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━3章【正反対の二人】━
0.5・生徒会選挙戦
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****♡Side・鶴城
生徒会、会長選は鶴城の圧勝だった。附属幼稚園からの内部生ばかりが立候補する中、中途入学者こと外部生からの立候補者は鶴城のみ。裏掲示板のアンケートで既に、結果は見えていたも同然だが、いざこうなってみると感慨深い。応援演説には、K学園に闇ルールを作った大里 聖本人が参戦しており、生徒の注目を集めた。応援演説の中で、彼は闇ルールを作った経緯、なくせない理由などを皆に話した。
『ルールを無くすのは容易い。しかし、無くした途端また、久隆がイジメに合うかもしれないと思うと、無くせない。どうか、皆でイジメのない学園にしていこう。俺に、ルールを撤廃する勇気を与えて欲しい』
と彼は訴えた。大里の演説に、涙する人は多数いて、自分たちのせいでこのルールがなくならないのだと、認識を新たにしたようだ。ルールを無くしたいと思っているのが、何よりもルールを作った本人。それは生徒の心に強く響いた。その結果が、鶴城の圧勝なのだろう。選挙の結果を発表されたとき立候補した者からも、多大な拍手があがる。誰も望んでいないのだ、縛り付けられることなんて。望んでいるのは、楽しい学園生活。友と心から笑いあえる日々。
これからは、自分たちの手で、一人一人が抑止力となっていかなければならない。生徒会や、風紀委員がこれまでイジメの撲滅に力を注いできたが、新たな風は学園を変えていくことだろう。
「選挙の後は学園祭か」
と、美崎。
「忙しくなるな」
K学園では部活動やサークル活動が盛んであり、部や科のほうでの出し物が主体となる。よってクラスの出し物というものはなく、部活やサークルに参加していない生徒は個人参加も可能だ。グループを作って屋台を出すものもいれば、部活やサークルに手伝いを依頼されるものもいる。この時期は個人間のもめごとが多くなるため、風紀委員会はてんてこ舞いだ。
「俺たちも当日は誘われてるんだろ?」
と、鶴城。
「バンド演奏なんて久しぶりだな」
と、美崎。
「去年は楽しかったな。大崎先輩たちがいて」
「なんか、喧嘩してたけどな」
K学園高等部は学区違いで数校ある。自分たちが通うのが第一校。一番近い学区違いが第二校。そこに大崎 圭一の親戚が通っているのだが、とても仲が悪いようで、昨年の学園祭では二人が何やら揉めていた。しかし、その揉め方がコントのようで、人々の注目を集めていたことを思い出す。
「先輩たち来るかな」
と、美崎。
彼らは歌が上手い為、飛び入り参加をしてくれたら学園祭も盛り上がるのにな、などと鶴城は思っていたのだった。
生徒会、会長選は鶴城の圧勝だった。附属幼稚園からの内部生ばかりが立候補する中、中途入学者こと外部生からの立候補者は鶴城のみ。裏掲示板のアンケートで既に、結果は見えていたも同然だが、いざこうなってみると感慨深い。応援演説には、K学園に闇ルールを作った大里 聖本人が参戦しており、生徒の注目を集めた。応援演説の中で、彼は闇ルールを作った経緯、なくせない理由などを皆に話した。
『ルールを無くすのは容易い。しかし、無くした途端また、久隆がイジメに合うかもしれないと思うと、無くせない。どうか、皆でイジメのない学園にしていこう。俺に、ルールを撤廃する勇気を与えて欲しい』
と彼は訴えた。大里の演説に、涙する人は多数いて、自分たちのせいでこのルールがなくならないのだと、認識を新たにしたようだ。ルールを無くしたいと思っているのが、何よりもルールを作った本人。それは生徒の心に強く響いた。その結果が、鶴城の圧勝なのだろう。選挙の結果を発表されたとき立候補した者からも、多大な拍手があがる。誰も望んでいないのだ、縛り付けられることなんて。望んでいるのは、楽しい学園生活。友と心から笑いあえる日々。
これからは、自分たちの手で、一人一人が抑止力となっていかなければならない。生徒会や、風紀委員がこれまでイジメの撲滅に力を注いできたが、新たな風は学園を変えていくことだろう。
「選挙の後は学園祭か」
と、美崎。
「忙しくなるな」
K学園では部活動やサークル活動が盛んであり、部や科のほうでの出し物が主体となる。よってクラスの出し物というものはなく、部活やサークルに参加していない生徒は個人参加も可能だ。グループを作って屋台を出すものもいれば、部活やサークルに手伝いを依頼されるものもいる。この時期は個人間のもめごとが多くなるため、風紀委員会はてんてこ舞いだ。
「俺たちも当日は誘われてるんだろ?」
と、鶴城。
「バンド演奏なんて久しぶりだな」
と、美崎。
「去年は楽しかったな。大崎先輩たちがいて」
「なんか、喧嘩してたけどな」
K学園高等部は学区違いで数校ある。自分たちが通うのが第一校。一番近い学区違いが第二校。そこに大崎 圭一の親戚が通っているのだが、とても仲が悪いようで、昨年の学園祭では二人が何やら揉めていた。しかし、その揉め方がコントのようで、人々の注目を集めていたことを思い出す。
「先輩たち来るかな」
と、美崎。
彼らは歌が上手い為、飛び入り参加をしてくれたら学園祭も盛り上がるのにな、などと鶴城は思っていたのだった。
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