20 / 29
4:幸せの形を探して
1 これは愛情だと言い聞かせて【R】
しおりを挟む
****side■裕也
俺の腕の中で。
俺のことだけ感じている君を。
これは劣情ではない、愛情なのだと自分に言い聞かせる。
だがそんなこと、無駄なことも分かっている。
確かに色づく君に、今俺は欲情し自分自身を穿っているのだから。
内股を両手で押さえつけ、大きく開かれた彼の下肢に目をやると、彼自身がびくびくとしていた。触れて扱きあげれば、直ぐに鈴口から何度目かわからない熱を放つだろう。
「ああ……ッ」
自分も彼も、おかしなほど貪欲に互いを求めていた。
片手をずらし、彼の睾丸をゆっくりと下から上へと撫であげる。収縮し、手になじんだそれを優しく手のひらで撫でまわせば、理人はぎゅっとシーツを握り締める。絶頂が近いのだろう。
「裕也……ッ」
彼自身に指を絡め、鈴口の透明な粘液にそっと触れる。指を離せば細く糸を引き、官能的に見えた。
熱いため息をつき、裕也は理人自身を根元から強く扱きあげる。自分はずっとこうしたかったのだ。飽くほどに彼を抱き、欲望を注ぎ込む。まるで快楽の海に落ちていくように、自分を見失う彼を何度も現実に呼び戻し、愛という名の刻印を刻む。
その口づけは甘く、囁きは甘美だ。
「あ……ああ……」
耐えきれなくなった彼が再び鈴口から熱い愛液を放つ。
裕也はそれを満足げに見つめると、一際強く深く彼の奥に自分自身を穿った。
──最高だな……。
「さすがに、疲れた」
ぐったりとベッドにうつぶせになる理人。
「裕也は、体力お化けだな」
こちらを眺めながらクスッと笑った彼が、だらりと腕を伸ばし裕也の太ももを軽く叩く。
裕也はそんな彼の背中に片手を伸ばし、マッサージしてやる。だいぶ無理させたな、と思いながら。
「何か飲むか?」
「ん……」
マッサージが気持ちいいのか、目を閉じた理人はウトウトし始めている。軽く体を拭いたとはいえ、情事によってもたらされた汚れは気持ちの良いものではない。
裕也はベッドから降りると、チラリと静かに音楽の流れるスピーカーに目を向けたが、止めることなく部屋を後にした。
廊下に出るとキッチンよりも先にバスルームに向かう。
理人のマンションはあまりものがなく、とても片付いていた。彼が綺麗好きなことは知ってはいたが、一人暮らしをするには広いマンション。これを常に維持しているのかと思うと、頭が下がる思いだ。
確か理人の家は代々土地持ちで、元々は土地を人に貸して資産を増やしていたが、近年はマンションを建てそこを人に貸すようになったとか。
このマンションのその中の一つ。少子化の影響なのか、それとも時代の流れに沿ったのかは分からないが。
自分たちの通うK学園は、親を経営者に持ったり、元々資産家だったりと裕福な家庭が多い。しかしながらもちろん転落してしまう家庭もある。
K学園はとても変わった学園で、そういった者向けの奨学金制度を独自に取り入れていた。親の失敗のために学業を諦め、安月給で借金を返済することは難しい。だからきちんと卒業させ、就職させる。それがK学園の方針。
子供が親の負債を背負う必要はないとも考えている。
K学園の学長はその血筋に、有名なセレブであり大崎グループという巨大な会社のトップである父を持つ。
K学園に通う親の会社が倒産した時など、その会社の社員をグループ系列の会社の社員として受け入れをした過去も持っていた。
大崎グループ会長は”人と人の助け合いこそが世の中の発展のカギ”だと信じてやまない人だった。困っている人がいれば迷わず手を差し伸べる。
その精神は、我が学園の学長へと脈々と受け継がれていた。恐らくそれは、K学園の生徒たちへと影響を及ぼしているに違いない。
バスタブに湯が張られていることを確認した裕也は、キッチンへ向かったのだった。
俺の腕の中で。
俺のことだけ感じている君を。
これは劣情ではない、愛情なのだと自分に言い聞かせる。
だがそんなこと、無駄なことも分かっている。
確かに色づく君に、今俺は欲情し自分自身を穿っているのだから。
内股を両手で押さえつけ、大きく開かれた彼の下肢に目をやると、彼自身がびくびくとしていた。触れて扱きあげれば、直ぐに鈴口から何度目かわからない熱を放つだろう。
「ああ……ッ」
自分も彼も、おかしなほど貪欲に互いを求めていた。
片手をずらし、彼の睾丸をゆっくりと下から上へと撫であげる。収縮し、手になじんだそれを優しく手のひらで撫でまわせば、理人はぎゅっとシーツを握り締める。絶頂が近いのだろう。
「裕也……ッ」
彼自身に指を絡め、鈴口の透明な粘液にそっと触れる。指を離せば細く糸を引き、官能的に見えた。
熱いため息をつき、裕也は理人自身を根元から強く扱きあげる。自分はずっとこうしたかったのだ。飽くほどに彼を抱き、欲望を注ぎ込む。まるで快楽の海に落ちていくように、自分を見失う彼を何度も現実に呼び戻し、愛という名の刻印を刻む。
その口づけは甘く、囁きは甘美だ。
「あ……ああ……」
耐えきれなくなった彼が再び鈴口から熱い愛液を放つ。
裕也はそれを満足げに見つめると、一際強く深く彼の奥に自分自身を穿った。
──最高だな……。
「さすがに、疲れた」
ぐったりとベッドにうつぶせになる理人。
「裕也は、体力お化けだな」
こちらを眺めながらクスッと笑った彼が、だらりと腕を伸ばし裕也の太ももを軽く叩く。
裕也はそんな彼の背中に片手を伸ばし、マッサージしてやる。だいぶ無理させたな、と思いながら。
「何か飲むか?」
「ん……」
マッサージが気持ちいいのか、目を閉じた理人はウトウトし始めている。軽く体を拭いたとはいえ、情事によってもたらされた汚れは気持ちの良いものではない。
裕也はベッドから降りると、チラリと静かに音楽の流れるスピーカーに目を向けたが、止めることなく部屋を後にした。
廊下に出るとキッチンよりも先にバスルームに向かう。
理人のマンションはあまりものがなく、とても片付いていた。彼が綺麗好きなことは知ってはいたが、一人暮らしをするには広いマンション。これを常に維持しているのかと思うと、頭が下がる思いだ。
確か理人の家は代々土地持ちで、元々は土地を人に貸して資産を増やしていたが、近年はマンションを建てそこを人に貸すようになったとか。
このマンションのその中の一つ。少子化の影響なのか、それとも時代の流れに沿ったのかは分からないが。
自分たちの通うK学園は、親を経営者に持ったり、元々資産家だったりと裕福な家庭が多い。しかしながらもちろん転落してしまう家庭もある。
K学園はとても変わった学園で、そういった者向けの奨学金制度を独自に取り入れていた。親の失敗のために学業を諦め、安月給で借金を返済することは難しい。だからきちんと卒業させ、就職させる。それがK学園の方針。
子供が親の負債を背負う必要はないとも考えている。
K学園の学長はその血筋に、有名なセレブであり大崎グループという巨大な会社のトップである父を持つ。
K学園に通う親の会社が倒産した時など、その会社の社員をグループ系列の会社の社員として受け入れをした過去も持っていた。
大崎グループ会長は”人と人の助け合いこそが世の中の発展のカギ”だと信じてやまない人だった。困っている人がいれば迷わず手を差し伸べる。
その精神は、我が学園の学長へと脈々と受け継がれていた。恐らくそれは、K学園の生徒たちへと影響を及ぼしているに違いない。
バスタブに湯が張られていることを確認した裕也は、キッチンへ向かったのだった。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる