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リーマン物語2
────プロローグ
しおりを挟む人生は長い。お袋が亡くなって、色欲に狂った親父が再婚した。そう、人生は長いのだ、一人が嫌だと言うならば再婚もまた一つの選択肢。だが…。
塩田(シンデレラ)は、自室の椅子にふんぞり返り、継母を見上げた。でっぷりと腹の出たバーコード頭を。世は同性婚可能な時代、相手が女だろうが男だろうが構わないが、何故こんな塩豚と再婚したんだ?とうとう、目もイカレたか、眼科に行くべきだ。そんなことを思っていると、
「シンデレラ、私の靴を磨いて置きなさい」
と、塩豚(部長)…もとい、継母。
「断る!」
「なんですって⁈私に逆らうの?」
真面目に台本通りの継母に対し、
「豚に靴は必要ない、貴様に必要なのは髪だ」
と返す塩田。
「塩田ちゃんひどおおおおい!」
継母はハンカチを噛みしめた。
そこへ長女(課長)がまるごと〇ナナを咥えながらやってくる、手にコーヒーカップを持って、
「塩田、まるごとバナナ買ってきて」
と、若干台本と違うセリフを投げかけた。塩田は仕方なく、そちらに目を向ける。
「何本食えば気が済むんだ、自分で買ってこい」
と、塩田。長女は肩を竦めると、
「しょうがないな、散歩がてらに行ってくるか」
とコーヒーカップをテーブルに置いて踵を返す。その背中に向かい、
「エコバッグ忘れるなよ」
と、塩田。長女は”はいな”と言って片手をあげた。
「塩田ああああああああ」
そこへ、次女(電車)が入れ違いにやってくる。
「なんだ、やかましい」
「どうしよー!ここも、ここも、ここも間違ってるって!このままじゃ残業になっちゃう」
「自分で…。しょうがないな手伝ってやるよ」
「ありがとー!塩田大好きッ」
何故か、二女には甘いシンデレラであった。
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