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8──このまま堕ちて行けたら【実弟】
3 母と姉と自分の想い【微R】
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『あなたにばかり負担をかけてしまって、ごめんなさい』
母は済まなそうにそういった。
阿貴の本家での扱いがこうなった要因だというなら、我が雛本家はただの被害者でしかないと思う。
母の実兄が不倫をし阿貴を作ったのは母のせいじゃない。
見かねて阿貴をうちで引き取ったのは母の決断ではあった。しかし家族会議はしたし、独断ではなかったはずだ。
結果、想定外なことになってしまったとしても母だけが悪いわけじゃない。
確かに一連のことで一番負担が大きいのは優人かも知れないが。
『いいよ。阿貴にたっぷりお返ししてもらうから』
優人は両手をパーカーのポケットに入れたまま母の方に面を向けると、苦笑いをした。
もっとマシな未来はあったかもしれない。
けれど自分はまだ子供だ、無力だと諦めてしまったのは紛れもなく自分。
必死になれば父も母も姉ももっと力を貸してくれたかもしれないのに。
『わたしたち家族は世界中が敵になっても、優人とお兄ちゃんの味方だから』
姉はそう言った。
兄和宏は、姉にとっては初恋の相手。
『血の繋がった兄妹でどうになるわけもないことくらい分かっているのよ?』
姉は初恋の相手が兄であることが優人にバレた時、そう言って笑った。
なら兄弟と何が違うというのだろう?
『男女と同性同士はやはり違うものだと思うわ』
姉は確かに兄のことが好きだったのだろうとは思う。
特別なことと言えば、姉が『アセクシャル』なことだろう。
自分もそうだが兄は姉に『性的な目』を向けることがない。姉にとって安心できる異性とは家族以外にいないのかもしれないとも思う。
そんな姉が最近、優人の友人の平田と仲良くしているのを見かけるようになった。
──平田なら……。
平田彰浩は優人がK学園の大学部に入ってからできた友人だ。K学園は幼稚園から大学院まであるマンモス校で、経営者の子息子女などの多く通ういわゆるセレブ学園。
幼稚園から在籍する学生を内部生、中途から入学した生徒を外部生と呼ぶ。
優人は初等科からの外部生。平田は高等部からの外部生らしい。分校が多数あり同じ校舎に通っていたかは定かではない。仮に同じ校舎に通っていたとしてもクラス数が多く、記憶にない方が自然だろう。
平田とは大学部に入り割と早い段階で気が合い一緒に行動するようになった。そのあと実家から距離が遠いという話を聞きルームシェアをすることにしたのだ。
優人たちが通う大学部の校舎は最寄り駅から近い。
高等部の校舎はキャンパスとは駅が反対側の出口となる。
──高等部の時も電車通学だったのかもしれない。
バイトのことも考えれば、同駅圏内でルームシェアをした方が楽だったに違いない。
平田はパンセクシャルだ。
優人は以前、彼につきあわないか? と言われたことがある。
その彼が姉と交際をしているところを想像して複雑な気持ちになった。
──反対はしないけれど、いずれ家族になることを考えると複雑だな。
まだお付き合いしていると決まったわけでもないのに、そんなことを思う。
『母さん、俺は大丈夫』
末っ子の自分は父母にも兄姉にも愛されてきた。
甘やかされてばかりとは思ってはいないが。
あのころとは違う。兄がいなくなって絶望していた、あの頃とは。
手の届く場所に愛しい兄がいる。
呼べば抱きしめてくれる温もりがそこにある。
「優人……ッ」
切羽詰まった声で兄に名を呼ばれ、意識が現実に引き戻された。
「も……挿れてほし……」
優人は和宏の言葉にゆっくりと瞬きを一つすると、優しく微笑む。
彼の最奥の蕾から中指を引き抜くと、避妊具の上から自分自身にジェルを塗り込め彼の蕾に優人自身を押し当てた。
「んん……あああッ」
優人に両股を広げられ、快感に胸を逸らす和宏。
自身が中に吸い込まれるの感じながら身を倒すと、優人は彼に覆いかぶさりその唇に自身の唇を押し当てたのだった。
母は済まなそうにそういった。
阿貴の本家での扱いがこうなった要因だというなら、我が雛本家はただの被害者でしかないと思う。
母の実兄が不倫をし阿貴を作ったのは母のせいじゃない。
見かねて阿貴をうちで引き取ったのは母の決断ではあった。しかし家族会議はしたし、独断ではなかったはずだ。
結果、想定外なことになってしまったとしても母だけが悪いわけじゃない。
確かに一連のことで一番負担が大きいのは優人かも知れないが。
『いいよ。阿貴にたっぷりお返ししてもらうから』
優人は両手をパーカーのポケットに入れたまま母の方に面を向けると、苦笑いをした。
もっとマシな未来はあったかもしれない。
けれど自分はまだ子供だ、無力だと諦めてしまったのは紛れもなく自分。
必死になれば父も母も姉ももっと力を貸してくれたかもしれないのに。
『わたしたち家族は世界中が敵になっても、優人とお兄ちゃんの味方だから』
姉はそう言った。
兄和宏は、姉にとっては初恋の相手。
『血の繋がった兄妹でどうになるわけもないことくらい分かっているのよ?』
姉は初恋の相手が兄であることが優人にバレた時、そう言って笑った。
なら兄弟と何が違うというのだろう?
『男女と同性同士はやはり違うものだと思うわ』
姉は確かに兄のことが好きだったのだろうとは思う。
特別なことと言えば、姉が『アセクシャル』なことだろう。
自分もそうだが兄は姉に『性的な目』を向けることがない。姉にとって安心できる異性とは家族以外にいないのかもしれないとも思う。
そんな姉が最近、優人の友人の平田と仲良くしているのを見かけるようになった。
──平田なら……。
平田彰浩は優人がK学園の大学部に入ってからできた友人だ。K学園は幼稚園から大学院まであるマンモス校で、経営者の子息子女などの多く通ういわゆるセレブ学園。
幼稚園から在籍する学生を内部生、中途から入学した生徒を外部生と呼ぶ。
優人は初等科からの外部生。平田は高等部からの外部生らしい。分校が多数あり同じ校舎に通っていたかは定かではない。仮に同じ校舎に通っていたとしてもクラス数が多く、記憶にない方が自然だろう。
平田とは大学部に入り割と早い段階で気が合い一緒に行動するようになった。そのあと実家から距離が遠いという話を聞きルームシェアをすることにしたのだ。
優人たちが通う大学部の校舎は最寄り駅から近い。
高等部の校舎はキャンパスとは駅が反対側の出口となる。
──高等部の時も電車通学だったのかもしれない。
バイトのことも考えれば、同駅圏内でルームシェアをした方が楽だったに違いない。
平田はパンセクシャルだ。
優人は以前、彼につきあわないか? と言われたことがある。
その彼が姉と交際をしているところを想像して複雑な気持ちになった。
──反対はしないけれど、いずれ家族になることを考えると複雑だな。
まだお付き合いしていると決まったわけでもないのに、そんなことを思う。
『母さん、俺は大丈夫』
末っ子の自分は父母にも兄姉にも愛されてきた。
甘やかされてばかりとは思ってはいないが。
あのころとは違う。兄がいなくなって絶望していた、あの頃とは。
手の届く場所に愛しい兄がいる。
呼べば抱きしめてくれる温もりがそこにある。
「優人……ッ」
切羽詰まった声で兄に名を呼ばれ、意識が現実に引き戻された。
「も……挿れてほし……」
優人は和宏の言葉にゆっくりと瞬きを一つすると、優しく微笑む。
彼の最奥の蕾から中指を引き抜くと、避妊具の上から自分自身にジェルを塗り込め彼の蕾に優人自身を押し当てた。
「んん……あああッ」
優人に両股を広げられ、快感に胸を逸らす和宏。
自身が中に吸い込まれるの感じながら身を倒すと、優人は彼に覆いかぶさりその唇に自身の唇を押し当てたのだった。
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