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────1話*俺のものになってよ
5・難関に次ぐ難関の先は【R】
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****side■塩田
『ねえ、エッチしよ♡』
『は?』
『塩田、いいでしょ?』
『待て、酔ってるよな……んッ』
塩田は背後から電車にのし掛かられ、パジャマのズボンの中に手を入れられてしまった。
「はぁッ……」
ダメなのに。
こんなことをしたくないというわけではない。
彼女とちゃんと決別して、お付き合いしてからにしたいのだ。
「好きだよ、塩田」
「んッ……」
「エッチしたい、ダメ?」
片腕でぎゅっと抱き締められて流されそうになる。酔った相手にけじめを求めても、無駄なのかもしれない。
「塩田にいっぱい触れていたい」
温かい腕にそっと手を添える。少しづつ植えつけられてゆく安心感と居心地の良さ。首筋に触れる彼の唇にビクッとした。
「塩田、ここ好きだね」
「お前のせいだろ」
性的なことなんて何一つ知らなかったのに。
彼が塩田を変えてゆく。
「大好きだよ」
「はあッ……そこやめ……」
カリの部分を親指の腹でこねくり回され、身体に力が入る。
──しようという割には、俺ばっか。
なんなんだよ。
俺だって、触れたい。
だが常に一方的なことにも不満は募る。
確かに自分は無知だ。
けれども電車が教えてくれたことは、彼だって心地よいに違いない。
「ん? どうしたの」
「電車、キス」
「ふふ……じゃあ、こっち見て」
嬉しそうな顔をする彼に、”コイツは完全に酔っているな”と思いながらも唇を貪り合う。キスして、ハグして……体温を分け合うような優しい関係がきっと愛なんだろうと、塩田は感じていた。
「ちゃんと別れるから、よそ見しないで」
よそ見しているのはお前のくせにと心の中で恨み言を漏らしながらも、それに応える塩田。
「んッ……」
中心部を緩く強く扱かれながら、耳元で呟くような切ない声を受け止める。
「ずっと、塩田のことが好きだった」
それはきっと、諦め。ダメだと思いながらも恋人関係をそのままにし、塩田に想いを寄せていた電車。
ズルいには違いないが、きっとそうする他なかったのだろう。
毎日同じ職場で顔を合わせ、忘れたくても忘れられない。
逃げ場なんてないのだから。
「はあッ……」
彼の手は気持ちいい。
「俺も好き」
自分から求めるように口づけて、彼の与えてくれる快楽に身を投じる。
──イきそう……。
ぎゅっと首に腕を絡め密着すると、彼は塩田の背を優しくなでた。
「ん……ん?」
もう少しでイきそうと思っていると、彼の手が止まる。意地悪するなよ! と思い彼に目を移すと、
「おい! なんでそこで寝るんだよ」
彼は塩田自身を握りこんだまま、寝息を立てていたのだった。
『ねえ、エッチしよ♡』
『は?』
『塩田、いいでしょ?』
『待て、酔ってるよな……んッ』
塩田は背後から電車にのし掛かられ、パジャマのズボンの中に手を入れられてしまった。
「はぁッ……」
ダメなのに。
こんなことをしたくないというわけではない。
彼女とちゃんと決別して、お付き合いしてからにしたいのだ。
「好きだよ、塩田」
「んッ……」
「エッチしたい、ダメ?」
片腕でぎゅっと抱き締められて流されそうになる。酔った相手にけじめを求めても、無駄なのかもしれない。
「塩田にいっぱい触れていたい」
温かい腕にそっと手を添える。少しづつ植えつけられてゆく安心感と居心地の良さ。首筋に触れる彼の唇にビクッとした。
「塩田、ここ好きだね」
「お前のせいだろ」
性的なことなんて何一つ知らなかったのに。
彼が塩田を変えてゆく。
「大好きだよ」
「はあッ……そこやめ……」
カリの部分を親指の腹でこねくり回され、身体に力が入る。
──しようという割には、俺ばっか。
なんなんだよ。
俺だって、触れたい。
だが常に一方的なことにも不満は募る。
確かに自分は無知だ。
けれども電車が教えてくれたことは、彼だって心地よいに違いない。
「ん? どうしたの」
「電車、キス」
「ふふ……じゃあ、こっち見て」
嬉しそうな顔をする彼に、”コイツは完全に酔っているな”と思いながらも唇を貪り合う。キスして、ハグして……体温を分け合うような優しい関係がきっと愛なんだろうと、塩田は感じていた。
「ちゃんと別れるから、よそ見しないで」
よそ見しているのはお前のくせにと心の中で恨み言を漏らしながらも、それに応える塩田。
「んッ……」
中心部を緩く強く扱かれながら、耳元で呟くような切ない声を受け止める。
「ずっと、塩田のことが好きだった」
それはきっと、諦め。ダメだと思いながらも恋人関係をそのままにし、塩田に想いを寄せていた電車。
ズルいには違いないが、きっとそうする他なかったのだろう。
毎日同じ職場で顔を合わせ、忘れたくても忘れられない。
逃げ場なんてないのだから。
「はあッ……」
彼の手は気持ちいい。
「俺も好き」
自分から求めるように口づけて、彼の与えてくれる快楽に身を投じる。
──イきそう……。
ぎゅっと首に腕を絡め密着すると、彼は塩田の背を優しくなでた。
「ん……ん?」
もう少しでイきそうと思っていると、彼の手が止まる。意地悪するなよ! と思い彼に目を移すと、
「おい! なんでそこで寝るんだよ」
彼は塩田自身を握りこんだまま、寝息を立てていたのだった。
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