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━2章【不器用な二人】━
5.5『自分自身と向き合う夜』【微R】
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****♡Side・鶴城(生徒会副会長)
どんなに嫌がられようとも、自分は力でねじ伏せて来た。もちろん好意を感じているからだが。優しくしたい、大事にしたいと願いながらも自分の気持ちを優先してしまう。直したいと思いながらも。
「優也」
たっぷりと愛されぐったりとした彼を腕に抱き、温泉に浸かる。月が水面を照らし、幻想的だ。
「んッ……まこ……と」
横抱きにされた彼は、力なく鶴城の首に両腕を回していた。白く綺麗な肌。行為の時はしっとり、もっちりしていて鶴城の手に張り付く。手に馴染むその肌をいつだって撫でまわしていたい。
「そろそろ上がらないと、のぼせる」
「んッ……」
「危ないから。自分で立てるか?」
鶴城の言葉に少し瞼を開きぼんやりと前を見る。深さはさほどない。石で出来た床は滑らないようには出来てはいるが、濡れるとやはり危険が伴う。美崎は手をつくと片膝をついて上がろうとした。
──ちょッ……全部、見えてるんだけど。
いつもの彼ならば、腰にタオルを巻くなどするはずだが、疲れ切っているのかそこに配慮が欠けている。
その為、先ほどまで鶴城自身が出入りしていた蕾、その先の綺麗な形をした睾丸、彼自身が丸見えになっていた。鶴城は思わず前を抑える。あんなに愛し合ったのに、またムクムクと欲望が頭を擡げる。これではキリがない。鶴城は彼にバスタオルを巻いてやると、その場に一人残った。もう少しだけ浸かると偽って。
彼が浴衣に着替え布団に横になるのを確認すると、鶴城は洗い場の椅子に腰かけ自分自身に指を絡める。こんなところにまで来て、まさか自慰をすることになろうとは思ってもみなかった。
「はあッ……ゆう……や……」
静かな、静かな夜。風が時々木々を揺らしては、いずこかへ去って行く。自分は彼のことが心から好きだ。見た目とは違い、ロマンチックで純粋で真面目な彼が。強がりばかりで可愛くないと、彼は言うが鶴城は一度だってそんな風に感じた事はない。言葉がどんなに素直じゃなかろうとも、顔にすぐ出てしまう。本当は寂しがり屋で甘えたがりな、年上の彼がとても愛しい。
──いつか、婚約したいという俺の気持ちに、良い返事をくれるだろうか?
卒業する前に返事が欲しい。彼一人を新しい環境に送り出すのは、とても心配だ。いつだって傍に居たい。いつだって傍にいて欲しい。たった一才差が、自分に重くのしかかる。同棲だけでは不安な自分がオカシイのだろうか。
「くッ……」
激しく自分自身を扱きあげていた手に、熱い愛液が飛び散った。
「何してるんだろうな、俺」
欲望を解き放った鶴城は、虚しさを感じシャワーのコックを捻る。どうかしていると思いながら、汚れた身体を洗い流したのだった。
どんなに嫌がられようとも、自分は力でねじ伏せて来た。もちろん好意を感じているからだが。優しくしたい、大事にしたいと願いながらも自分の気持ちを優先してしまう。直したいと思いながらも。
「優也」
たっぷりと愛されぐったりとした彼を腕に抱き、温泉に浸かる。月が水面を照らし、幻想的だ。
「んッ……まこ……と」
横抱きにされた彼は、力なく鶴城の首に両腕を回していた。白く綺麗な肌。行為の時はしっとり、もっちりしていて鶴城の手に張り付く。手に馴染むその肌をいつだって撫でまわしていたい。
「そろそろ上がらないと、のぼせる」
「んッ……」
「危ないから。自分で立てるか?」
鶴城の言葉に少し瞼を開きぼんやりと前を見る。深さはさほどない。石で出来た床は滑らないようには出来てはいるが、濡れるとやはり危険が伴う。美崎は手をつくと片膝をついて上がろうとした。
──ちょッ……全部、見えてるんだけど。
いつもの彼ならば、腰にタオルを巻くなどするはずだが、疲れ切っているのかそこに配慮が欠けている。
その為、先ほどまで鶴城自身が出入りしていた蕾、その先の綺麗な形をした睾丸、彼自身が丸見えになっていた。鶴城は思わず前を抑える。あんなに愛し合ったのに、またムクムクと欲望が頭を擡げる。これではキリがない。鶴城は彼にバスタオルを巻いてやると、その場に一人残った。もう少しだけ浸かると偽って。
彼が浴衣に着替え布団に横になるのを確認すると、鶴城は洗い場の椅子に腰かけ自分自身に指を絡める。こんなところにまで来て、まさか自慰をすることになろうとは思ってもみなかった。
「はあッ……ゆう……や……」
静かな、静かな夜。風が時々木々を揺らしては、いずこかへ去って行く。自分は彼のことが心から好きだ。見た目とは違い、ロマンチックで純粋で真面目な彼が。強がりばかりで可愛くないと、彼は言うが鶴城は一度だってそんな風に感じた事はない。言葉がどんなに素直じゃなかろうとも、顔にすぐ出てしまう。本当は寂しがり屋で甘えたがりな、年上の彼がとても愛しい。
──いつか、婚約したいという俺の気持ちに、良い返事をくれるだろうか?
卒業する前に返事が欲しい。彼一人を新しい環境に送り出すのは、とても心配だ。いつだって傍に居たい。いつだって傍にいて欲しい。たった一才差が、自分に重くのしかかる。同棲だけでは不安な自分がオカシイのだろうか。
「くッ……」
激しく自分自身を扱きあげていた手に、熱い愛液が飛び散った。
「何してるんだろうな、俺」
欲望を解き放った鶴城は、虚しさを感じシャワーのコックを捻る。どうかしていると思いながら、汚れた身体を洗い流したのだった。
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