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────1章【久隆と咲夜】
□2「理不尽な幼なじみ」
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****♡Side・大里
「なあ、久隆」
「うん?」
大里と久隆はいつものラウンジで葵たちを待っていた。彼は大里に背を預け目を閉じ、
「今日、ギャラリー多くないか?」
と言う大里の問いに、
「俺らが泥沼の三角関係なこと忘れたのか?」
と返答をしクククと肩で笑う。
「チッ」
大里は舌打ちをすると、彼のお腹の辺りに腕を回す
。
「学園の奴らもそんなこと信じてんのかよ」
と溢せば、
「いいんじゃね?」
と彼からの軽い返事。
え?
ちょ、ちょっとまて。
俺と噂になってても良いってこと?
いやいや。
どうでもいいってことかもしれん。
ぬあッ。
どっちなんだ?!
大里は自分の考えに翻弄されていた。十年も想い続けたこの幼馴染みは、無意識に大里に期待を持たせる天才なのだ。
「何、一人で百面相してるの?大里」
「うわっ!」
葵に急に声をかけられ、飛び上がりそうなほど驚く大里。
「煩い、大里」
すると、”耳の近くで騒しい!”と久隆に怒られた。
り、理不尽じゃないのか?
「お弁当食べよーッ」
葵は大里の向かい側に腰かけると、テーブルの上に並んだお弁当箱の蓋を開け始める。
「ゴージャス!」
と、咲夜。
「さすが南ーッ。美味しそう」
と、はしゃぐ葵。
気楽でいいよなぁ、この二人は。
「久隆、食べようや」
と久隆に声をかける大里。取り皿と箸を配る葵。四人分の飲み物を分ける咲夜。
「うん」
大里の言葉に、久隆はひょこっと何事もなかったように起き上がり、
「咲夜、ありがと」
と咲夜からお茶のペットボトルを受け取りながら、彼はニコッと微笑む。
くそ可愛いんだよ、ほんと。
大里は頬杖をついて彼を見つめた。葵はいつものように咲夜にあーんをしてもらっている。視線を移しそちらを眺めていると、
「羨ましいのか?」
と言われ、
「え?」
大里が再び隣に視線を移せば、久隆がこちらを見上げ、
「してやろうか?」
と。
え?!
久隆が俺にそんな恋人みたいなことをしてくれると言うのか?
「マジ、で?」
「ほれ」
彼は大里の口元に箸先を向ける。
「むぐッ」
「旨いか?俺が作ったわけじゃないけどね」
あーんをしてもらい、大里はじっと彼を見つめていた。
え!
間接キスじゃない?!
かつて散々セフレとやりまくっていた大里だが、想い人である久隆に対してだけは純情なのであった。
「久隆ッ」
そんな二人を見ていた咲夜から苦情が来る。
「うん?」
「なあんで、大里とイチャイチャしてるのッ」
「してないよ」
「久隆は俺のだよ..むぐッ」
文句を言う咲夜に、久隆は身を乗り出すと口づけた。
おい!
こんなところでそんなことしたら、泥沼の四角関係になるだろうが!
「イチャイチャすなーーーーーー!」
「煩いよ、大里」
大声を出したら大里は久隆に怒られたのだった。
理不尽だろ!
「なあ、久隆」
「うん?」
大里と久隆はいつものラウンジで葵たちを待っていた。彼は大里に背を預け目を閉じ、
「今日、ギャラリー多くないか?」
と言う大里の問いに、
「俺らが泥沼の三角関係なこと忘れたのか?」
と返答をしクククと肩で笑う。
「チッ」
大里は舌打ちをすると、彼のお腹の辺りに腕を回す
。
「学園の奴らもそんなこと信じてんのかよ」
と溢せば、
「いいんじゃね?」
と彼からの軽い返事。
え?
ちょ、ちょっとまて。
俺と噂になってても良いってこと?
いやいや。
どうでもいいってことかもしれん。
ぬあッ。
どっちなんだ?!
大里は自分の考えに翻弄されていた。十年も想い続けたこの幼馴染みは、無意識に大里に期待を持たせる天才なのだ。
「何、一人で百面相してるの?大里」
「うわっ!」
葵に急に声をかけられ、飛び上がりそうなほど驚く大里。
「煩い、大里」
すると、”耳の近くで騒しい!”と久隆に怒られた。
り、理不尽じゃないのか?
「お弁当食べよーッ」
葵は大里の向かい側に腰かけると、テーブルの上に並んだお弁当箱の蓋を開け始める。
「ゴージャス!」
と、咲夜。
「さすが南ーッ。美味しそう」
と、はしゃぐ葵。
気楽でいいよなぁ、この二人は。
「久隆、食べようや」
と久隆に声をかける大里。取り皿と箸を配る葵。四人分の飲み物を分ける咲夜。
「うん」
大里の言葉に、久隆はひょこっと何事もなかったように起き上がり、
「咲夜、ありがと」
と咲夜からお茶のペットボトルを受け取りながら、彼はニコッと微笑む。
くそ可愛いんだよ、ほんと。
大里は頬杖をついて彼を見つめた。葵はいつものように咲夜にあーんをしてもらっている。視線を移しそちらを眺めていると、
「羨ましいのか?」
と言われ、
「え?」
大里が再び隣に視線を移せば、久隆がこちらを見上げ、
「してやろうか?」
と。
え?!
久隆が俺にそんな恋人みたいなことをしてくれると言うのか?
「マジ、で?」
「ほれ」
彼は大里の口元に箸先を向ける。
「むぐッ」
「旨いか?俺が作ったわけじゃないけどね」
あーんをしてもらい、大里はじっと彼を見つめていた。
え!
間接キスじゃない?!
かつて散々セフレとやりまくっていた大里だが、想い人である久隆に対してだけは純情なのであった。
「久隆ッ」
そんな二人を見ていた咲夜から苦情が来る。
「うん?」
「なあんで、大里とイチャイチャしてるのッ」
「してないよ」
「久隆は俺のだよ..むぐッ」
文句を言う咲夜に、久隆は身を乗り出すと口づけた。
おい!
こんなところでそんなことしたら、泥沼の四角関係になるだろうが!
「イチャイチャすなーーーーーー!」
「煩いよ、大里」
大声を出したら大里は久隆に怒られたのだった。
理不尽だろ!
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