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────4章【咲夜と葵】
プロローグ
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大里は昇降口に向かいながらぼんやりと彼らのことを思う。
”霧島 咲夜”と”片倉 葵”。
イヤフォンから流れるのは季節はずれの”Why Christmas”、彼らとの初めてのクリスマスはそんなに遠くない未来だ。すれ違う女子生徒がきゃーきゃー言いながら手を振ってくれる。大里は事務的に笑顔を作ると片手を挙げた。まるで選挙カーから手を振る議員のようだ。
自動笑顔と愛想のよさが俺の武器だった。
医院長の回診さながら取り巻きをぞろぞろ連れて歩く。
そんな自分を彼らはどう思っていたのだろう?
幼馴染でありながら、一緒にいない俺と久隆を。
さぞ滑稽だったろう。
馬鹿だな。
「さて、どこに行きたいのかな」
この世でたった一人、心から想いを寄せ、必死に自分を支えようとしてくれる黒川のことを考えた。来年は、葵もろともAクラスに入りたいという。遊ばせてばかりじゃいけないなと、ぼんやり思った。
いや、俺は親かよ!
自分にツッコミを入れつつ靴を履き替えると大里は校門に向かう。まさかデート先で、会いたくない人たちに遭遇することになろうとは思ってもいなかった。
”霧島 咲夜”と”片倉 葵”。
イヤフォンから流れるのは季節はずれの”Why Christmas”、彼らとの初めてのクリスマスはそんなに遠くない未来だ。すれ違う女子生徒がきゃーきゃー言いながら手を振ってくれる。大里は事務的に笑顔を作ると片手を挙げた。まるで選挙カーから手を振る議員のようだ。
自動笑顔と愛想のよさが俺の武器だった。
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いや、俺は親かよ!
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