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────2章『宝船と戦艦』

■9「もっと欲しいの。甘えて、誘って」【R】

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 ****♡Side・咲夜

 久隆の愛撫はいつも丁寧で、とても大切にされていることを咲夜は実感する。
「うんッ..」
 大好きな久隆が、咲夜自身に指を絡め、舌でカリを執拗に愛撫していた。咲夜があまりの気持ちよさに身を反すと彼は、
「なあに?そんな厭らしいカッコして」
 と嬉しそうな顔をして、咲夜の反らした胸の飾りに空いている方の手を伸ばし、
「気持ちいいの?」
 と問う。そんな彼を咲夜はうっとりと見つめ、
「..久隆ッ..気持ちい..」
 と、素直な気持ちを述べた。

 素直でいたら、もっと愛してくれる?
 俺をもっと求めてくれる?
 久隆が欲しいの。
 もっともっと欲しいこと、分かってくれる?

「もっと..して欲しいッ」
 いつもなら絶対言わないことを咲夜は勇気を出して口にしてみる。
「久隆ッ」
 縋るように彼の名を呼べば、久隆は何故か突然、咲夜を抱きしめた。
「咲夜」
 自分の名を呼ぶ彼の優しい声、たまらない。
「..うん?」
 不思議そうに声を発すれば、
「ごめんね」
 耳元で謝罪の言葉を溢す、彼。

「?!」
 何に謝っているのだろうと驚いていると、普段なら口にしないようなことを口にする彼。
「我慢できなくなっちゃった」
「ふぇっ?」
 次の瞬間、久隆は咲夜の身体を反転させるとその腰を両手で掴み、尻をを高く持ち上げた。
「やだッ..」
「いい子にして」
 咲夜は四つん這いにされ、久隆に双丘を拡げられる。
「やッ..いやッ」
「前も弄ってあげるから」
 久隆はこんなやり方しない人だった。

 二人きりの時は蕩けるような甘いセックス…だったのに!
 こんな恥ずかしいカッコやだッ。

「久隆ッ。こんなのいやッ」
 咲夜がイヤイヤと首を振るのにも関わらず、無視をしてピンクの蕾に舌を這わせる久隆。
「こんなカッコ...やだよぉ」
「厭らしくて可愛いよ?」
 久隆は咲夜の腰を押さえつけ、執拗に蕾をなめ上げる。元々がタチな咲夜は、動物みたいに犯されることには羞恥が伴う。三人でしているときは、行為に夢中過ぎて厭らしいカッコも気にならないのだが。

「んッ...」
 だが、久隆に自分自身をくちゅくちゅと弄られ始めると気持ちよさに声が漏れた。蕾の中まで舌が入ってくる。
「ああッ♡..やあッ」
「甘い声出して堪らない」
「んんッ♡」
 久隆の舌はそのまま睾丸をも、舐めあげた。
「咲夜は色白だから、ココもココもピンクで可愛い」
 咲夜は自身の睾丸から蕾まで、前を弄られながら舌が行ったり来たりするのを感じていた、久隆の愛撫に気が変になりそうだ。

「あッ」
 久隆は、咲夜の身体を引き寄せると足の間に座らせ、自分の立てた膝の上に咲夜の足を乗せさせた。久隆は無理矢理M字に開かせた咲夜の足の間に、手を滑り込ませる。
「気持ちいこと、いっぱいしてあげるよ」
 嬉しそうな彼の声。久隆が傍らに置いてあったジェルを、自身の指にたっぷりと垂らすさまを、咲夜はドキドキしながら見ていた。自分は彼の形の良い、綺麗な指先がとても好きである。
「期待してる?ここ、俺の指で塞がれるの」
 彼は左の手の人差し指と親指で咲夜の蕾を拡げながら、そう問う。羞恥に赤く染まる咲夜の頬。
「拡げちゃ..んんッ♡」
 ジェルとともに、蕾に彼の中指をくぷぷッと差し入れられて、咲夜が快感にのけ反ると、下だけでなく口も塞がれる。

 あッ。久隆、大好きッ。
 好きで好きで堪らない。
 久隆に甘えたいの。
 いっぱい甘やかしてよ。

 ****

「久隆」
「うん?」
「どうして今日はこんな..」
 久隆は蕾に指を出し入れしながら首筋に舌を這わせている。
「余裕がないんだよ」
 彼がそんなことを言うことに驚いた。いつもだったら余裕綽々で、”別に俺はイかなくてもいいよ”くらいのスタンスなのに、と。
「ねえ、挿れたいよ。咲夜」
 プチゅプチゅっと、指を出し入れしながら咲夜の耳元で久隆がねだる。
「ここ、俺のものにしていい?」
 久隆の甘いおねだりに咲夜の心拍数が更に上がっていく。コクコクと頷くと、彼がニッコリ嬉しそうに笑みを浮かべた。


「あああッ」
 ゆっくりと確かな感触が下腹部に快感を与える。
「んんッ」
 久隆自身が、奥を犯し続けていた。
「久隆のッ..気持ちいよぉ」
 ぎゅぅッとしがみつくと、
「今日はどうしたの?」
 と、優しく問いかけられる。
「だって、久隆はあまりしてくれないから..」
 そう訴えると、彼に背中に腕を回され、頭を抱えられ、
「あ..」
 引っ張り起された。騎乗位は初めてで。向かい合って抱き締められると、彼にうっとりしてしまい目が、トロンとなる咲夜。
「葵ちゃんとばっかりしてるから、咲夜はやっぱりタチの方がいいのかなって思ってた」
「どっちも好きッ、久隆ともっといっぱいしたいよぉ」
 甘えた声で、久隆を自分の虜にしようとした。こんなこと、二人きりじゃないと出来ない。

「どうしちゃったの?」
「んッ..はぁッ」
 腰を上下に揺らし久隆を貪欲に求める。なかなかないチャンスなのだから、分かって貰わなければならない。咲夜そう何度も、勇気は出せる気がしなかった、だから今が勝負の時なのだ。
「咲夜をこんなに、淫乱にしちゃってごめんね」
 久隆は切な気に咲夜を見つめる。
「久隆は、清楚な恥らいのある子が好きだものね」
 感情を押し殺し、恨み言に聞こえないように咲夜は言う。今日彼は、全然言葉攻めをしてこない。咲夜は”彼はきっと、穢れを知らない子を汚すのが好きなのだ”と思った。初めてエッチをした時の彼の瞳が忘れられない、あの目はまるで”咲夜の初めてを奪うことでいっぱいだ”と言っていうようで、そんな彼に咲夜はたまらなく興奮したのだ。

 犯したい、犯したいと。

 久隆に気が狂うほどに求められたい自分がいる。
「咲夜、それは違うよ」
 久隆は咲夜の耳を軽く噛んで否定した。
「違う?..あんッ..ひゃッ?」
 久隆は体勢を変え、咲夜をベッドに押しつけて足を自身の肩にかける。
「咲夜が、好きなんだ」
「ッ」
 今までとは比べ物にならない快感が奥を襲う。
「俺は“咲夜”を、犯したいんだよ」
「やあッ…んんんッ♡…そんなしちゃ…やあッ♡」
 久隆の愛欲に満ちた瞳に射抜かれ、咲夜は昇天した。
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