や信頼関係が築かれることもあるだろう。この先、どんな展開が待ち受けるのかとても楽しみな物語である。
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