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────4章【咲夜と葵】
□2「二人」
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****♡Side・葵
恐らく久隆と大里の間に何かあったのだろう。葵はそんな風に思い、考え事をしている久隆を眺めていた。
二人の想いはまったく違う。
いつになったら気付くのやら。
いや、気付かないほうがお互いの為なのかな。
髪を撫でる咲夜を見上げる。目が合うと彼は優しい笑みを浮かべた。咲夜を悩ませるのはイヤだなと思う。
きっと、久隆くんが大里のことで悩んでいることを知ったら、サクはまたヤキモチを妬くに違いない。
そういえば、昨日から咲夜と久隆の様子がおかしいと思っていた。心配させないように、隣の彼にむぎゅっとしがみつけば”可愛い”と笑われる。
サクは久隆くんに出逢ってから変わった。
壊れやすくなった。
それも、久隆くんのことではすぐに不安定になってしまう。
それなのに当の本人はわかっていない。
大里も大里だ。
何故バランスを崩すようなことをするのだろう?
なんの得があるっていうんだろうか?
いや、もう限界なのかもしれない。
「サクッ」
「うん?」
”あとで、イチャイチャしようね”と耳元でこそっと囁くと、彼は頬を染め頷いた。可愛いなと思う。彼を変えたのは久隆だ。葵は大好きな咲夜の胸に顔を埋め目を閉じる。大きなお世話かもしれない、けれど大里に話を聞きたいと思っていた。
俺たち友達だろ?
それとも、久隆くんのことは話したくないのかな?
まあ、長年想いを寄せてたわけだし。
「葵、眠たいの?」
「ううん」
そうこうしているうちに大崎邸の玄関に車は横付けされ、三人は中に入り、エントランスから階上へ向かいながら、
「俺たち、ちょっとお喋りしてくるね」
久隆にそう告げると咲夜の手を掴む。それはイチャイチャしてくるという合図である。久隆が頷いて自室へ入っていくのを複雑な思いで見つめていた。彼は一人になったら大里に連絡するのかも知れないなと。
「サク」
部屋に入ると鍵をかけ、彼にぎゅっと抱きつく。彼の匂いが好きだ。抱きしめ返してくれる優しい腕と体温。
「大好きだよ」
「うん、愛してるよ」
彼の抱きしめ返す力が、少し強くなる。
「お風呂の用意してくる」
ニコッと微笑み彼から離れると、咲夜は笑みを返しオーディオの前に向かう。どんな音楽を選ぶのだろうか?きっと彼に似た優しい音楽だろう。そんな事を思いながらパネルの操作をして戻ると、カウンターの上に二つのグラスとみかん。
「みかんッ!」
葵は思わず駆け寄った。カウンターの上のみかんと咲夜を見比べると笑われた。
「子犬みたいだね、葵は」
ねえ、くれるの?というようにじっとその目を見つめると抱き寄せられる。口づけのあと、カウンター前の長いすに腰掛ける彼に抱き上げられ、膝の上に座らされた。彼の綺麗な指がみかんに触れるのを見つめる。
「剥いてあげる」
耳元でそう囁かれ、葵にはそれが卑猥に聴こえてしまい、腰にズンと衝撃を感じていた。
****
「ん、あーん」
まるで子供みたいに口を開けると、咲夜が口にみかんを一房入れてくれる。ただ、果物を食べているだけなのに妙に厭らしさを感じてしまうのは、咲夜に色気があるからだろうか。久隆に開発されたのだろうか、日に日に咲夜は何だか艶っぽさを増して、葵でさえ変な気持ちになってしまう。もし、自分にタチができたなら間違いなく彼を押し倒して、好き勝手してしまっているに違いない。
「葵、可愛い」
幼児を愛でる様に咲夜がイイコイイコしてくれる。髪を撫で頬にチュッと口付けをされると、幼児プレイのような気さえしてきて、葵はなんともいえない気分になった。そうこうしているうちに
お風呂の準備が整ったという音楽が聞こえてくる。
「もう一つはあとでね」
みかんはどうやらもう一つあるらしいが、今はそれどころではなかった。
早く、えっちしたいなあ。
頭の中が咲夜といちゃつく事でいっぱいになっている。彼に促されながら脱衣所に向かったが、その後の記憶は曖昧で、彼にされるがままだった。
「葵、ぼーっとしてると溺れちゃうよ?」
「サクに溺れてる」
「なに言ってるんだよ、まったく」
「はやく、いちゃいちゃしよーよ」
浴槽の中後ろから抱き締められて、彼の腕に手を添えていた葵は、咲夜を振り返る。ほんのり頬を染めた彼は可愛くて、ちょっと厭らしかった。
**
「あああッ…んんッ♡」
ベッドの上、胸の果実をころころと転がされ、葵は快感に胸を仰け反らせる。
「どうしたの?今日は」
いつもより感じやすい葵に、彼が耳元で優しく囁く。
今日はすごく感じちゃうの。
なんでだろ?
先ほどのみかんのやり取りを思い出し、更に興奮した。彼の指先が唇をなぞり、そっと口を開かせると葵の唇を塞ぐ、ゆっくりと。彼の柔らかい唇の感触、絡まる舌先、思い出すとどうにかなってしまいそうだった。
サクが好き。
大好き。
だからきもちいのッ。
「サクぅ…」
甘えるようにキスを強請ると、彼はゆっくりと笑みを浮かべる。綺麗な咲夜、まるで満開の桜のようだ。優しくキスを落とす彼に葵はしがみつく。彼は、愛しい恋人。何にも変え難い最愛の人。
「葵、愛してるよ」
「んッ好きぃ」
頬に触れる大好きな彼の手の平。ほんの少し人より体温が低い彼も、この時ばかりは熱く。
「ふぁッ…」
彼の片腕で支えられ、もう片方の手で双丘を割り最奥の蕾を指の腹でくるりとなでられると、葵はたまらなくなって声をあげる。
「んッ…あッ♡」
もっとキスが欲しいと咲夜に腕を伸ばすが、彼は別のところを見ていた。
「サクぅ」
「こっちにもキスしたいな」
「ひゃッ…」
「いい反応。甘い声で鳴いてごらん?」
彼は葵の両腿を大きく開くと腰を持ち上げ、そこに顔を埋める。
「やぁん♡」
葵の感度は凄く良かった。舌先で蕾を突かれ葵自身には彼の指が絡まり、気持ちよさに甘ったるい声をあげる。
「あッ…あんんッ♡」
「可愛い」
恐らく久隆と大里の間に何かあったのだろう。葵はそんな風に思い、考え事をしている久隆を眺めていた。
二人の想いはまったく違う。
いつになったら気付くのやら。
いや、気付かないほうがお互いの為なのかな。
髪を撫でる咲夜を見上げる。目が合うと彼は優しい笑みを浮かべた。咲夜を悩ませるのはイヤだなと思う。
きっと、久隆くんが大里のことで悩んでいることを知ったら、サクはまたヤキモチを妬くに違いない。
そういえば、昨日から咲夜と久隆の様子がおかしいと思っていた。心配させないように、隣の彼にむぎゅっとしがみつけば”可愛い”と笑われる。
サクは久隆くんに出逢ってから変わった。
壊れやすくなった。
それも、久隆くんのことではすぐに不安定になってしまう。
それなのに当の本人はわかっていない。
大里も大里だ。
何故バランスを崩すようなことをするのだろう?
なんの得があるっていうんだろうか?
いや、もう限界なのかもしれない。
「サクッ」
「うん?」
”あとで、イチャイチャしようね”と耳元でこそっと囁くと、彼は頬を染め頷いた。可愛いなと思う。彼を変えたのは久隆だ。葵は大好きな咲夜の胸に顔を埋め目を閉じる。大きなお世話かもしれない、けれど大里に話を聞きたいと思っていた。
俺たち友達だろ?
それとも、久隆くんのことは話したくないのかな?
まあ、長年想いを寄せてたわけだし。
「葵、眠たいの?」
「ううん」
そうこうしているうちに大崎邸の玄関に車は横付けされ、三人は中に入り、エントランスから階上へ向かいながら、
「俺たち、ちょっとお喋りしてくるね」
久隆にそう告げると咲夜の手を掴む。それはイチャイチャしてくるという合図である。久隆が頷いて自室へ入っていくのを複雑な思いで見つめていた。彼は一人になったら大里に連絡するのかも知れないなと。
「サク」
部屋に入ると鍵をかけ、彼にぎゅっと抱きつく。彼の匂いが好きだ。抱きしめ返してくれる優しい腕と体温。
「大好きだよ」
「うん、愛してるよ」
彼の抱きしめ返す力が、少し強くなる。
「お風呂の用意してくる」
ニコッと微笑み彼から離れると、咲夜は笑みを返しオーディオの前に向かう。どんな音楽を選ぶのだろうか?きっと彼に似た優しい音楽だろう。そんな事を思いながらパネルの操作をして戻ると、カウンターの上に二つのグラスとみかん。
「みかんッ!」
葵は思わず駆け寄った。カウンターの上のみかんと咲夜を見比べると笑われた。
「子犬みたいだね、葵は」
ねえ、くれるの?というようにじっとその目を見つめると抱き寄せられる。口づけのあと、カウンター前の長いすに腰掛ける彼に抱き上げられ、膝の上に座らされた。彼の綺麗な指がみかんに触れるのを見つめる。
「剥いてあげる」
耳元でそう囁かれ、葵にはそれが卑猥に聴こえてしまい、腰にズンと衝撃を感じていた。
****
「ん、あーん」
まるで子供みたいに口を開けると、咲夜が口にみかんを一房入れてくれる。ただ、果物を食べているだけなのに妙に厭らしさを感じてしまうのは、咲夜に色気があるからだろうか。久隆に開発されたのだろうか、日に日に咲夜は何だか艶っぽさを増して、葵でさえ変な気持ちになってしまう。もし、自分にタチができたなら間違いなく彼を押し倒して、好き勝手してしまっているに違いない。
「葵、可愛い」
幼児を愛でる様に咲夜がイイコイイコしてくれる。髪を撫で頬にチュッと口付けをされると、幼児プレイのような気さえしてきて、葵はなんともいえない気分になった。そうこうしているうちに
お風呂の準備が整ったという音楽が聞こえてくる。
「もう一つはあとでね」
みかんはどうやらもう一つあるらしいが、今はそれどころではなかった。
早く、えっちしたいなあ。
頭の中が咲夜といちゃつく事でいっぱいになっている。彼に促されながら脱衣所に向かったが、その後の記憶は曖昧で、彼にされるがままだった。
「葵、ぼーっとしてると溺れちゃうよ?」
「サクに溺れてる」
「なに言ってるんだよ、まったく」
「はやく、いちゃいちゃしよーよ」
浴槽の中後ろから抱き締められて、彼の腕に手を添えていた葵は、咲夜を振り返る。ほんのり頬を染めた彼は可愛くて、ちょっと厭らしかった。
**
「あああッ…んんッ♡」
ベッドの上、胸の果実をころころと転がされ、葵は快感に胸を仰け反らせる。
「どうしたの?今日は」
いつもより感じやすい葵に、彼が耳元で優しく囁く。
今日はすごく感じちゃうの。
なんでだろ?
先ほどのみかんのやり取りを思い出し、更に興奮した。彼の指先が唇をなぞり、そっと口を開かせると葵の唇を塞ぐ、ゆっくりと。彼の柔らかい唇の感触、絡まる舌先、思い出すとどうにかなってしまいそうだった。
サクが好き。
大好き。
だからきもちいのッ。
「サクぅ…」
甘えるようにキスを強請ると、彼はゆっくりと笑みを浮かべる。綺麗な咲夜、まるで満開の桜のようだ。優しくキスを落とす彼に葵はしがみつく。彼は、愛しい恋人。何にも変え難い最愛の人。
「葵、愛してるよ」
「んッ好きぃ」
頬に触れる大好きな彼の手の平。ほんの少し人より体温が低い彼も、この時ばかりは熱く。
「ふぁッ…」
彼の片腕で支えられ、もう片方の手で双丘を割り最奥の蕾を指の腹でくるりとなでられると、葵はたまらなくなって声をあげる。
「んッ…あッ♡」
もっとキスが欲しいと咲夜に腕を伸ばすが、彼は別のところを見ていた。
「サクぅ」
「こっちにもキスしたいな」
「ひゃッ…」
「いい反応。甘い声で鳴いてごらん?」
彼は葵の両腿を大きく開くと腰を持ち上げ、そこに顔を埋める。
「やぁん♡」
葵の感度は凄く良かった。舌先で蕾を突かれ葵自身には彼の指が絡まり、気持ちよさに甘ったるい声をあげる。
「あッ…あんんッ♡」
「可愛い」
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