R18【同性恋愛】リーマン物語『俺のものになってよ』

crazy’s7@体調不良不定期更新中

文字の大きさ
上 下
82 / 218
────3話*俺のものだから

9・勘違いは深く互いの心を抉り【R】

しおりを挟む
****♡Side・副社長(皇)

『いい子だね』
 子供でもないのに、社長にそう言われるたび嬉しかった。この行為にどんな意味があるかなんて考えない。彼が自分にとって唯一、甘えられる存在だと再確認できたらそれでいいのだ。

 例え彼にとって、ただの性欲のはけ口であったとしても。
 単なる好奇心だったとしても。いや……。

──支配の証だったとしても。

 自分は彼に庇護を求めても、愛を求めたことなどないのだから。愛だの恋だの知る前に性を知った。そこに愛がなくても、身体は快感を得られるものなのだと学んだ。正しくなんてない。心や頭で否定していても、それがオスというモノなのだと理解した。

──だとするなら、何故あの人を拒絶するのか?

 あの人はダメだ。その気持ちには応えられない。自分は塩田が好きなのだ。社長は自分にとって与える存在であって、奪う存在ではない。自分から求めない限り、俺を抱いたりしない。

──ねえ、そうでしょう?

 皇は首筋を指先でなぞり反応を見ている社長を、じっと見つめた。その視線に気づいた彼は、”どうしたの?”とでもいうように笑みを作り、首を傾げる。
 皇は彼の本音を知らない。ただ優しく守ってくれる存在だと思っていた。
「こんな刺激じゃ足りない?」
 的外れな言葉に、皇は否定も肯定もしない。
「しょうがない子だね、もっと興奮させてあげるよ」
「あ……」
 彼は皇のももの裏に両手を滑りこませると、腰を持ち上げるようにして大きく開いた。
「んッ……」
 皇の最奥の蕾を、厭らしく舌が這う。
「皇くんはここ、こうされるの大好きでしょ」
「や……ああッ」

──本当はわかってる。自分に言い訳してるだけなこと。

 こんなの間違ってる。
 こんなことしちゃダメなことわかってる。
 誰かを傷つけてしまうだけなこと。

「んんッ……はあッ……」
 彼は皇自身に手を伸ばすと、握りこみ優しく上下する。

──忘れさせて、独りぼっちなこと。
 思い出させないで、見捨てられたこと。
 こっちを見て……お願いだから。

 ねえ、お父さん────。


****♡Side・社長

『もっとして』
 彼が一体誰に何を求めているのか、分からなくなっていた。求められるまま繋がり、彼が満足するまで奥を満たしたつもりでいたが、その目はうつろだった。ベットに横たわる皇の髪をさらりと撫でる。

──彼は闇が深すぎる。
 このままでは近い将来、壊れてしまうかもしれない。

 だからといって現状を変えることはできない。離婚を考えたことは一度や二度じゃない。一人になればもっと甘えやすくなるかもしれないと思った。
 だが、彼はそれを望んでいない。むしろ強引に愛人関係を結んでしまえば良かったのかもしれない。中途半端に性欲の処理をするような、この関係が彼の負担になっているとも考えられる。

「これは不倫なのか?」

 二度目の情事。
 分からなくなっている自分がいた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

初体験

nano ひにゃ
BL
23才性体験ゼロの好一朗が、友人のすすめで年上で優しい男と付き合い始める。

エリート上司に完全に落とされるまで

琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。 彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。 そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。 社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

処理中です...