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────3話*俺のものだから
17・快楽に溺れる夜【R】
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****♡Side・社長
「はあッ……んんんッ」
社長は皇の蕾へ自分自身を宛がうと、親指と人差し指で拡げゆっくりと腰を進める。くぷぷッと蕾を押し広げ侵入してくる快感に彼は、胸を弓なりにのけ反らせた。
「ああッ」
中はとても熱く、きゅうっと締め付け、絡みついてくるようだった。
「好きなんだね、こうされるの」
耳元で優しく問いかけ、彼の耳たぶを甘嚙みする。
「あッ」
社長が甘い声を漏らす皇のわき腹を撫でながら、喉元に口づけをすると、彼はムズムズと腰を揺らした。
「前も触って欲しいのかい?」
社長の問いかけに彼は瞬きをする。それは”して”の意だ。
「皇くん」
「はあッ……」
「観念して、僕のものになってしまいなさい。そしたら毎晩だって抱いてあげるよ」
彼自身を握りこみ、根元からゆっくりと上下し、腰を進めては引くを繰り返す。彼は快感に身を捩り、与えられる愛にどっぷり浸っているにも関わらず、うんとは言わなかった。
どんなに何を与えても、彼は僕から自由でいたいから承諾しないのか。
そんな風に思ったが、
「俺は塩田が……好きだから」
と彼が返事をする。
──僕に抱かれながら、君は他の人を想うのか?
「塩田を好きなままで、いたいから……」
──違う、他の人を想う君を僕は抱くんだ。
君の気持ちを無視して快楽を覚えさせ、抗うことをできなくさせたのは僕だ。思えば、彼から誘ってきたことなど一度もない。二度とも彼の性欲を刺激して事に及んだに過ぎない。でも自分は……。
──君が欲しい。なんとしてでも。
「んッ……やッ」
彼の腕を引き起こすと、
「好きなままでもいい」
と告げ、下から突き上げた。
「はあッ……」
初めての対面騎乗位。
「塩田君じゃ、君をこんな風によがらせることはできない」
彼には自分が必要なのだと分からせたい。
「俺は……塩田に抱かれたいわけじゃ……」
「こんなに締め付けてるくせに」
「ああッ……」
『望むことはすべて叶える。今後の生活も面倒見るし、今まで通りの生活も保障する。もちろんあの子が成人するまで養育費も僕が払うよ。だから、どうか別れて欲しい』
皇と出逢って四年。社長の妻は夫の変化に気づいていたのかもしれない。彼が望むのは家庭から自由になる事ではなく、法的に自由になることなのだと察したようだった。元々物静かな女性だったが、その条件ならと言って承諾してくれた。一方的に別れを告げられたが、路頭に迷うこともない。ゆっくりこの先どうしていけばいいのか考えることができる。慰謝料を請求するよりも、ずっと良い暮らしを続けることができるのだ。
愛が冷めきっていたわけではない。ただ、もっと夢中になれるものを見つけてしまっただけなのだ。彼女はそんな風に感じていた。
”愛しているからこそ、自由にしてあげる”
それが彼女の愛のカタチだったのかもしれない。
「はあッ……んんんッ」
社長は皇の蕾へ自分自身を宛がうと、親指と人差し指で拡げゆっくりと腰を進める。くぷぷッと蕾を押し広げ侵入してくる快感に彼は、胸を弓なりにのけ反らせた。
「ああッ」
中はとても熱く、きゅうっと締め付け、絡みついてくるようだった。
「好きなんだね、こうされるの」
耳元で優しく問いかけ、彼の耳たぶを甘嚙みする。
「あッ」
社長が甘い声を漏らす皇のわき腹を撫でながら、喉元に口づけをすると、彼はムズムズと腰を揺らした。
「前も触って欲しいのかい?」
社長の問いかけに彼は瞬きをする。それは”して”の意だ。
「皇くん」
「はあッ……」
「観念して、僕のものになってしまいなさい。そしたら毎晩だって抱いてあげるよ」
彼自身を握りこみ、根元からゆっくりと上下し、腰を進めては引くを繰り返す。彼は快感に身を捩り、与えられる愛にどっぷり浸っているにも関わらず、うんとは言わなかった。
どんなに何を与えても、彼は僕から自由でいたいから承諾しないのか。
そんな風に思ったが、
「俺は塩田が……好きだから」
と彼が返事をする。
──僕に抱かれながら、君は他の人を想うのか?
「塩田を好きなままで、いたいから……」
──違う、他の人を想う君を僕は抱くんだ。
君の気持ちを無視して快楽を覚えさせ、抗うことをできなくさせたのは僕だ。思えば、彼から誘ってきたことなど一度もない。二度とも彼の性欲を刺激して事に及んだに過ぎない。でも自分は……。
──君が欲しい。なんとしてでも。
「んッ……やッ」
彼の腕を引き起こすと、
「好きなままでもいい」
と告げ、下から突き上げた。
「はあッ……」
初めての対面騎乗位。
「塩田君じゃ、君をこんな風によがらせることはできない」
彼には自分が必要なのだと分からせたい。
「俺は……塩田に抱かれたいわけじゃ……」
「こんなに締め付けてるくせに」
「ああッ……」
『望むことはすべて叶える。今後の生活も面倒見るし、今まで通りの生活も保障する。もちろんあの子が成人するまで養育費も僕が払うよ。だから、どうか別れて欲しい』
皇と出逢って四年。社長の妻は夫の変化に気づいていたのかもしれない。彼が望むのは家庭から自由になる事ではなく、法的に自由になることなのだと察したようだった。元々物静かな女性だったが、その条件ならと言って承諾してくれた。一方的に別れを告げられたが、路頭に迷うこともない。ゆっくりこの先どうしていけばいいのか考えることができる。慰謝料を請求するよりも、ずっと良い暮らしを続けることができるのだ。
愛が冷めきっていたわけではない。ただ、もっと夢中になれるものを見つけてしまっただけなのだ。彼女はそんな風に感じていた。
”愛しているからこそ、自由にしてあげる”
それが彼女の愛のカタチだったのかもしれない。
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