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────3話*俺のものだから
7・欲望を満たすもの【R】
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****♡Side・社長
『足を開きなさい』
社長の命令に、皇は瞳を揺らした。
──怖がらせてしまっただろうか?
社長は心の中で焦りつつ、ゆっくりと彼に覆い被さるとその頬を撫でる。
「怖がらせてしまったかい?」
と、問えば彼は首を横に振り、両腕をこちらに向かって伸ばした。
「良い子だ」
彼は社長に抱きついたまま、おずおずと足を開く。すると社長は彼の最奥の蕾に中指の腹で触れた。
「んんッ……」
乾いた感触。彼が言うとおり、なにもされていない証拠。しかし中まで調べてみなければわからない。彼は視界がおぼろげになるほど強い酒を呑まされ、まるで情事のあとのように、乱れたカッコでベッドに横たわっていたのだから。
──彼を抱いていいのは、僕だけだ。
「やッ……痛いッ」
そのまま指を捩じ込ませようとすると、彼が小さく悲鳴を上げる。
「すまない、ごめんね」
先ほどまで身体中を撫でられ、形を持っていた彼自身は急激に萎えてしまっていた。よほど痛かったのであろう、彼が目に涙を浮かべている。
社長はじっと彼を見つめると、徐に口づけ彼自身を握りこんだ。
「んッ……ああッ」
──今まで、誰も自分を満たすことはできなかった。
この子が頼りに出来るのは、僕だけ。
甘えられるのも、この僕だけなのだ。
その事で自分はどれ程満たされ、幸せを感じることができただろうか。
だが……。
「検査は終わりだ、皇くん」
彼には婚約者がいる。自分には妻子が。そもそも彼は自分のことを恋愛対象にはしていない。
「帰ろうか」
わざと欲情させておいて、冷静な態度を取る。彼はどんな顔をするだろうかと思いながら。
「社長……」
「ん?」
「俺が望むなら、何でもしてくれるって言ったよね?」
「もちろんだよ」
彼に微笑んで見せるが、正直余裕なんてない。今すぐ、彼を犯したいと思っていた。彼は甘えるように胸にすり寄ると、小さな声で、
「意地悪しないで」
と訴えたのだった。
****♡side・副社長(皇)
──社長は意地悪だ。
こんな風に自分に縛っておきながら、与えないなんて。
その目は俺に欲情しているくせに、煽るだけ煽っておいて放置する。
ずるい。だったら、俺だって……。
彼は貪るように皇に口づけ、胸の飾りを優しく撫でる。皇の身体は感度が良かった。だからこそ彼が、自分を気に入っているのだろうと皇は思っている。
だが、こんなことをするから評価されたのだとは思いたくない。彼が自分に性的なことを求めるのは、あくまで仕事とは別物だと思いたかった。
理由がなんであれ。
『足を開きなさい』
社長の命令に、皇は瞳を揺らした。
──怖がらせてしまっただろうか?
社長は心の中で焦りつつ、ゆっくりと彼に覆い被さるとその頬を撫でる。
「怖がらせてしまったかい?」
と、問えば彼は首を横に振り、両腕をこちらに向かって伸ばした。
「良い子だ」
彼は社長に抱きついたまま、おずおずと足を開く。すると社長は彼の最奥の蕾に中指の腹で触れた。
「んんッ……」
乾いた感触。彼が言うとおり、なにもされていない証拠。しかし中まで調べてみなければわからない。彼は視界がおぼろげになるほど強い酒を呑まされ、まるで情事のあとのように、乱れたカッコでベッドに横たわっていたのだから。
──彼を抱いていいのは、僕だけだ。
「やッ……痛いッ」
そのまま指を捩じ込ませようとすると、彼が小さく悲鳴を上げる。
「すまない、ごめんね」
先ほどまで身体中を撫でられ、形を持っていた彼自身は急激に萎えてしまっていた。よほど痛かったのであろう、彼が目に涙を浮かべている。
社長はじっと彼を見つめると、徐に口づけ彼自身を握りこんだ。
「んッ……ああッ」
──今まで、誰も自分を満たすことはできなかった。
この子が頼りに出来るのは、僕だけ。
甘えられるのも、この僕だけなのだ。
その事で自分はどれ程満たされ、幸せを感じることができただろうか。
だが……。
「検査は終わりだ、皇くん」
彼には婚約者がいる。自分には妻子が。そもそも彼は自分のことを恋愛対象にはしていない。
「帰ろうか」
わざと欲情させておいて、冷静な態度を取る。彼はどんな顔をするだろうかと思いながら。
「社長……」
「ん?」
「俺が望むなら、何でもしてくれるって言ったよね?」
「もちろんだよ」
彼に微笑んで見せるが、正直余裕なんてない。今すぐ、彼を犯したいと思っていた。彼は甘えるように胸にすり寄ると、小さな声で、
「意地悪しないで」
と訴えたのだった。
****♡side・副社長(皇)
──社長は意地悪だ。
こんな風に自分に縛っておきながら、与えないなんて。
その目は俺に欲情しているくせに、煽るだけ煽っておいて放置する。
ずるい。だったら、俺だって……。
彼は貪るように皇に口づけ、胸の飾りを優しく撫でる。皇の身体は感度が良かった。だからこそ彼が、自分を気に入っているのだろうと皇は思っている。
だが、こんなことをするから評価されたのだとは思いたくない。彼が自分に性的なことを求めるのは、あくまで仕事とは別物だと思いたかった。
理由がなんであれ。
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