転生したらキングメーカーでした 〜ウォリックになった俺、未来知識で推しのために全力で闘います!!〜

月雪美玲

文字の大きさ
上 下
6 / 12
俺が…キングメーカー(予定)!?

5.ちゃんと勉強もしてるヨ!!

しおりを挟む
1432年8月31日

 リッキーだヨ!!
 鼻血事件(?)から暫く経ち、もう夏も終わり。もっとも、俺のいるバークシャー(ロンドンの西隣)は北緯51度。東京が北緯35度くらいだからめっちゃ北だ。夏なのに20度代で涼しいヨ!クーラーを効かせなくても快適!わーい、転生万歳ー!(医療とか終わってるけど)。

 さて、そんな俺は曇りである今日も籠って勉強をしている。え、ちょっとは外に出ろって?別にいいじゃん。俺、結構インドア派なんだもん(前世から)。え?運動しろ?ナニー?キコエナーイ


 コホン。勉強に集中しよう。俺は今、様々な戦について勉強している。主に百年戦争についてだ。今はエドワード黒太子の初陣、クレシーの戦いについて学んでいる。(前世知識で)イングランドのロングボウ部隊が活躍した、ということは知っているが、その他のことについては詳しく知らない。

「リッキー。クレシーの戦いに関して何か質問はあるか?」

 父上が背後から話しかけてきた。今日は休日なので俺の面倒を見てくれている。

「あ、はい。我が国の軍のロングボウはフランス軍のクロスボウより強いのですか?ここには我が軍が上から射て…、と書かれているのですが…」

 そうだな、と考える素振りを見せる父上。

「まず、違いから話していこうか。我が国のロングボウははっきり言ってクロスボウより原始的だ。その上、引く力もかなりいるため扱いも難しい。だが、羽が多く長いため射程距離が長い。そして扱いが難しいということは、きちんと訓練してきた先鋭たちが使えるということだ。
 一方フランスのクロスボウはまず速度が速く、近距離で当てられたらひとたまりもない。そしてそこまで訓練せずとも扱える。ただ、ロングボウより矢が短い故に、ロングボウより射程距離が短いのだ。
 あと、射ることができる本数が違う。ロングボウは短期間でたくさん、クロスボウは長期間で少数、と覚えておけばいい。
 だから、総合的にロングボウが強いが、射手を失った場合、損失が大きいのもロングボウだ、ということだ」

「へぇ、ありがとうございます、父上」

「じゃあ、次はカレー包囲戦だな。こっちはこの本の方が詳しく書かれている。ヘンリー5世陛下の頃の史料は、義父上ちちうえが書いたり集めたりしたおかげで、我が家にもたくさんあるが、ブルターニュ継承戦争のものとかは多くなくてな…。今度探してくる」

 義父上、と父上が呼ぶのは俺の祖父で母上の父、故人で先代ソールズベリー伯トマス・モンタキュートのことだ。ヘンリー5世に付き従い、活躍を遂げていた中、ジャンヌ・ダルクが現れるより前にオルレアン包囲戦で亡くなっている。近くを砲撃された時に負った怪我の影響だそうだ。

「祖父上の史料ですか。ちょっと気になりますねぇ」

 何か面白いことが書いていないかな、と考え始める。

「残念だがリッキー。面白いことややらかしは書いていない。イングランド視点で戦争の記述があるのみだぞ」

 げ、俺の考えバレてる。そしてイングランド視点ってことは都合悪いこと書いてないだろうな。たくさんあってもどこまでが真実なんだか。

「私自身、義父上のことはよく知らないしな。ヘンリー5世陛下の元で活躍こそしていたが、裏を返すとアリスと共にいなかった、ということになるからな。アリスから義父上の話をあまり聞いたことがない」

 つまり祖父上が書いたものについては信憑性不明、っと。大丈夫かな。

「まぁ、私が知っていることは記しておくし、正確な史料をその時までには探しておくから安心しろ」

「ちゃんとわかってますね、父上」

 俺の心読めるんじゃないかな、この人。父上のことが少しずつわかってきたような気がする。

「わかっていますね、とはなんだ。当たり前だろう」

 父上がクスリ、と笑った。雲が動き、陽の光が入ってきた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

日本が日露戦争後大陸利権を売却していたら? ~ノートが繋ぐ歴史改変~

うみ
SF
ロシアと戦争がはじまる。 突如、現代日本の少年のノートにこのような落書きが成された。少年はいたずらと思いつつ、ノートに冗談で返信を書き込むと、また相手から書き込みが成される。 なんとノートに書き込んだ人物は日露戦争中だということだったのだ! ずっと冗談と思っている少年は、日露戦争の経緯を書き込んだ結果、相手から今後の日本について助言を求められる。こうして少年による思わぬ歴史改変がはじまったのだった。 ※地名、話し方など全て現代基準で記載しています。違和感があることと思いますが、なるべく分かりやすくをテーマとしているため、ご了承ください。 ※この小説はなろうとカクヨムへも投稿しております。

家の庭にレアドロップダンジョンが生えた~神話級のアイテムを使って普通のダンジョンで無双します~

芦屋貴緒
ファンタジー
売れないイラストレーターである里見司(さとみつかさ)の家にダンジョンが生えた。 駆除業者も呼ぶことができない金欠ぶりに「ダンジョンで手に入れたものを売ればいいのでは?」と考え潜り始める。 だがそのダンジョンで手に入るアイテムは全て他人に譲渡できないものだったのだ。 彼が財宝を鑑定すると驚愕の事実が判明する。 経験値も金にもならないこのダンジョン。 しかし手に入るものは全て高ランクのダンジョンでも入手困難なレアアイテムばかり。 ――じゃあ、アイテムの力で強くなって普通のダンジョンで稼げばよくない?

これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅

聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

旧陸軍の天才?に転生したので大東亜戦争に勝ちます

竹本田重朗
ファンタジー
転生石原閣下による大東亜戦争必勝論 東亜連邦を志した同志達よ、ごきげんようである。どうやら、私は旧陸軍の石原莞爾に転生してしまったらしい。これは神の思し召しなのかもしれない。どうであれ、現代日本のような没落を回避するために粉骨砕身で働こうじゃないか。東亜の同志と手を取り合って真なる独立を掴み取るまで… ※超注意書き※ 1.政治的な主張をする目的は一切ありません 2.そのため政治的な要素は「濁す」又は「省略」することがあります 3.あくまでもフィクションのファンタジーの非現実です 4.そこら中に無茶苦茶が含まれています 5.現実的に存在する如何なる国家や地域、団体、人物と関係ありません 6.カクヨムとマルチ投稿 以上をご理解の上でお読みください

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。

アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。 両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。 両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。 テッドには、妹が3人いる。 両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。 このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。 そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。 その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。 両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。 両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…   両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが… 母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。 今日も依頼をこなして、家に帰るんだ! この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。 お楽しみくださいね! HOTランキング20位になりました。 皆さん、有り難う御座います。

ゲームの中に転生したのに、森に捨てられてしまいました

竹桜
ファンタジー
 いつもと変わらない日常を過ごしていたが、通り魔に刺され、異世界に転生したのだ。  だが、転生したのはゲームの主人公ではなく、ゲームの舞台となる隣国の伯爵家の長男だった。  そのことを前向きに考えていたが、森に捨てられてしまったのだ。  これは異世界に転生した主人公が生きるために成長する物語だ。

処理中です...