6 / 305
2021’3
ライブラ
しおりを挟む
メイルストロム 様作
(カクヨム)
短編集の中の勇者を読ませていただきました。
【物語は】
強いというだけで人間から疎まれ、殺されそうになる魔王が主人公。自分自身のことをよく知っている魔王は、人と関わりを持たないように配慮をしながら生きている。しかし、弱き者である人間は彼女が強いというだけで、勝手に恐れ亡き者にしようとしていた。
まるで多様性を認められない社会の、縮図のような物語。
人間とはとても身勝手な生き物。自分と違うというだけで排除しようとしたり、自分の価値観を押し付けようとしたりする。だが一人一人は違う生き物であり、長所もあれば短所もある。そして、その長所が万民にとって長所とは限らないこともあるし、人によっては短所を長所と感じることもあるだろう。本来、尊重しながら生きるべきであり、認め合い助け合って生きていくべき。そんなことを考えさせられる物語である。
主人公は、平穏な日々を暮らしたいと願いながらもそれが叶わずにいた。そんな彼女にとって向日葵という花は、特別な花であった。
【この物語から、暗に感じるもの】
この物語には、いろんなメッセージを感じる。多数で向かって来る勇者とは、イジメ問題を指しているのではないかと感じたり、その中での一人で向かって来る勇者とは、家庭内での虐待を仄めかせていたりと直接的ではないものの、多様性についてや社会問題を連想させる物語だ。
【物語の魅力】
この物語には、文字ならではの表現法が使われていると思う。同じ言葉を繰り返すことによる、気持ちの強さ。行動による憎しみ、悲しみの表現など。心情がしっかりと書き込まれていることにより、感情移入しやすく同調もし易い。人によっては胸が押しつぶされそうな気持になったり、喪失感を味わうこともあるだろう。それほどまでに、主人公とある勇者との出会い、その後も丁寧に描かれており、主人公の想いも伝わってくる作品である。
【登場人物の魅力】
主人公は、勝手に人から魔王と呼ばれていただけで平和を望んでいた。誰も殺したくはなかったし、誰も傷つけたくもなかった。そこに現れた勇者は、孤独な彼女を癒した。誰にも産まれて来たからには生きる権利があるはず。何もしていない彼女から、勝手に恐怖を感じ命を奪う権利は誰にもなかったはずだ。この主人公は、自分の心を癒した勇者と平和で穏やかな日々を願った。それを貫いていた。それが奪われた時、きっと彼女は誰よりも人間らしい感情で、悲しみを払おうとしたに違いない。だが、その行動に意味がないことも気づいている。彼女の真の強さは、なんだろうかと考えさせられる。
【物語を通して】
あなたはこの物語を読んで、何を思うだろうか?
魔王と勇者の物語と感じるだろうか?それとも、社会問題を思わせる物語と受け取るだろうか?人によって感じ方は違うものの、強いメッセージ性を感じるに違いない。
どうすれば結末を変えられたのだろうか?
そんなことを考えてしまう物語です。とても心が揺さぶられる作品だと思いました。是非あなたも、お手に取られてみてくださいね。
(カクヨム)
短編集の中の勇者を読ませていただきました。
【物語は】
強いというだけで人間から疎まれ、殺されそうになる魔王が主人公。自分自身のことをよく知っている魔王は、人と関わりを持たないように配慮をしながら生きている。しかし、弱き者である人間は彼女が強いというだけで、勝手に恐れ亡き者にしようとしていた。
まるで多様性を認められない社会の、縮図のような物語。
人間とはとても身勝手な生き物。自分と違うというだけで排除しようとしたり、自分の価値観を押し付けようとしたりする。だが一人一人は違う生き物であり、長所もあれば短所もある。そして、その長所が万民にとって長所とは限らないこともあるし、人によっては短所を長所と感じることもあるだろう。本来、尊重しながら生きるべきであり、認め合い助け合って生きていくべき。そんなことを考えさせられる物語である。
主人公は、平穏な日々を暮らしたいと願いながらもそれが叶わずにいた。そんな彼女にとって向日葵という花は、特別な花であった。
【この物語から、暗に感じるもの】
この物語には、いろんなメッセージを感じる。多数で向かって来る勇者とは、イジメ問題を指しているのではないかと感じたり、その中での一人で向かって来る勇者とは、家庭内での虐待を仄めかせていたりと直接的ではないものの、多様性についてや社会問題を連想させる物語だ。
【物語の魅力】
この物語には、文字ならではの表現法が使われていると思う。同じ言葉を繰り返すことによる、気持ちの強さ。行動による憎しみ、悲しみの表現など。心情がしっかりと書き込まれていることにより、感情移入しやすく同調もし易い。人によっては胸が押しつぶされそうな気持になったり、喪失感を味わうこともあるだろう。それほどまでに、主人公とある勇者との出会い、その後も丁寧に描かれており、主人公の想いも伝わってくる作品である。
【登場人物の魅力】
主人公は、勝手に人から魔王と呼ばれていただけで平和を望んでいた。誰も殺したくはなかったし、誰も傷つけたくもなかった。そこに現れた勇者は、孤独な彼女を癒した。誰にも産まれて来たからには生きる権利があるはず。何もしていない彼女から、勝手に恐怖を感じ命を奪う権利は誰にもなかったはずだ。この主人公は、自分の心を癒した勇者と平和で穏やかな日々を願った。それを貫いていた。それが奪われた時、きっと彼女は誰よりも人間らしい感情で、悲しみを払おうとしたに違いない。だが、その行動に意味がないことも気づいている。彼女の真の強さは、なんだろうかと考えさせられる。
【物語を通して】
あなたはこの物語を読んで、何を思うだろうか?
魔王と勇者の物語と感じるだろうか?それとも、社会問題を思わせる物語と受け取るだろうか?人によって感じ方は違うものの、強いメッセージ性を感じるに違いない。
どうすれば結末を変えられたのだろうか?
そんなことを考えてしまう物語です。とても心が揺さぶられる作品だと思いました。是非あなたも、お手に取られてみてくださいね。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
【投資初心者】20代OLがどうにか資産運用で稼ぎたい奮闘備忘録
カニ蒲鉾
エッセイ・ノンフィクション
大学卒業後、新卒で一般企業に入社、
2年目くらいで奨学金を一括返済、
パンデミックを経て貯金に目覚め、
紆余曲折を経てポイ活やNISA、株主優待など色んなものに手を出してみた20代後半OLの奮闘備忘録
ほぼ日記のように、どこどこの株がぁ〜あ〜と、ギャーギャー言ってます。
最近はマンションを契約したので住宅ローンや金利の事でも自分で調べて新たに知ったことがあるとギャーギャー言ってます。
あたたかいアドバイス頂けますとありがたいです。お気軽にコメントください。
株ガチ勢では無い知識の少ない初心者なのでなにとぞ温かい目で見守ってあげてください。
天空からのメッセージ vol.77 ~魂の旅路~
天空の愛
エッセイ・ノンフィクション
そのために、シナリオを描き
そのために、親を選び
そのために、命をいただき
そのために、助けられて
そのために、生かされ
そのために、すべてに感謝し
そのためを、全うする
そのためは、すべて内側にある
2017.12〜 ★ 死の連鎖の謎 [2023年12月31日完結]
鏡子 (きょうこ)
エッセイ・ノンフィクション
世界史、実話を元に書いています。
Wikipedia等の公のサイトからの転写は、ご了承下さい。
その際(転写する場合)は、
「○○○より転写します」
と、転載元を書きます。
個人的なサイトからはなるべく転載を避けますが、何か情報を転載する際は、URLを貼り付けるなどして、その方の著作権を守ります。
1519年に、神聖ローマ帝国選挙がありました。
その選挙前、僅か数ヶ月の間に、名のある有力な人物たちが、命を落としているのが実に不可解です。
1516年の、王の称号を持つ人たちの死も気になります。
●権力ある人たちは、何故、政略結婚後に命を落とす人が多いのでしょうか?
●権力ある人たちは、何故、誕生月に亡くなる方が多いのでしょうか?
歴史的に名のある人物の、様々な
「死の真相」に迫ります。
天空からのメッセージ vol.80 ~魂の旅路~
天空の愛
エッセイ・ノンフィクション
そのために、シナリオを描き
そのために、親を選び
そのために、命をいただき
そのために、助けられて
そのために、生かされ
そのために、すべてに感謝し
そのためを、全うする
そのためは、すべて内側にある
ジンクス【ZINKUSU】 ―エンジン エピソードゼロ―
鬼霧宗作
ミステリー
本作品は縁仁【ENZIN】―捜査一課 対異常犯罪交渉係―の続編にあたります。本作からでもお楽しみいただけますが、前作を先にお読みいただいたほうがなおお楽しみいただけるかと思います。
※不定期休載 基本的に毎日更新しますが、週に1日から2日ほどお休みをいただくことがあります。
平成。
今や過ぎ去りし過去となる時代。
累計で99人を殺害したとされる男。
名は坂田仁(さかたじん)。
これは、彼の若かりし時代に起きた、とある事件の話。
縁仁【ENZIN】―捜査一課 対異常犯罪交渉係―より10年以上の時を経て、ようやく続編開始。
【第一話 コレクター】《連載中》
全ての始まりは、彼が若き頃につるんでいた不良グループのメンバーが、変死体で見つかるという事件が起きたことだった。
特に殺害されたメンバーの第一発見者となった坂田は、その普段からの素行のせいで、警察や仲間内から犯人ではないかと疑いをかけられ、確証もないままに仲間内から制裁を受けることになってしまう。
そこに身を挺して助けに入ったのが、以前よりの悪友である楠野鐘(くすのしょう)だった。
坂田と楠野は、かつての仲間達をかわしつつ、坂田の身の潔白を証明するために犯人を探し始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる