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4:幸せの形を探して

3 支配に溺れる夜【R】

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****side■優紀ゆうき

『お前はどうしたいんだ? 優紀』
 理人の部屋に着いた時、出迎えてくれたのは裕也だった。
 理人はシャワールームにいるという。
 自分がそう仕向けたのに、実際そうなってしまうと絶望しかなかった。抜け駆けをしないために自分が選んだ道の前で、真っ暗な未来が大きな口を開けている。
『理人はどっちも欲しいと言う。三人で恋人になろうと』
『え?』
 全てが手遅れだと項垂れる優紀に、想定していなかった言葉がかけられて思考は停止した。

『覚悟を決めろ、優紀』
 裕也が耳元で囁く。
 それは悪魔の囁きだったに違いない。
『お前の初めてを理人に捧げろ』
 ポンっと背中を押され、よろよろとバスルームへ向かう。
 そこは天国の入り口だったのか、それとも地獄の入り口だったのだろうか?


「遅いんだよ。何故すぐに来ない」
「んん……ッ」
 自分よりも小柄で華奢な理人に組み伏せられ、優紀は理性を失った。
「俺のこと、好きなんだろう?」
「すき……あッ……」
 彼の手が優しく尻を撫でる。胸の突起をついばみながら。
 ベッドと言う名の海で、これから自分は快楽の波に溺れるのだと本能的に感じた。一糸まとわぬ姿で、身体の変化を観られながら。

「期待してるんだろ?」
 意地悪く囁く理人。
「ここ。こんなにして」
 優紀自身は既に硬く立ち上がっていて、鈴口を透明な蜜で光らせている。
「覚悟はできたのか? 優紀」
「覚悟……?」
 ロトンとした瞳で理人を見つめれば、
「俺のものになる覚悟だ」
と彼は言う。

 スルリと彼の手が下がり、双丘を割る。
 最奥の蕾に中指が触れ、優紀は真っ赤になった。
「ここに、俺を受け入れるんだ。逃しはしない。覚悟を決めろ」
 覚悟を決めるまでの時間はやるが、NOは受け入れない。そう言っているように聞こえた。そして実際そうなのだろうと思う。
 ゆっくりと唇が肌を辿り、へその脇へ口づけると彼は優紀自身を握りこんだ。
「どんなに抗おうとも、運命は変わらない。優紀、お前は俺のものだ」

 理人は自分にとって、小さいころからヒーローだった。
 彼のいない人生なんて考えられないし、これからもそれは変わらないだろう。

「んん……あッ」
 理人がリズミカルに優紀自身を扱きあげなら舌を這わす。
 鈴口を吸い上げられ、あまりの気持ちよさに自分の指を噛む。
「俺は……ッ」
 
──ずっと、理人のものだ。

 ぐいっと優紀の足を大きく広げ、
「良い眺めだよ、優紀」
と悪戯っぽく彼が笑う。
 けれど彼は妖艶で心が蕩けそうになった。
「早く優紀のここ。俺のものにしたいよ」
 自分は小柄で華奢な彼の、まるで魔王のように気高い立ち居振る舞いが好きなのだ。そのギャップが欲情を煽る。
「理人……ッ」
 蕾に舌を這わせられ、優紀は胸を仰け反らせた。
 そこには、彼に支配されたいと願う自分がいたのだった。
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