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────4話*水面下の戦い
18・夢じゃない、これは現実?【R】
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****♡Side・副社長(皇)
──塩田の声が聞こえる。気持ちいい。
きっとこれは夢なんだ。皇はそう思いながら自分の欲望に従っていた。
「塩田ぁ」
「んー?」
気配が一つ増えたような気がする。だが、そんなこと気にしてしても仕方ない。夢なら塩田に甘えられる。
「ぎゅってして」
「甘えん坊だな」
「ん……きもちッ」
大好きな彼の体温を直に感じ幸せに浸っていると、塩田が皇自身を握りこむ。彼がこんなことするはずがない、そう思うと少し切なくなった。
「んッ……はあッ」
「なあ、皇。そろそろこっちも欲しいんじゃないのか?」
「あッ……あああッ」
先ほどまで舐められ指を挿入され解されていた蕾に、彼の指が再び触れる。
「ほんと、感度いいんだな」
「んんッ」
社長に開発されただけで、自ら望んだわけではない。しかし今は社長のことは忘れたかった。
「強請ってみろよ」
密着した塩田の中心部は張り詰めているのに、彼は皇に自ら求めろという。
───あ……ダメだ……。
部屋に流れる”Cold”高音域の綺麗な歌声が、皇の脳内を犯していく。段々と高音域に上がっていく曲は気持ちの高ぶりを煽る。
「塩田……挿れて。中くちゅくちゅして欲しい」
理性の欠片すら砕けちった皇は、自ら大きく足を開くと厭らしく身を捩った。
「いいね。俺の初めて皇にやるよ」
「はじめて……?」
「ああ」
彼はふっと笑うと、皇の両腿を持ち上げ蕾に自分自身を押し当てる。
「だからもう、アイツには抱かれんな」
「んッ……ああああッ」
内壁が擦れ、熱いような押しやりたいような複雑な感覚に陥りながらも、彼を受け入れた。淫乱だと言われても仕方ない。どんなにイヤだと身体が拒否しても。塩田が好きだと心が悲鳴を上げても自分は他の男をそこに受け入れてきた。もう、戻れないのだ。
「しおた……すき……」
ぎゅっとしがみ付き腰を揺らされながら涙を溢す。
振り落とされないように。
見捨てられないように。
置いて行かれないように。
「約束しろ、皇」
「俺……」
「約束できるなら、俺がいくらだって抱いてやるから」
──塩田はそんな事言わない。言わないのに。
「夢、なんでしょ?」
皇の問いに彼は一つ深いため息をつく。
「これは、現実だ」
「嘘。だって塩田はそんな事言わない」
「嘘じゃない」
彼は奥まで身を進めると、ぐいっと皇の腕を引き起こす。対面騎乗位となり、彼の傍でずっと静観してした電車の姿が目に入った。
「電車……」
塩田にぎゅっと抱きしめられたまま、電車へ手を伸ばせばその手を優しく握られる。
「副社長、俺たちが助けてあげるから」
「お前、俺のこと嫌いだろ?」
電車の言葉に違和感を覚え、そう問いかければ、
「タチだと思ってたから」
と言う。
「紀夫は、俺が抱く方なら良いってよ」
「え?」
そこで皇は少し酔いが醒めた。
「これ、ほんとに現実?」
「何言ってんだよ。後ろきゅんきゅん締め付けてるくせに」
───え? 嘘。マジでやっちゃっ……⁈
嘘だろ。
皇は夢だと思い塩田に甘えていたことを思い出し、唐突に恥ずかしさがこみあげてきたのだった。
──塩田の声が聞こえる。気持ちいい。
きっとこれは夢なんだ。皇はそう思いながら自分の欲望に従っていた。
「塩田ぁ」
「んー?」
気配が一つ増えたような気がする。だが、そんなこと気にしてしても仕方ない。夢なら塩田に甘えられる。
「ぎゅってして」
「甘えん坊だな」
「ん……きもちッ」
大好きな彼の体温を直に感じ幸せに浸っていると、塩田が皇自身を握りこむ。彼がこんなことするはずがない、そう思うと少し切なくなった。
「んッ……はあッ」
「なあ、皇。そろそろこっちも欲しいんじゃないのか?」
「あッ……あああッ」
先ほどまで舐められ指を挿入され解されていた蕾に、彼の指が再び触れる。
「ほんと、感度いいんだな」
「んんッ」
社長に開発されただけで、自ら望んだわけではない。しかし今は社長のことは忘れたかった。
「強請ってみろよ」
密着した塩田の中心部は張り詰めているのに、彼は皇に自ら求めろという。
───あ……ダメだ……。
部屋に流れる”Cold”高音域の綺麗な歌声が、皇の脳内を犯していく。段々と高音域に上がっていく曲は気持ちの高ぶりを煽る。
「塩田……挿れて。中くちゅくちゅして欲しい」
理性の欠片すら砕けちった皇は、自ら大きく足を開くと厭らしく身を捩った。
「いいね。俺の初めて皇にやるよ」
「はじめて……?」
「ああ」
彼はふっと笑うと、皇の両腿を持ち上げ蕾に自分自身を押し当てる。
「だからもう、アイツには抱かれんな」
「んッ……ああああッ」
内壁が擦れ、熱いような押しやりたいような複雑な感覚に陥りながらも、彼を受け入れた。淫乱だと言われても仕方ない。どんなにイヤだと身体が拒否しても。塩田が好きだと心が悲鳴を上げても自分は他の男をそこに受け入れてきた。もう、戻れないのだ。
「しおた……すき……」
ぎゅっとしがみ付き腰を揺らされながら涙を溢す。
振り落とされないように。
見捨てられないように。
置いて行かれないように。
「約束しろ、皇」
「俺……」
「約束できるなら、俺がいくらだって抱いてやるから」
──塩田はそんな事言わない。言わないのに。
「夢、なんでしょ?」
皇の問いに彼は一つ深いため息をつく。
「これは、現実だ」
「嘘。だって塩田はそんな事言わない」
「嘘じゃない」
彼は奥まで身を進めると、ぐいっと皇の腕を引き起こす。対面騎乗位となり、彼の傍でずっと静観してした電車の姿が目に入った。
「電車……」
塩田にぎゅっと抱きしめられたまま、電車へ手を伸ばせばその手を優しく握られる。
「副社長、俺たちが助けてあげるから」
「お前、俺のこと嫌いだろ?」
電車の言葉に違和感を覚え、そう問いかければ、
「タチだと思ってたから」
と言う。
「紀夫は、俺が抱く方なら良いってよ」
「え?」
そこで皇は少し酔いが醒めた。
「これ、ほんとに現実?」
「何言ってんだよ。後ろきゅんきゅん締め付けてるくせに」
───え? 嘘。マジでやっちゃっ……⁈
嘘だろ。
皇は夢だと思い塩田に甘えていたことを思い出し、唐突に恥ずかしさがこみあげてきたのだった。
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