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2話 この男、初恋につき
7・スピード感を持ちすぎる?!
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「はあ?!」
悠に言えないことはたくさんある。
これもまたその一つだ。
「池内。今、同棲って言ったか?」
と三多。
「急展開過ぎるだろ!」
と蒼姫。
蓮は相変わらず玄関先でゴルフクラブを振っていた。
「付き合って半年でフラれて、ヨリ戻して初デート」
「初デートで初エッチになだれ込んだと思ったら、同棲かよ! 重すぎるだろ、それ」
三多と蒼姫が交互に経緯を辿る。
「うるさいなっ」
と蓮はゴルフクラブを振りあげる。
「ナイスショット」
とハモる三多と蒼姫。
素振りだ。
「で、相模さんはなんて?」
急に声を落としひそひそ話を始める三多。
蒼姫はチラリと社内に視線を送った。
「一日待ってって言われた」
蓮はため息をつき、再び狙いを定める。
「なんなの? することしちゃったから責任とります的な、あれなの?」
「違う」
蒼姫の質問にしっかりと否定する蓮。
それについては悠にも同じ質問をされたのだ。
『ねえ、蓮。責任を取ろうととかそういうのなら、良いからね?』
悠は優しい。とても。
『合意の上だったし、わたしが望んでこうなったんだから』
彼女の初めての相手になれたことは嬉しい。
ホントに良いのか、何度も確認した。
後悔して欲しくなかったから。
『違うんだ。そうじゃなくて、俺は……』
「デートに誘えなかった理由もそうだけれど、もっと一緒にいる時間が欲しいなって思ったから」
おかしな始まり方だったから自信が持てなくて。
それどころか、どうやってデートに誘ったらいいかも分からないままフラれた。返す言葉が見つからなくて、彼女の背中をただ見送ることしかできなかっのだ。
やっぱり自分だけが好きだったんだと思って追いかけなかった。
追っても無駄だと思ったから。
「それで同棲って……まともにお付き合いもしてないのに大丈夫なのか?」
三多の心配はもとっもだと思う。
互いのことを良く知らないのに、一緒に暮らすのは楽じゃないだろう。
それでも、もっと一緒にいたいと思ったのだ。
たった一回のデートに運命を感じるほどに。
「お前、重たいやつだったんだなあ」
と蒼姫。
蒼姫の言葉にはショックを受けたが、翌日悠は約束通り返事をくれた。
「昨日ね、両親に蓮のことを話したの。もちろん同棲のことも。そしたら、反対はしないけれど一度会いたいって。どうする?」
最初から前向きに考えてくれていたことを知って嬉しくなる。
「挨拶に伺うのはもちろんだけれど、悠はいいの?」
名前で呼ぶことになったのも、別れを切り出されたことがきっかけ。
それくらい順番の滅茶苦茶な恋愛だ。
「わたしは、蓮が思ってるいるよりもずっと……あなたのことが好きよ?」
優しく微笑む彼女を蓮は思わず抱きしめた。
彼女を知るたびに好きになる。
それなのに……
「ちょ……物騒なこと言っちゃだめだよ」
今、目の前にいる悠の怒りは蒼姫に向いている。
「蓮は少し怒った方がいいわ!」
「そんなこと言われても……」
彼女を怒らせてばかりいる自分に、不甲斐なさを感じるのであった。
悠に言えないことはたくさんある。
これもまたその一つだ。
「池内。今、同棲って言ったか?」
と三多。
「急展開過ぎるだろ!」
と蒼姫。
蓮は相変わらず玄関先でゴルフクラブを振っていた。
「付き合って半年でフラれて、ヨリ戻して初デート」
「初デートで初エッチになだれ込んだと思ったら、同棲かよ! 重すぎるだろ、それ」
三多と蒼姫が交互に経緯を辿る。
「うるさいなっ」
と蓮はゴルフクラブを振りあげる。
「ナイスショット」
とハモる三多と蒼姫。
素振りだ。
「で、相模さんはなんて?」
急に声を落としひそひそ話を始める三多。
蒼姫はチラリと社内に視線を送った。
「一日待ってって言われた」
蓮はため息をつき、再び狙いを定める。
「なんなの? することしちゃったから責任とります的な、あれなの?」
「違う」
蒼姫の質問にしっかりと否定する蓮。
それについては悠にも同じ質問をされたのだ。
『ねえ、蓮。責任を取ろうととかそういうのなら、良いからね?』
悠は優しい。とても。
『合意の上だったし、わたしが望んでこうなったんだから』
彼女の初めての相手になれたことは嬉しい。
ホントに良いのか、何度も確認した。
後悔して欲しくなかったから。
『違うんだ。そうじゃなくて、俺は……』
「デートに誘えなかった理由もそうだけれど、もっと一緒にいる時間が欲しいなって思ったから」
おかしな始まり方だったから自信が持てなくて。
それどころか、どうやってデートに誘ったらいいかも分からないままフラれた。返す言葉が見つからなくて、彼女の背中をただ見送ることしかできなかっのだ。
やっぱり自分だけが好きだったんだと思って追いかけなかった。
追っても無駄だと思ったから。
「それで同棲って……まともにお付き合いもしてないのに大丈夫なのか?」
三多の心配はもとっもだと思う。
互いのことを良く知らないのに、一緒に暮らすのは楽じゃないだろう。
それでも、もっと一緒にいたいと思ったのだ。
たった一回のデートに運命を感じるほどに。
「お前、重たいやつだったんだなあ」
と蒼姫。
蒼姫の言葉にはショックを受けたが、翌日悠は約束通り返事をくれた。
「昨日ね、両親に蓮のことを話したの。もちろん同棲のことも。そしたら、反対はしないけれど一度会いたいって。どうする?」
最初から前向きに考えてくれていたことを知って嬉しくなる。
「挨拶に伺うのはもちろんだけれど、悠はいいの?」
名前で呼ぶことになったのも、別れを切り出されたことがきっかけ。
それくらい順番の滅茶苦茶な恋愛だ。
「わたしは、蓮が思ってるいるよりもずっと……あなたのことが好きよ?」
優しく微笑む彼女を蓮は思わず抱きしめた。
彼女を知るたびに好きになる。
それなのに……
「ちょ……物騒なこと言っちゃだめだよ」
今、目の前にいる悠の怒りは蒼姫に向いている。
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「そんなこと言われても……」
彼女を怒らせてばかりいる自分に、不甲斐なさを感じるのであった。
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