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────3話*俺のものだから
16・馬鹿な選択をする男たち【R】
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****♡Side・社長
「あッ……はあッ……んんッ」
ぷくりと膨らんだカリの部分を親指でこねくり回し、裏筋に舌を這わせると皇は胸を突き出し甘ったるい声を漏らす。腰にくる声だ。彼は蕾に差し入れた社長の指をキュウッと締め付け、焦点の合わないうるんだ瞳をゆらし、濡れた唇で浅く息をする。
拘束した彼の手首はこすれて赤くなってしまっていた。社長はそれが視界に入った時、やっと我に返る。
──僕はなんてことを……。
「やッ……いやあッ」
彼の拘束を解いてあげようと、皇の蕾から指を引き抜くと、彼が切ない声をあげた。それと同時に彼の鈴口から愛液がほとばしり、頬を涙が伝う。社長は彼の枕元に手をつき、その頬を優しく撫でた。
「皇くん……」
「うう……」
「ごめんね、痛かっただろう?」
彼はただうつろな瞳で、ハラハラと涙を溢している。社長は、彼の拘束を解きながら激しく後悔していた。嫉妬心から彼に乱暴なことをしてしまったこと、酷いことをいってしまったことを。
赤くなった彼の手首に口づける。
──彼はモノじゃない。
どんな汚い手を使ってでも手に入れたいと願った。けれど、こんな風にモノ扱いするためじゃない。これじゃまるで……。
****♡Side・副社長(皇)
皇は因果応報なのだと思っていた。かつて自分が塩田にしたことと、何ら変わらない。社長は自分と黒岩との仲を誤解して、こんな暴挙に出たに過ぎない。
──では自分は?
塩田が自分に見向きもしないことに腹を立て、無理やり自分のものにしようとした。社長には”想い”が存在しているだけマシなのだ。ただの自己中心的な感情で悪戯に彼を傷つけた自分とは違う。
──塩田に謝らなきゃ……。
好きな人の視界にも入らない自分。皮肉にも、今置かれている立場から犯した罪に気づくなんて。とめどなく涙が溢れ、全ての音が消える。
自分はこれから何処へ向かうのだろう?
唯一の味方だと思っていた社長を怒らせてしまった。気軽になんでも話せると思っていた黒岩は、今や自分に夢中になってしまっている。
──どうすれば……。
「皇くん」
「……?」
皇は背中に腕を回され抱き起されて、現実に引き戻された。怒っていたはずの社長が、心配そうに腕の中の皇の瞳を覗き込んでいる。
「すまない」
「社長は悪くない」
社長が悪いわけではない、皇はそう本気で思っていた。彼の好意を優しさと勘違いし、ずっと甘えて来たのは自分なのだ。
「社長を怒らせたのは俺だから」
「違うんだ」
「違う?」
皇にはその意味が分からない。なにが違うというのだ?
「怒っているわけじゃない」
彼の手は皇の髪を撫で、唇に触れた。
「嫉妬で自分を見失ってしまっていたんだ。酷いこといってしまって、すまない。君の話も聞かずに」
まるでビッチのような言い方をされたことは確かに傷ついた。自分は社長にしか足を開いたことはない。自分から望んで誘ったこともないはずだ。
「俺が誰にでも足開くって、本気で思った?」
「いや」
「なら……いい」
酷いことはされたが、仕方がないと思っている。社長がもう、怒っていないことにホッとした。自分には頼れる人は彼しかいないのだ。もし、突き放されたらどうしていいのかわからない。
──今は、それよりも……。
奥が疼いて仕方がない。こんな時なのに、気が変になりそうなほど欲しい。上気した頬に彼が目を留める。その瞳は欲情を隠せていない。その証拠に彼の鼓動が速くなっていた。
「社長……挿れてくれないの?」
──俺は馬鹿だ。
塩田に恋い焦がれながら、欲望に勝てず、社長に身体を開くのだ。
俺は、どうしようもないバカだ……。
「あッ……はあッ……んんッ」
ぷくりと膨らんだカリの部分を親指でこねくり回し、裏筋に舌を這わせると皇は胸を突き出し甘ったるい声を漏らす。腰にくる声だ。彼は蕾に差し入れた社長の指をキュウッと締め付け、焦点の合わないうるんだ瞳をゆらし、濡れた唇で浅く息をする。
拘束した彼の手首はこすれて赤くなってしまっていた。社長はそれが視界に入った時、やっと我に返る。
──僕はなんてことを……。
「やッ……いやあッ」
彼の拘束を解いてあげようと、皇の蕾から指を引き抜くと、彼が切ない声をあげた。それと同時に彼の鈴口から愛液がほとばしり、頬を涙が伝う。社長は彼の枕元に手をつき、その頬を優しく撫でた。
「皇くん……」
「うう……」
「ごめんね、痛かっただろう?」
彼はただうつろな瞳で、ハラハラと涙を溢している。社長は、彼の拘束を解きながら激しく後悔していた。嫉妬心から彼に乱暴なことをしてしまったこと、酷いことをいってしまったことを。
赤くなった彼の手首に口づける。
──彼はモノじゃない。
どんな汚い手を使ってでも手に入れたいと願った。けれど、こんな風にモノ扱いするためじゃない。これじゃまるで……。
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皇は因果応報なのだと思っていた。かつて自分が塩田にしたことと、何ら変わらない。社長は自分と黒岩との仲を誤解して、こんな暴挙に出たに過ぎない。
──では自分は?
塩田が自分に見向きもしないことに腹を立て、無理やり自分のものにしようとした。社長には”想い”が存在しているだけマシなのだ。ただの自己中心的な感情で悪戯に彼を傷つけた自分とは違う。
──塩田に謝らなきゃ……。
好きな人の視界にも入らない自分。皮肉にも、今置かれている立場から犯した罪に気づくなんて。とめどなく涙が溢れ、全ての音が消える。
自分はこれから何処へ向かうのだろう?
唯一の味方だと思っていた社長を怒らせてしまった。気軽になんでも話せると思っていた黒岩は、今や自分に夢中になってしまっている。
──どうすれば……。
「皇くん」
「……?」
皇は背中に腕を回され抱き起されて、現実に引き戻された。怒っていたはずの社長が、心配そうに腕の中の皇の瞳を覗き込んでいる。
「すまない」
「社長は悪くない」
社長が悪いわけではない、皇はそう本気で思っていた。彼の好意を優しさと勘違いし、ずっと甘えて来たのは自分なのだ。
「社長を怒らせたのは俺だから」
「違うんだ」
「違う?」
皇にはその意味が分からない。なにが違うというのだ?
「怒っているわけじゃない」
彼の手は皇の髪を撫で、唇に触れた。
「嫉妬で自分を見失ってしまっていたんだ。酷いこといってしまって、すまない。君の話も聞かずに」
まるでビッチのような言い方をされたことは確かに傷ついた。自分は社長にしか足を開いたことはない。自分から望んで誘ったこともないはずだ。
「俺が誰にでも足開くって、本気で思った?」
「いや」
「なら……いい」
酷いことはされたが、仕方がないと思っている。社長がもう、怒っていないことにホッとした。自分には頼れる人は彼しかいないのだ。もし、突き放されたらどうしていいのかわからない。
──今は、それよりも……。
奥が疼いて仕方がない。こんな時なのに、気が変になりそうなほど欲しい。上気した頬に彼が目を留める。その瞳は欲情を隠せていない。その証拠に彼の鼓動が速くなっていた。
「社長……挿れてくれないの?」
──俺は馬鹿だ。
塩田に恋い焦がれながら、欲望に勝てず、社長に身体を開くのだ。
俺は、どうしようもないバカだ……。
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