15 / 114
3──三年間の苦しみと今【兄】
3 気が振れるほどに【R】
しおりを挟む
「先っちょが入ればなんとかなるから、力抜いていて」
優人はそんなことを言う。
「したこと、あるのかよ」
涙目で睨みつける和宏に彼が呆れたようにため息をつき、
「ない」
と答える。
「よく聞いて、兄さん」
少し怒った表情。
和宏はほっとしたと同時に、びくりと肩を揺らす。
和宏の心臓あたりに指を突き立てると、
「確かに俺には彼女はいた。でも、無責任なことはしない」
──簡単につきあうくせに。
知ってるんだぞと言うようにじっと優人をにらみつけていると、
「ヤキモチは嬉しい。けど、そんな顔しないでよ」
と言って和宏にキスを落とす。
優しくて甘いキス。
「キスだって初めなのに」
と彼。
その言葉に和宏の体温は上がる。ドキリとした。
意外過ぎて、
「え? ……そうなの?」
と思わず問う。
「俺をなんだと思ってるんだよ」
まあいいけどと言って、彼は和宏の内腿を撫でた。
「だって、上手いし」
と和宏が恨み言を言うと、
「はあ?」
誰と比べてんの? と呟いて、彼は和宏の両股を大きく開く。
「もう、誰とも比べないように俺でいっぱいにしてあげるから」
「あッ……」
ピトっと蕾に彼自身があてがわれたのが分かり、更に心拍数があがっていく。
「よく慣らしたから痛くないと思うけれど」
と、ぐいっと彼が腰を進めた。
「ああ……ッ」
蕾が彼自身によって押し開かれていく。
「やあ……ッ……優人っ」
「ダメ、止めない」
彼は和宏の両股を押さえ、抵抗を封じた。
「そんな顔して、いやじゃないでしょ?」
自分がどんな顔をしているのか分からないが、こちらを見る優人が興奮しているのはわかる。
「凄く、ヤラシイ顔してる。そんなに煽っておいて、今更ダメとか言わないでよ」
「はあ……ッ」
「ほら、兄さんの先っちょもこんなに濡れて」
彼が和宏自身を握込み、じっと鈴口を見つめる。
頭がおかしくなりそうだ。
──『鉄壁の理性』……か。
「ほら、全部入った」
彼は身を捩る和宏を抑えつけ、深く腰を押し進めるとそう言って満足気に微笑む。
「中びくびくしてるの、分かる? 俺のこと締め付けてる。気持ちよくてたまらないんでしょう?」
彼の手は和宏自身を握り込み上下していたが、
「可愛い。イキきたいんでしょ?」
と和宏の睾丸を優しく撫でまわす。
「優人」
「うん?」
意地悪気にこちらを見下ろす端正な顔立ち。
「優人はその……自慰とかすんの?」
和宏の問いに彼が驚いた顔をした。
そして、
「するように見える?」
と逆に問われる。
彼は和宏に覆いかぶさると、首筋に唇を寄せながらゆっくりと腰を引いていく。
「あ……あああッ」
気持ち良すぎてどうにかなってしまいそうだ。
「凄い締め付け。食べられちゃいそう」
冗談を言う優人は余裕そうにみえてくやしい。
「好きだ」
「うん。俺も好きだよ、兄さん」
──俺で感じて。
気が変になりそうなくらい求められたい。
「んッ……すきっ」
彼が腰を引くたび、快感の波が押し寄せる。
「達っていいよ。何度でも」
「ああッ」
何度も達かされベッドでぐったりしていると、キッチンへ飲み物を取りに行っていた優人が戻ってきて傍らに腰かけた。
軋むベッド。
和宏は思わず彼の腰に腕を伸ばす。
「どうしたの? ここに居るよ」
と彼。
「俺の中、良かった?」
こんなことを聞いてしまうのは、彼にとって自分が特別でありたいからだ。
「うん、凄く」
と優人。
それだけで心が満たされていくような気がした。
だが何も問題は解決していないのだ。それが現実。
「これからどうしよっか」
と彼。
「阿貴のことはあの人に任せて大丈夫だと思うけれど。しばらくここで俺たちと暮らす?」
そうだ。あの彼がどう動くか分かっていない。
阿貴のところへ戻れば今までと何ら変わりはなくなってしまう。
少し様子を見るべきだと優人も言う。
「そうだね。そうさせてもらうよ。それに……」
優人の傍に居たいといえば、彼は優しく微笑んだのだった。
優人はそんなことを言う。
「したこと、あるのかよ」
涙目で睨みつける和宏に彼が呆れたようにため息をつき、
「ない」
と答える。
「よく聞いて、兄さん」
少し怒った表情。
和宏はほっとしたと同時に、びくりと肩を揺らす。
和宏の心臓あたりに指を突き立てると、
「確かに俺には彼女はいた。でも、無責任なことはしない」
──簡単につきあうくせに。
知ってるんだぞと言うようにじっと優人をにらみつけていると、
「ヤキモチは嬉しい。けど、そんな顔しないでよ」
と言って和宏にキスを落とす。
優しくて甘いキス。
「キスだって初めなのに」
と彼。
その言葉に和宏の体温は上がる。ドキリとした。
意外過ぎて、
「え? ……そうなの?」
と思わず問う。
「俺をなんだと思ってるんだよ」
まあいいけどと言って、彼は和宏の内腿を撫でた。
「だって、上手いし」
と和宏が恨み言を言うと、
「はあ?」
誰と比べてんの? と呟いて、彼は和宏の両股を大きく開く。
「もう、誰とも比べないように俺でいっぱいにしてあげるから」
「あッ……」
ピトっと蕾に彼自身があてがわれたのが分かり、更に心拍数があがっていく。
「よく慣らしたから痛くないと思うけれど」
と、ぐいっと彼が腰を進めた。
「ああ……ッ」
蕾が彼自身によって押し開かれていく。
「やあ……ッ……優人っ」
「ダメ、止めない」
彼は和宏の両股を押さえ、抵抗を封じた。
「そんな顔して、いやじゃないでしょ?」
自分がどんな顔をしているのか分からないが、こちらを見る優人が興奮しているのはわかる。
「凄く、ヤラシイ顔してる。そんなに煽っておいて、今更ダメとか言わないでよ」
「はあ……ッ」
「ほら、兄さんの先っちょもこんなに濡れて」
彼が和宏自身を握込み、じっと鈴口を見つめる。
頭がおかしくなりそうだ。
──『鉄壁の理性』……か。
「ほら、全部入った」
彼は身を捩る和宏を抑えつけ、深く腰を押し進めるとそう言って満足気に微笑む。
「中びくびくしてるの、分かる? 俺のこと締め付けてる。気持ちよくてたまらないんでしょう?」
彼の手は和宏自身を握り込み上下していたが、
「可愛い。イキきたいんでしょ?」
と和宏の睾丸を優しく撫でまわす。
「優人」
「うん?」
意地悪気にこちらを見下ろす端正な顔立ち。
「優人はその……自慰とかすんの?」
和宏の問いに彼が驚いた顔をした。
そして、
「するように見える?」
と逆に問われる。
彼は和宏に覆いかぶさると、首筋に唇を寄せながらゆっくりと腰を引いていく。
「あ……あああッ」
気持ち良すぎてどうにかなってしまいそうだ。
「凄い締め付け。食べられちゃいそう」
冗談を言う優人は余裕そうにみえてくやしい。
「好きだ」
「うん。俺も好きだよ、兄さん」
──俺で感じて。
気が変になりそうなくらい求められたい。
「んッ……すきっ」
彼が腰を引くたび、快感の波が押し寄せる。
「達っていいよ。何度でも」
「ああッ」
何度も達かされベッドでぐったりしていると、キッチンへ飲み物を取りに行っていた優人が戻ってきて傍らに腰かけた。
軋むベッド。
和宏は思わず彼の腰に腕を伸ばす。
「どうしたの? ここに居るよ」
と彼。
「俺の中、良かった?」
こんなことを聞いてしまうのは、彼にとって自分が特別でありたいからだ。
「うん、凄く」
と優人。
それだけで心が満たされていくような気がした。
だが何も問題は解決していないのだ。それが現実。
「これからどうしよっか」
と彼。
「阿貴のことはあの人に任せて大丈夫だと思うけれど。しばらくここで俺たちと暮らす?」
そうだ。あの彼がどう動くか分かっていない。
阿貴のところへ戻れば今までと何ら変わりはなくなってしまう。
少し様子を見るべきだと優人も言う。
「そうだね。そうさせてもらうよ。それに……」
優人の傍に居たいといえば、彼は優しく微笑んだのだった。
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
愛されSubは尽くしたい
リミル
BL
【Dom/Subユニバース】
玩具メーカーの取締役開発部長Dom(37)×元子役の大学生Sub(20)
かつて天才子役として名を馳せていた天使 汐は、収録中にSub drop(サブドロップ)に陥り、生死の境をさまよう。
不安定になっていた汐を救ったのは、スーツ姿の男だった。
素性や名前も知らない。でも、優しく撫でて「いい子」だと言ってくれた記憶は残っている。
父親の紹介で、自身の欲求を満たしてくれるDomを頼るものの、誰も彼も汐をひたすらに甘やかしてくる。こんなにも尽くしたい気持ちがあるのに。
ある夜、通っているサロンで不正にCommand(コマンド)を使われ、心身ともにダメージを負った汐を助けたのは、年上の男だ。
それは偶然にも15年前、瀕死の汐を救った相手──深見 誠吾だった。
運命的な出会いに、「恋人にもパートナーにもなって欲しい」と求めるも、深見にきっぱりと断られてしまい──!?
一筋縄ではいかない17才差の、再会から始まるラブ!
Illust » 41x様
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる