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2話 この男、初恋につき
2・彼女に興味を持ったきっかけ
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「え? 別れたの、あの美女と」
ワンフロア式だからなのか、部署関係なく同期とは仲が良かった。
同期の営業部の者にそう言われ、
「フラレたんだよっ」
蓮は社の外でゴルフクラブを振り上げながら。
「ナイスショット」
と、彼。
ただの素振りだ。
「池内でもフラレることあるんだな」
彼は驚いた表情し、ベンチに腰掛けると蓮を見上げ。
蓮は、何ってんだ? という風に相手を見つめ返す。
「だって、モテるじゃん?」
「モテた覚えはない。初めての彼女だったし。それに、二ヶ月も前の話だ」
やれやれという風にため息をつくと素振りをやめ、彼の隣に腰を掛ける。
すると、缶コーヒーを渡された。
「サンキュ」
プルタブを引き、口をつけようとして蓮は手を止める。
「相模さんだ」
と彼。
相模悠。今年度の新入社員で受付け嬢をしている美人だ。確かひとつ下。
いつも落ち着いた配色のお洒落な服装をしている印象。ストレートの髪を腰まで伸ばしており、就業時のみ一つに束ねていた。
ラピッドベージュの明るすぎない髪色も落ち着いた雰囲気にとても合っている。
「どうかした?」
車から降り颯爽と、まるでモデルのように歩いてくる悠を眺めていると、彼に声をかけられビクリと肩を揺らす蓮。
「あ、へえ……。池内って相模さんがタイプなんだ?」
「え?」
蓮は慌てる。
「俺、何も言ってないよね?」
「池内はわかりやすいねえ」
皆まで言うなというように、ぽんっと蓮の肩に手を置く彼。
「何がだよ」
「相模さーん」
悠に声をかける彼に、蓮はぎょっとした。
「おはようございます」
声をかけられて、ペコリと頭を下げる彼女。
「今日も可愛いね」
と彼は声をかけている。
「セクハラですよ」
と、悠。
「お二人は仲、いいんですか?」
それは恐らくただの世間話。
興味があって聞いたことではないのだろう。
それなのに。
「俺たち、同期なんだ。池内、格好いいよねー」
”何余計なこと言ってんだ”と抗議をしようとすると、
「そうですね」
と悠。
蓮は思わず彼女を見上げた。
社交辞令だと分かっているのに嬉しく思ってしまっている自分がいた。
──単純だ。
ちょっと褒められたくらいで好きになっちゃうんだから。
だが自信がなくて、蓮はしばらく悠に話かけることが出来ずにいた。
──今だって、あまり変わらない。
自信がなくて、どれほど言葉を飲み込んだのだろう。
「なあ、池内。あれ、いいのか?」
急に話しかけられて、蓮は現実に戻された。
隣に座る営業部の者が差示す方に視線を向けて、蓮は驚愕する。
「何して……」
「ポッ〇ーゲームだと思うが……って。おい! 池内」
制止を振り切り、勝手に身体が動いていた。
ワンフロア式だからなのか、部署関係なく同期とは仲が良かった。
同期の営業部の者にそう言われ、
「フラレたんだよっ」
蓮は社の外でゴルフクラブを振り上げながら。
「ナイスショット」
と、彼。
ただの素振りだ。
「池内でもフラレることあるんだな」
彼は驚いた表情し、ベンチに腰掛けると蓮を見上げ。
蓮は、何ってんだ? という風に相手を見つめ返す。
「だって、モテるじゃん?」
「モテた覚えはない。初めての彼女だったし。それに、二ヶ月も前の話だ」
やれやれという風にため息をつくと素振りをやめ、彼の隣に腰を掛ける。
すると、缶コーヒーを渡された。
「サンキュ」
プルタブを引き、口をつけようとして蓮は手を止める。
「相模さんだ」
と彼。
相模悠。今年度の新入社員で受付け嬢をしている美人だ。確かひとつ下。
いつも落ち着いた配色のお洒落な服装をしている印象。ストレートの髪を腰まで伸ばしており、就業時のみ一つに束ねていた。
ラピッドベージュの明るすぎない髪色も落ち着いた雰囲気にとても合っている。
「どうかした?」
車から降り颯爽と、まるでモデルのように歩いてくる悠を眺めていると、彼に声をかけられビクリと肩を揺らす蓮。
「あ、へえ……。池内って相模さんがタイプなんだ?」
「え?」
蓮は慌てる。
「俺、何も言ってないよね?」
「池内はわかりやすいねえ」
皆まで言うなというように、ぽんっと蓮の肩に手を置く彼。
「何がだよ」
「相模さーん」
悠に声をかける彼に、蓮はぎょっとした。
「おはようございます」
声をかけられて、ペコリと頭を下げる彼女。
「今日も可愛いね」
と彼は声をかけている。
「セクハラですよ」
と、悠。
「お二人は仲、いいんですか?」
それは恐らくただの世間話。
興味があって聞いたことではないのだろう。
それなのに。
「俺たち、同期なんだ。池内、格好いいよねー」
”何余計なこと言ってんだ”と抗議をしようとすると、
「そうですね」
と悠。
蓮は思わず彼女を見上げた。
社交辞令だと分かっているのに嬉しく思ってしまっている自分がいた。
──単純だ。
ちょっと褒められたくらいで好きになっちゃうんだから。
だが自信がなくて、蓮はしばらく悠に話かけることが出来ずにいた。
──今だって、あまり変わらない。
自信がなくて、どれほど言葉を飲み込んだのだろう。
「なあ、池内。あれ、いいのか?」
急に話しかけられて、蓮は現実に戻された。
隣に座る営業部の者が差示す方に視線を向けて、蓮は驚愕する。
「何して……」
「ポッ〇ーゲームだと思うが……って。おい! 池内」
制止を振り切り、勝手に身体が動いていた。
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