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────0話*出会いと恋
17・お前のものになら、なってもいい【R】
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****side■塩田
「乱暴になんてしないよ」
電車の塩田の髪を撫でる手が、優しすぎて反応に困る。
女じゃないからいいと言っているのに、
「大事にするから」
なんていうから、どうしていいのかわからない。
困っていると彼の手が塩田自身を優しく握りこんだ。形を持ち始めたそれを、ゆるゆると上下に扱かれて声が漏れそうになる。もどかしい。もっと強くして欲しいと、自分からキスをねだる。
「う……」
首筋を吸われカリも刺激され、ぎゅっと目を閉じた。
──お前が俺にこんなこと教えるから。
だから……。
「気持ちいい?」
という彼の言葉に、素直に頷いてみせる。
すると彼は一瞬凄く驚いた顔をし、ベッドに押し倒された。
「そんな素直に反応されると、堪らなくなる」
「好きにしていいと言ってる」
胸を撫でる手、鎖骨に吸い付く唇。
「じゃあ、俺のものになって」
「お前のもの?」
「……冗談だよ」
──泣きそうな顔をして冗談を言うんだな。
施される丁寧な前戯に黙って身を委ねる。どうして彼になら好きにされてもいいのか……。そんなことを思いながら。
──もしお前が本気で望むなら。
お前のものになら、なってもいい。
「はあッ」
「痛い?」
ジェルのとろんとした感触。電車の指が蕾をゆっくり押し拡げ、くぷぷっと中に入ってくる。
「平気」
「声、出してもいいのに」
「断る」
「俺にだけ聴かせて。塩田の厭らしい声」
塩田に覆いかぶさり、耳元で囁く彼にゾクゾクした。
「誰がっ……おいッ……それ……やめ」
電車が後ろに指を抜き差ししながら、塩田自身を弄《いじ》る。止《や》めて欲しくて、彼の腕に手を添えるが意味は無い。止めてくれるはずなどなく、何度も口づけされるだけ。
「好きにして良いって言ったくせに」
「くッ……」
「どうして声出すのイヤなの? そんな厭らしい身体してるクセに」
「ちがっ……」
──これはお前だから。
誰にでもこんなんじゃ……。
「そんな顔しないで、勘違いしちゃうから」
「は?」
「塩田が俺のこと、好きなんじゃないかって」
──俺、どんな顔してるって……?
「んッ……」
「力抜いて」
「はぁッ……」
──電車は丁寧だ。なんでそんなに気遣う?
痛くはないが、変になりそうだ。
「気持ちいい?」
不安そうな彼の言葉。
「ああ……」
素直に返事をしているのに、彼は何故か泣きそうな顔をする。
──そんな顔、させたくないのに。
「塩田」
「ん……」
「俺以外とは、しないで」
独占欲を向けられるのは好きじゃない。しかし、コイツにならいいと思ってしまっている自分がいるのは否定できなくて。
「約束は出来ない」
「俺以外としたいの?」
彼の目に怒りが宿る。誤解させているなと感じた。
「そうじゃない」
「じゃあ、なに」
聞いておいて、言わせないと言わんばかりに口づけされる。
──電車とのキスは好きだ。
気持ちいい。巧いよなと思う。
言わないけどな。
お前に好かれているのは……悪くない。
「塩田はさ」
何だよと言うように見つめ返せば、
「俺が他の人としても平気?」
「は?」
──何言ってるんだコイツは。
「したいなら、すればいいだろ」
ムカついてぷいっとそっぽを向けば、耳たぶを噛まれ、深く腰を進められた。
「なんで可愛くないこと言うの? 中締め付けてくるくせに」
「それはお前が……」
彼の手の平が、腹から胸にかけて撫で上げる。
「ん……」
「俺でこんなに感じるくせに」
繋がった場所から卑猥な音がする。
──気持ちいい……。
「イヤならイヤって言えよっ」
何故そんなに必死なのか分からない。わからないから困る。
「本当の気持ち教えて……」
「乱暴になんてしないよ」
電車の塩田の髪を撫でる手が、優しすぎて反応に困る。
女じゃないからいいと言っているのに、
「大事にするから」
なんていうから、どうしていいのかわからない。
困っていると彼の手が塩田自身を優しく握りこんだ。形を持ち始めたそれを、ゆるゆると上下に扱かれて声が漏れそうになる。もどかしい。もっと強くして欲しいと、自分からキスをねだる。
「う……」
首筋を吸われカリも刺激され、ぎゅっと目を閉じた。
──お前が俺にこんなこと教えるから。
だから……。
「気持ちいい?」
という彼の言葉に、素直に頷いてみせる。
すると彼は一瞬凄く驚いた顔をし、ベッドに押し倒された。
「そんな素直に反応されると、堪らなくなる」
「好きにしていいと言ってる」
胸を撫でる手、鎖骨に吸い付く唇。
「じゃあ、俺のものになって」
「お前のもの?」
「……冗談だよ」
──泣きそうな顔をして冗談を言うんだな。
施される丁寧な前戯に黙って身を委ねる。どうして彼になら好きにされてもいいのか……。そんなことを思いながら。
──もしお前が本気で望むなら。
お前のものになら、なってもいい。
「はあッ」
「痛い?」
ジェルのとろんとした感触。電車の指が蕾をゆっくり押し拡げ、くぷぷっと中に入ってくる。
「平気」
「声、出してもいいのに」
「断る」
「俺にだけ聴かせて。塩田の厭らしい声」
塩田に覆いかぶさり、耳元で囁く彼にゾクゾクした。
「誰がっ……おいッ……それ……やめ」
電車が後ろに指を抜き差ししながら、塩田自身を弄《いじ》る。止《や》めて欲しくて、彼の腕に手を添えるが意味は無い。止めてくれるはずなどなく、何度も口づけされるだけ。
「好きにして良いって言ったくせに」
「くッ……」
「どうして声出すのイヤなの? そんな厭らしい身体してるクセに」
「ちがっ……」
──これはお前だから。
誰にでもこんなんじゃ……。
「そんな顔しないで、勘違いしちゃうから」
「は?」
「塩田が俺のこと、好きなんじゃないかって」
──俺、どんな顔してるって……?
「んッ……」
「力抜いて」
「はぁッ……」
──電車は丁寧だ。なんでそんなに気遣う?
痛くはないが、変になりそうだ。
「気持ちいい?」
不安そうな彼の言葉。
「ああ……」
素直に返事をしているのに、彼は何故か泣きそうな顔をする。
──そんな顔、させたくないのに。
「塩田」
「ん……」
「俺以外とは、しないで」
独占欲を向けられるのは好きじゃない。しかし、コイツにならいいと思ってしまっている自分がいるのは否定できなくて。
「約束は出来ない」
「俺以外としたいの?」
彼の目に怒りが宿る。誤解させているなと感じた。
「そうじゃない」
「じゃあ、なに」
聞いておいて、言わせないと言わんばかりに口づけされる。
──電車とのキスは好きだ。
気持ちいい。巧いよなと思う。
言わないけどな。
お前に好かれているのは……悪くない。
「塩田はさ」
何だよと言うように見つめ返せば、
「俺が他の人としても平気?」
「は?」
──何言ってるんだコイツは。
「したいなら、すればいいだろ」
ムカついてぷいっとそっぽを向けば、耳たぶを噛まれ、深く腰を進められた。
「なんで可愛くないこと言うの? 中締め付けてくるくせに」
「それはお前が……」
彼の手の平が、腹から胸にかけて撫で上げる。
「ん……」
「俺でこんなに感じるくせに」
繋がった場所から卑猥な音がする。
──気持ちいい……。
「イヤならイヤって言えよっ」
何故そんなに必死なのか分からない。わからないから困る。
「本当の気持ち教えて……」
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