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special love『運命の恋人』
3:仲良し三義兄弟
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****♡Side・久隆
「ねえ、兄さん」
今日一日、咲夜にカッコ悪いところを見せてばかりだった久隆は今度こそ良いところを見せるんだ、と息巻いていた。
「なんだ、久隆。お兄ちゃんと呼べと言ってるだろ」
兄、圭一は自分の分のコーヒーを入れると久隆の隣に腰を下ろす。
「イヤだよ。もう、高校生だもん。高校生は子供じゃないよ」
と精一杯虚勢を張るが、
「大人は”だもん”とか言わない」
と、切り返されてしまう。
隣に咲夜がいるのにと思うと恥ずかしさに頬を染めた。彼の前ではカッコつけたい。だって咲夜が大好きだから。彼にだけはカッコいいと思われたかった。
「で、どうした?」
ツッコミは入れられたものの兄は基本的に自分たちに甘い。
溺愛されている自覚も、もちろんあった。
「明日、お出かけしたい。何処か連れて行ってよ」
咲夜と晴れて恋人同士になれた久隆は彼とデートがしたかったが、外出許可が下りるわけがなかった。自分と咲夜は大崎グループ会長の孫。
咲夜は血が繋がっておらず苗字もそのままだが一族であることに変わりはない。誘拐される恐れもあるため、K学園へは車で送迎。単独での外出は禁止されている。大崎邸には二十名からの従業員、通称ファミリーが住み込みで働いている為、出かけるときはその中の誰かに付き添って貰えばいい。
──しかし、休みの日にまで彼らの手を煩わせたくない。
兄は高等部にあがった頃から忙しくなった。社長である父の秘書をしている。
それと言うのも、いずれ自分が副社長になる為の勉強のようなものらしい。勤務先には第二秘書として咲夜の叔父の都筑、第三秘書には父の妹の夏海が就いている。
身内率は高いが楽しそうな職場であった。そんなこんなで忙しくなった兄とは最近ゆっくり一緒に居ることも出来ない。久隆はどうせ付き添いが要るのならば、兄が良かったのである。
「明日か。何処へ行きたいんだ?」
どうやら連れて行ってくれるらしい。心が躍った。
「咲夜は何処に行きたい?」
もちろん、大好きな咲夜優先だ。
「んー。僕、水族館行ってみたいな。ほら、今度新しくできたところ」
それはK学園では二大セレブと名高い片割れの大里グループ系列の水族館であった。
「水族館か」
圭一は、場所を確認するため傍らに置いてあったタブレットを操作する。
大崎邸従業員食堂には数か所にタブレット端末が置いてあり、この屋敷に住んでいるものはファミリーも含め誰でも自由に使うことが出来るのだ。それと言うのもファミリーと言われる従業員は休憩中はここにいることが多く、コミュニケーションの一つとして使って欲しいという社長、父の意向だった為である。
「ここか。運転は都筑に頼もう」
どうやら願いが叶った久隆と咲夜は、互いに顔を見合わせにっこり微笑んだのだった。
「ねえ、兄さん」
今日一日、咲夜にカッコ悪いところを見せてばかりだった久隆は今度こそ良いところを見せるんだ、と息巻いていた。
「なんだ、久隆。お兄ちゃんと呼べと言ってるだろ」
兄、圭一は自分の分のコーヒーを入れると久隆の隣に腰を下ろす。
「イヤだよ。もう、高校生だもん。高校生は子供じゃないよ」
と精一杯虚勢を張るが、
「大人は”だもん”とか言わない」
と、切り返されてしまう。
隣に咲夜がいるのにと思うと恥ずかしさに頬を染めた。彼の前ではカッコつけたい。だって咲夜が大好きだから。彼にだけはカッコいいと思われたかった。
「で、どうした?」
ツッコミは入れられたものの兄は基本的に自分たちに甘い。
溺愛されている自覚も、もちろんあった。
「明日、お出かけしたい。何処か連れて行ってよ」
咲夜と晴れて恋人同士になれた久隆は彼とデートがしたかったが、外出許可が下りるわけがなかった。自分と咲夜は大崎グループ会長の孫。
咲夜は血が繋がっておらず苗字もそのままだが一族であることに変わりはない。誘拐される恐れもあるため、K学園へは車で送迎。単独での外出は禁止されている。大崎邸には二十名からの従業員、通称ファミリーが住み込みで働いている為、出かけるときはその中の誰かに付き添って貰えばいい。
──しかし、休みの日にまで彼らの手を煩わせたくない。
兄は高等部にあがった頃から忙しくなった。社長である父の秘書をしている。
それと言うのも、いずれ自分が副社長になる為の勉強のようなものらしい。勤務先には第二秘書として咲夜の叔父の都筑、第三秘書には父の妹の夏海が就いている。
身内率は高いが楽しそうな職場であった。そんなこんなで忙しくなった兄とは最近ゆっくり一緒に居ることも出来ない。久隆はどうせ付き添いが要るのならば、兄が良かったのである。
「明日か。何処へ行きたいんだ?」
どうやら連れて行ってくれるらしい。心が躍った。
「咲夜は何処に行きたい?」
もちろん、大好きな咲夜優先だ。
「んー。僕、水族館行ってみたいな。ほら、今度新しくできたところ」
それはK学園では二大セレブと名高い片割れの大里グループ系列の水族館であった。
「水族館か」
圭一は、場所を確認するため傍らに置いてあったタブレットを操作する。
大崎邸従業員食堂には数か所にタブレット端末が置いてあり、この屋敷に住んでいるものはファミリーも含め誰でも自由に使うことが出来るのだ。それと言うのもファミリーと言われる従業員は休憩中はここにいることが多く、コミュニケーションの一つとして使って欲しいという社長、父の意向だった為である。
「ここか。運転は都筑に頼もう」
どうやら願いが叶った久隆と咲夜は、互いに顔を見合わせにっこり微笑んだのだった。
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