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4:幸せの形を探して
5 新しい三人の形
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****side■理人
「いいな、優紀も裕也も俺のものだ」
理人は自分よりもずっと背の高い二人を交互に見つめ、そう宣言した。
「理人、人を指さしてはダメだ」
と裕也。
「裕也の言うとおりだよ」
と優紀。
だが理人は腰に手をあてたまま、それがどうしたという態度で二人を見つめていた。
「異論はないよ。俺もよく考えたが」
裕也はそういうと、近くの椅子に腰かける。
「優紀は?」
どうせ力ずくでねじ伏せるつもりでいるのに、理人は一応優紀の意向を聞こうと思った。
「あ、ああ。俺も特には」
先ほどまで、この腕の中で善がって啼いていた優紀。その見た目から、ホストっぽいなどと言われ、女子学生に言い寄られることも多い。
そんな彼が大きく足を開き、その奥に理人を受け入れていたのだ。
理人にとっては最高の眺め。自分よりも体格のいい男を組み伏せる。それは支配欲を満たすには十分すぎた。
「なら、何の問題もないな。俺は寝る」
以前から二人がこのマンションに泊りに来ることはよくあった。理人の自室の他に客間が二つある。いつも好きに使えと言っているので、今更何か言う必要もないだろう。
そう思い、踵を返そうとすると、
「なあ、理人」
と普段は無口であまり話そうとしない裕也が口を開く。
「なんだ?」
「その……三人で一緒に暮らさないか?」
幼い時からほとんど一緒にいて、学校だってずっと一緒。なおかつ恋人関係になったというのに、これ以上一緒にいたいというのか?
クレイジーだなと思いつつも、理人は悪くないなと思っていた。
大学からほど近い距離に住んでいる理人は車で移動する時は、どちらかに相乗りすることが多い。三人で移動する時は一旦ここに集合し、どちらかに相乗りをするという非常に効率の悪い集まり方をしている。
理人は合理主義だったため、それは便利になるなくらいに考えていた。
「ならここに住めばいい」
ここは親の保有しているマンション。幼なじみで気心の知れている二人とのルームシェアならば特にうるさく言われることもないだろう。
そもそもそれぞれ一人暮らしをしていたわけだ。家事ができないなんてこともないと思った。
「え? そんなあっさり?」
「どんな賃貸契約しているのか知らんが、引き払ってここに来ればいい。引っ越し作業は……軽トラなら普通免許でいけるんだろ?」
理人は免許を持っていなかったため、おぼろげな知識で二人に問う。家電もベッドもそろっているこの家に引っ越してくるなら、軽トラ程度で十分だろう。
「ああ」
「じゃあ、互いにやるから」
と優紀。
軽トラは二人乗りな為、三人で引越し作業をするのは非効率的。
それならば、ここで待機していて部屋に運び込むことを請け負えば良いだろう。
「じゃあ、それで決まりだな。日取りが決まったら教えてくれ」
二人と性交に及んだ理人の体力は限界だった。
理人は今度こそリビングを出る。二人は引越しの話しをするのでまだ起きていると言う。元気だなと思いつつ、理人は自室へ入るとベッドに突っ伏した。
二人にはあっさりしていると思われたかもしれないが、ずっと三人でいられることは理人にとっても嬉しいこと。裕也はどう思っているか分からないが、優紀もきっとそれを望んでいた。
おかしな態度の理由がそこにあるなら、理解できないでもない。
抱いて抱かれて。二人の愛を身体に感じていた。目が覚めたら夢でないことを祈りながら、理人は静かに目を閉じたのだった。
「いいな、優紀も裕也も俺のものだ」
理人は自分よりもずっと背の高い二人を交互に見つめ、そう宣言した。
「理人、人を指さしてはダメだ」
と裕也。
「裕也の言うとおりだよ」
と優紀。
だが理人は腰に手をあてたまま、それがどうしたという態度で二人を見つめていた。
「異論はないよ。俺もよく考えたが」
裕也はそういうと、近くの椅子に腰かける。
「優紀は?」
どうせ力ずくでねじ伏せるつもりでいるのに、理人は一応優紀の意向を聞こうと思った。
「あ、ああ。俺も特には」
先ほどまで、この腕の中で善がって啼いていた優紀。その見た目から、ホストっぽいなどと言われ、女子学生に言い寄られることも多い。
そんな彼が大きく足を開き、その奥に理人を受け入れていたのだ。
理人にとっては最高の眺め。自分よりも体格のいい男を組み伏せる。それは支配欲を満たすには十分すぎた。
「なら、何の問題もないな。俺は寝る」
以前から二人がこのマンションに泊りに来ることはよくあった。理人の自室の他に客間が二つある。いつも好きに使えと言っているので、今更何か言う必要もないだろう。
そう思い、踵を返そうとすると、
「なあ、理人」
と普段は無口であまり話そうとしない裕也が口を開く。
「なんだ?」
「その……三人で一緒に暮らさないか?」
幼い時からほとんど一緒にいて、学校だってずっと一緒。なおかつ恋人関係になったというのに、これ以上一緒にいたいというのか?
クレイジーだなと思いつつも、理人は悪くないなと思っていた。
大学からほど近い距離に住んでいる理人は車で移動する時は、どちらかに相乗りすることが多い。三人で移動する時は一旦ここに集合し、どちらかに相乗りをするという非常に効率の悪い集まり方をしている。
理人は合理主義だったため、それは便利になるなくらいに考えていた。
「ならここに住めばいい」
ここは親の保有しているマンション。幼なじみで気心の知れている二人とのルームシェアならば特にうるさく言われることもないだろう。
そもそもそれぞれ一人暮らしをしていたわけだ。家事ができないなんてこともないと思った。
「え? そんなあっさり?」
「どんな賃貸契約しているのか知らんが、引き払ってここに来ればいい。引っ越し作業は……軽トラなら普通免許でいけるんだろ?」
理人は免許を持っていなかったため、おぼろげな知識で二人に問う。家電もベッドもそろっているこの家に引っ越してくるなら、軽トラ程度で十分だろう。
「ああ」
「じゃあ、互いにやるから」
と優紀。
軽トラは二人乗りな為、三人で引越し作業をするのは非効率的。
それならば、ここで待機していて部屋に運び込むことを請け負えば良いだろう。
「じゃあ、それで決まりだな。日取りが決まったら教えてくれ」
二人と性交に及んだ理人の体力は限界だった。
理人は今度こそリビングを出る。二人は引越しの話しをするのでまだ起きていると言う。元気だなと思いつつ、理人は自室へ入るとベッドに突っ伏した。
二人にはあっさりしていると思われたかもしれないが、ずっと三人でいられることは理人にとっても嬉しいこと。裕也はどう思っているか分からないが、優紀もきっとそれを望んでいた。
おかしな態度の理由がそこにあるなら、理解できないでもない。
抱いて抱かれて。二人の愛を身体に感じていた。目が覚めたら夢でないことを祈りながら、理人は静かに目を閉じたのだった。
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